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熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
ふたりの異能

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お土産を渡そう-4

お久しぶりです。位名月です。毎度更新遅くなって申し訳ないです。

 僕の紹介でおじいちゃんとおばあちゃんに半ば強引にセラスさんと会ってもらったわけだけど、最初は二人ともかなり驚いていてセラスさんもあんまり積極的に色々説明してくれなくてどうなることかと思っていたけど…。


 『ふむ、それならセラスも私の孫ということになるわけだな』


 『こんなかわいい孫が新しくできるなんて幸せねぇ?』


 『…なんでこの人たちこんなに順応早いんだ』


 おじいちゃんもおばあちゃんも少し話してセラスさんがいい人なのをしっかりわかってくれたようで、既に孫として受け入れる態勢が出来上がっていてセラスさんの方が困惑していた。


 『セラスちゃんと会っているときは葵ちゃんとお話しできないのは残念ねぇ?』


 『うむ…』


 『いや…出来れば”ちゃん”はやめて頂けると…』


 『それでセラスちゃんは好きなお菓子とかあるのかしらぁ?』


 『あ…和菓子全般好きですぅ…』


 うん、さすがおばあちゃん。いつものペースでセラスさんの好みを聞き出して嬉しそうにお茶菓子を用意しに出て行ってしまった。そうして部屋にはおじいちゃんと気まずそうにしているセラスさんが残されたけど。


 『……(葵~?僕もう戻りたいんだけど~?)』


 「大丈夫ですよ、おじいちゃんもいるし、おばあちゃんもすぐお茶菓子を持ってきてくれますから」


 『…!(違うそうじゃない!)』


 …?何が違うんだろう?それにしてもおじいちゃん、いつにも増して話さないなぁ。口数は多くないけどさっきも嬉しそうにしてたし、気まずいとかはないと思うんだけど…。


 『うむ…困ったな』


 僕がそんなことを考えていると、おじいちゃんが思わずといったようにそう口をこぼす。


 『…やはりいきなりの事で受け入れるのも難しいでしょ『これまでセラスに誕生日の祝いを渡せていないことになるな』…はい?』


 …はっ!?確かに!流石はおじいちゃん、そんなところに気が付くなんて。それにしてもセラスさんは何を言いかけてたんだろう?


 『えっと…?』


 『む?口に出ていたか?まぁ気にしなくて良いが楽しみにしておくといい』


 『いやそんな、本当に僕はそういうの大丈夫なんで…』


 いやいやセラスさん、こういうのは渡してくれる人の気持ちを大事にしてあげないと。それにしても僕もセラスさんに何かプレゼントあげたいなぁ。色々ともらってばっかりだし。


 『お待たせしたわねぇ、はいこれお団子。餡子とみたらしがあるから、よかったら食べて?』


 『…ありがとうございます』


 帰ってきたおばあちゃんがセラスさんの前に並べて、セラスさんも何か言いたそうにしながらも視線がみたらし団子に固定されて離れなくなっていた。好きなのかな?


 『それで、二人で何を話していたんですか?』


 『あぁ、セラスにこれまでの誕生日の祝いをという話をだな』


 『いや…本当にそういうのは』


 おじいちゃんがおばあちゃんに誕生日プレゼントの話をすると、おばあちゃんは「まぁ!」と手を打ってうなずく。


 『確かにセラスちゃんにもお誕生日のお祝いをあげないとですねぇ!』


 『あ~…』


 おばあちゃんがおじいちゃんの言葉に同意して二人が何がいいかと話し合いを始めた辺りで、セラスさんの視線が部屋の中を行ったり来たりし始める。何か探しているのかな?


 二人がセラスさんへの贈り物で『女の子だから…』『もう中学生に上がりますし…』なんて話をしている辺りでセラスさんの視線が部屋の後ろに控えていた片桐さんに止まる。一瞬いつも無表情な片桐さんがすごく優しい笑顔を浮かべていた気がするけど、本当に一瞬だったからよくわからない。


 『あの!贈り物と言えばなんですけど!』


 『あらぁ?どうしたのセラスちゃん?』


 『ちゃん…まぁいいや、今日は他の人達にも修学旅行のお土産を渡しに行かないといけなくてですね』


 セラスさんが話し出したのはお土産の件だった。そういえばそうだった。連絡しちゃった人もいるから早いうちに行かないとなんだっけ。


 『あらそうなの?それならあんまりうちで時間を取らせちゃだめね?』


 『ええまぁ…その辺の説明も含めてそろそろ葵に体を返すので…』


 『えぇ、わかったわ。セラスちゃんも、またいつでも会いにいらっしゃい?』『うむ、そうだな』


 『…ありがとう、ございます』


 最後に短くそんな会話をして、僕の意識が体に戻る。念のため体を確認すればしっかりセラスさんの体から僕の体に戻っている。


 「戻るのも一瞬なのねぇ」「ふむ」


 「…まぁ、二人ともそんなことだからこれからはセラスさんもよろしくお願いします」


 「えぇ」「うむ」


 それから少し雑談をしてこれから回る予定の場所についてや、この間採寸した服の話とか、セラスさんの分も採寸しなきゃとかお話をしてから次の目的地を目指して二人の家を出たのだった。…ちなみに、お土産を渡しに行ったのに家に持って行ってと高そうなお菓子を渡されてしまって荷物はあまり減らなかった。


次の更新は未定ですが早めにしたいなぁという気持ち。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日常的な会話も家族って感じでいいよね! 次回が気になるような終わり方をしているので、次も楽しみすぎる。 [気になる点] あと200話ぐらいは一気に観れそうな気分なので、すぐ【完結】となった…
[良い点] 更 [一言] 更新ありがとうございます! とても面白いです!
[一言] 更新ありがとうございます! 楽しみにしてました! 次回も楽しみに待ってます!
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