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高校生150名が異世界廃墟に集団転移したようです。みんなは戸惑っているようですが、おれたち三人は好きにやらせて貰います。  作者: (=`ω´=)
チュートリアル篇

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作戦会議

「はいはい。

 会長ー」

 そばに居た生徒会の女子役員がすぐに立ちあがり、小名木川会長の体を両腕で抱きしめる。

「大丈夫ですからねー。

 落ち着きましょうねー」

「申し訳ございません」

 築地副会長が、恭介たちに頭をさげた。

「お見苦しいところをお見せいたしました。

 いい訳じみて聞こえるかも知れませんが、会長は昨日から諸々の手配で忙しく、休養する間もない有様です。

 一時の錯乱と思い、このまま流して頂けると助かります」

「いや、その辺は別に気にしないけど」

 ちょっとあっけに取られていた恭介は、ようやくそう返事をする。

「あの人、大丈夫なの?」

 あの人、こと小名木川会長は女子生徒に抱えられたまま少し離れた場所に移動し、

「会長、落ち着きました?

 おっぱい揉みます?」

「……揉むぅ」

 などというやり取りをしている。

 なんか、扱いに慣れているような。

 いやそれよりも、あの会長、ストレスのせいか幼児退行していないか?

「心労の多い職務なのでしょうね」

 彼方が、もっともらしい表情を取り繕って、そういう。

「それはともかく、ちょっと疑問なんですが。

 生徒会の人たち、こっちのステータスとかについて、結構詳しいところまで閲覧出来るんじゃないですか?」

 そうでないと、そもそもプレイヤーランキングなど作れない。

「おっしゃる通りですが、昨日からなにかと多忙でして、生徒会の全員がプレイヤーの方々について詳細なチェックをする余裕がありませんでした」

 そういって築地副会長は深々と頭をさげる。

「トライデントの皆様には、日頃からなにかと有益な情報を提供していただき、感謝をすることさえあれど粗略に扱うことなど合ってはならないはずなのですが。

 今一度、お詫びを申しあげます。

 どうか、ご寛恕のほどを」

 この人たちはこの人たちで、気苦労が多いんだろうな。

 などと、恭介は思う。

 こんな混乱した、情報が少ない状況下において、一人も死なせるなという「縛り」を受けることが、どれくらいのストレスになるのか。

 恭介たちがこれまでに、あまり想像力を働かせなて来なかった部分でもる。

 立場が違えば懸念することも違う。

 当たり前といえば当たり前のことだが、こうして軋轢が表面化するまで当事者たちはそのことに気がつかない。

 なんといっても。

 と、恭介は思う。

 会長をはじめとする生徒会の人たちも、だが。

 自分たちも含めて、プレイヤーたちは、みんな、ほんの数日前まで普通の高校生活を送っていた身だ。

 いきなりこんな場所に追い込まれ、独自のルールに馴染むよう強制されても、心身がすぐに順応出来るものでもない。

「詳しいことはまた改めて」

 といい残し、築地副会長が少し離れた場所に居た小名木川副会長のところまで移動する。

「キョウちゃん」

 遥が、恭介の顔を覗き込んで、そんなことをいい出す。

「キョウちゃんも、おっぱい揉む?」

「揉むほどない癖に」

「なんだとー!」

 即座に、遥が恭介にヘッドロックを決める。

「はいはい。

 そういうのは、公衆の面前ではやらないように」

 すぐに、彼方によって引き剥がされたが。


 ほどなくして、生徒会が招集したパーティのメンバーが全員集まり、今回の会議がはじまる。

「生徒会庶務の常陸といいます。

 そんな柄でもなんですが、役員の中では比較的詳しいだろうといわれて、今回の立案とこの場での説明役をすることになりました。

 以後、よろしくお願いします」

 会議は、生徒会役員のそんな言葉からはじまった。

「先ほどもいったように、自分をはじめとした生徒会役員は、全員、この手のことに詳しくはありません。

 一応、作戦めいたものをこの場で発表させていただきますが、もっといい案がおありの方は遠慮なく申し出て発言してください。

 まず前提として、生徒会は、本日以降のオーバーフロー現象への対応を、防衛戦であると定義しています。

 根拠として、昨日出現したアンデッド軍団はヒト型で、統率を取れた行動をしていました。

 つまり、知性を持ち、社会性のある行動をするモンスターが、今後も出現する可能性があると、生徒会は判断しています。

 これまで出現したモンスターは、攻撃を受けるなど、こちらがなんらかの干渉をおこなわない限り、市街地の外へ外へと移動するだけの消極的な存在でした。

 しかし、知性のあるモンスターですと、この消極的な性質がそのまま保持される可能性は少なくなる。

 そう、生徒会は思っています。

 だってそうでしょ?

 自分で判断が出来る存在なら、敵対しそうな存在が周囲に居る場合、なにもなくても排除しようとするものではないですか?」

 そういって常陸はぐるりと集まった面子の顔を見渡した。

「今後出現するモンスターが知能を持ち、場合によっては能動的に近くに居たプレーヤを襲ってくる可能性がある。

 これが、生徒会が想定する前提状況であり、この襲撃を防止するための方策が本防衛作戦である。

 と、いうことになります。

 つまり、相手が手出しをして来る前に叩いて無害な存在にする。

 というのが、本作戦の基本方針となります。

 まずはここまでで、なにか質問などありますでしょうか?

 はい。

 今のところ、疑問などはないようですね。

 では、先に進めます。

 皆様の支援と協力を得まして、いくつかすでに終えている施策があります。

 一番大きいのは、すでに皆さんもお気づきのことと思いますが、現在、細い脇道を閉鎖するなどして、市街地中央広場から外部へ出られるルートを四本に制限しています。

 これは、モンスターの進行ルートをあらかじめ限定し、こちらが攻撃しやすい場所まで誘導することが目的です。

 このうちの一本は、皆様ご存じ、恐怖の落とし穴地帯、彼方エリアへと続いております」

 彼方が初日にえげつないほど大量の落とし穴を用意した地域は、こちらではそんな呼ばれ方をしているらしい。

「基本的な構想としては、以下の通りになります。

 この建物と向かい側にある通称聖堂、この二カ所を攻勢のための起点とし、中央広場に出現したモンスターを叩くだけ叩きます。

 次に、この攻勢に耐え、別の場所へと移動したモンスターに関しては、用意した退路にあらかじめ待機しておいた、皆様有力パーティが中心となって、一体一体丁寧に潰して貰います。

 各退路において主力となるのは皆様上位パーティになりますが、その他にも近隣の建物などに伏兵として、比較的レベルの低いプレイヤーの方々にも待機していただきます。

 全員で協力し合って、作戦を遂行してください。

 また、どうしても勝てそうもない相手に会った場合、あるいは、身の危険を感じた場合は、すぐに安全な場所まで後退してください。

 今回の目的は防衛戦であり、殲滅戦ではありません。

 皆様全員の生命と安全を確保するのは、まず一番の条件であり前提になります。

 ここまで質問がある方は?

 ……はい。

 なにもないようでしたら、次に各員の配置について提案させていただきます」

 以降も細々とした内容が続く。


 恭介たちに関連したことのみを抜粋するのなら、まず、トライデントの三人は、ばらばらに分散して活動してくれといわれた。

 生徒会の指示があれば特定の場所に移動し、そこの支援をする。

 そうでない場合は、各自の判断によって自由に行動して構わない。

 と、いう方針らしい。

 恭介と遥は遊撃隊としてある程度自由に動いて貰い、彼方は「お向かい」の通称聖堂に詰め、そこに配置された者の指揮を執って貰う。

 もともとそこを拠点としていた女子寮チーム(仮)のメンバー、十二名と、フリーランサーズという急造パーティから何名か回されて、計二十名前後が彼方の臨時の配下となる、という。

 魔法少女隊の四名も、二名、一名、一名といった具合に分散されて配置された。

 緑川と仙崎は、空飛ぶ箒による空中哨戒業務。

 これは、立場としては恭介や遥と同じく、ある程度の裁量権を持たされた遊撃隊、といったところだろう。

 青山は彼方とともに聖堂の防衛と初期攻撃業務。

 赤瀬は生徒会執務室があるこの建物に籠もり、青山と同じような防衛と初期攻撃を担当する。

 こちらの建物には赤瀬の他に、ユニークジョブ聖女の結城紬を含む生徒会役員全員と、それにフリーランサーズの数名が残って赤瀬と同じ業務に勤しむ、という。

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