99.紅血魔法
「オレはさぁ。正直こいつらくらいなら殺すことだってできるんだぜ? どうするよ、殺したら」
「お前……本気なのか――ううっ……!?」
俺の腕を掴んだまま、アグはにやにやと笑った。
骨を砕くんじゃないかと思ってしまうほどの力で腕を握られた物で、思わず嗚咽が漏れる。
「させないっ……!」
「おっとっと」
すかさずアンナが剣を振るい、アグを一度退かせる。
俺は痛む腕に《治癒》を発動する。
痛くはなくなったが……この感じ、骨を砕かれていた。
「アンナ……ありがとう! エイラは大丈夫か!?」
「だ、大丈夫です……!」
エイラはふらふらと立ち上がり、肩で息をしながら言う。
見た感じ怪我をしているようだ。
今すぐに回復をしなければ……!
「危ないなぁ……たっく。オレが何もしなかったらすぐイキがる。嫌だねぇ人間は」
アグは指をポキポキと鳴らしながらこちらに近づいてくる。
「つくづく吐き気がする。やっぱ殺すか、ここで」
刹那、アグがナイフを取り出した。
なんだ……あれ……。
「オレの特技を教えてやるよ。それはお前ら人類によって失われた――紅血魔法――」
アグは己の腕にナイフを当て、肉を切った。
そこから溢れ出る血液――大量の赤が地面にしたたり落ちる。
だが、それで終わりじゃなかった。
血液は次第に紅く輝き始める。
「《鉄血兵刃》」
そして――血液は刃となった。
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