表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/108

57話★

 選挙期間が始まって三日後、今日は生徒会長選挙の中間支持率が発表される。

 新聞部が発行した学内新聞に各候補者の支持率が表示されることになっていた。

 細谷先輩や候補者である櫻木さん、そしてその補佐である俺は、日曜日であるにもかかわらず、生徒会室で待機していた。

 お昼を回ってすぐ、生徒会室に牧原さんが発行されたばかりの学内新聞を持ってやってくる。


「叶耶ちゃん、学内新聞を持ってきたよ」

 牧原さんは持ってきた新聞を長机の上に置く。

 俺たちはその一枚の学内新聞をみんなで覗き込むようにして見た。


「……」

「……」


 生徒会室に沈黙が訪れる。

 少しして最初に口を開いたのは細谷先輩だった。

「あまり状況は芳しくないようですね……」

 各候補者の支持率は左のようになっていた。


『二年A組 櫻木叶耶―――――二十五・八%

 二年G組 佐藤大樹―――――五%

 二年E組 龍泉寺翔―――――三十一・二%』


 櫻木さんは龍泉寺に支持率で上回られていた。


 しかし、

「そうですね。でも、これで確定なわけではありません。それに誰にも支持に回っていない人がまだ四割近くもいます。まだまだ、挽回も可能なので、私たちは今できることを地道にやっていくだけです」

 櫻木さんは笑って言う。

 そんな彼女に、

「か、叶耶ちゃんなら大丈夫。今からでも十分に挽回できると思う。だ、だって、あんなに素敵な政策だもん」

「そうですね、私も櫻木さんなら生徒会長になれると思います。なんたって、私たちの自慢の後輩なのですから」

 牧原さん、細谷先輩が励ましの言葉を送る。

 俺も櫻木さんが前向きな様子であることに安心した。ここで、落ち込んでしまっては、今後の選挙活動に影響が出かねない。


「それでは、そろそろ演説の方に行ってきますね。桂くん、今日もよろしくお願いします」

「もちろん」

 そうして、俺たちは今日も演説に繰り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ