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熾天使さんは傍観者  作者: 位名月
ふたりの異能

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かわるがわる-4

視点がコロコロ変わりますが、今回は葵視点ですよ。短めですいません。

 「それじゃあ班に別れて〜!」


 「「「はーい」」」


 先生の合図で修学旅行の班に別れて、旅行の思い出や学んだことをまとめる『旅行記』とか言うのを作る時間がはじまった。みんなで共有フォルダのドキュメントを開いて、まずは誰がどこを担当するか決めることになった。


 10分ほど話し合った結果、1日目にみんなと一緒に動けないことが多かった僕と零君、そして早乙女さんが2日目の担当。ケンと流奈ちゃんと椿さんが1日目の担当をする事になった。


 担当が決まってからも最初の20分ぐらいはみんなで写真を共有したり、それを見て話が盛り上がってしまってほとんど作業は進まなかった。


 「おいアオ、この俺がヨダレ垂らしながら寝てる写真いつ撮ったんだよ?恥ずいだろうが消すぞ?」


 「えー…いいじゃんケンがそうやって寝てるのはいつもの事なんだし」


 「そういう問題じゃねぇよ…なんで旅行記にこんなもん残さなきゃいけねぇんだ」


 「え〜もったいない…」


 こんな会話や…


 「(ちょっと流奈…この写真後で送っておいてよ)」


 「(…仕方ないわね、ならそっちも何かちょうだいね?)」


 「(そう言うと思ってとっておきを隠しておいたのよ)」


 「(これは…!すごいわ!あなた天才ね?!)」


 女子達がコソコソとこんな会話を繰り広げて居たのを聞こえないふりをしながら、結局授業が始まってから30分の間担当を決めた以外何も進まないまま経ってしまった。


 そして何より、修学旅行の写真を見ていると…今の僕との違いのせいで、改めて現状への違和感を認識してしまう。


 それでもやっぱりいつもより色々な性能が高くなっているらしく、修学旅行中の記憶もまるで今体験しているかのように思い出せるし、『旅行記』の制作も普段スピーチの原稿を書く速度とは比べ物にならない速さで書けてしまう。


 やっぱり、僕はセラスさんが戻ってからちゃんと参加した方が良いかな?…でもセラスさんがすぐに起きてくるとも限らないし。


 そんなことを考えながら自分だけのフォルダで書いてしまった数ページ分の原稿を削除して、共有フォルダの2日目の部分で他のふたりが書いている原稿で使えそうな写真をリストアップしていく。


 そうこうしている内に授業の時間は終わり、結局僕はほとんど他のふたりの原稿を手伝うだけで班長らしいことは出来なかった。


 「それじゃあみなさん、さようなら」


 「「「さようなら」」」


 これからどうしようか、なんて事をぼんやりと考えている内にいつの間にか帰りの会も終わっていた。みんなが荷物を持って教室を出ていくのを見送って、僕はメッセージアプリで片桐さんからの連絡を確認する。


 『いつものように裏門にて待機しております。優華様もご心配なされていますし、本日はお早めに帰宅されるのがよろしいかと』


 …うん、僕もそう思う。帰っていく流奈ちゃんやケン達にも心配されてしまったし、今日は出来るだけ早く休んでセラスさんが明日には起きてくれることを祈ろう。


 もしかしたら以前夢でセラスさんに会ったように、寝ているセラスさんに会いに行って起こせるかもしれない。


 とは言えセラスさんの体になってからと言うもの、知識欲以外の欲求が一切無くなっているような気がする…。お腹は減ってないけど給食は食べられたし、まぁ寝ようと思えば眠くなくても寝れるのかな…?


 「…ま?葵様、聞こえてらっしゃいますか?」


 「…え?片桐さん?」


 片桐さんの声で思考の渦から引き戻される。どうやら考え込んでいるうちに裏門で待っていた片桐さんを通り過ぎてしまっていたらしい。


 「葵様、やはりお疲れのご様子ですね」


 「あ〜、ちょっと考え事を…いや、確かに疲れてるのかもね。片桐さん、今日も迎えに来てもらってありがとうございます」


 「いえ、仕事ですので。それでは参りましょうか」


 「はい、よろしくお願いします」


 そうして車の中で片桐さんにお世話されながらも、ぼうっと窓の外を眺めて家路を辿るのだった。


 『……zzz』


 静かな車内に居ると、やっぱりセラスさんの寝息が聞こえていることがよく分かる。


 …おーいセラスさ〜ん!起きてくれませんか〜?!


 ……はぁ。やっぱり今日は帰ってご飯食べてお風呂入ったらすぐ寝よ。


案の定台風の時は頭痛がぶり返しました。まぁ元気っちゃ元気です。今日は休みで「昼行灯探偵」も合わせれば1万文字近く書けました。

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