48話
四章 第二
中間テストまで残り三日。今日も放課後には志藤さんが俺の家に来ることになっていた。
六時間目のチャイムが鳴り、俺は帰り支度を始める。
するとその時、ズボンのポケットに入れていたスマホが震えた。スマホを取り出して、画面を見てみる。
どうやら、一件のメッセージを受信したようだ。送信者は、櫻木さんだった。
「なにかな……」
俺はすぐさまアプリを起動し、送られてきたメッセージを確認する。
『よろしければ、今日の放課後、一緒に勉強をしませんか?』
櫻木さんから勉強会のお知らせだ。以前、遼たちから櫻木さんは学年トップと聞いたし、彼女に勉強を教えてもらえるのはまたのない機会だ。
しかし、今日は志藤さんがうちに来ることになっている。
さて、どうしようか……
『いいね。俺も櫻木さんと一緒に勉強したいな。どこでしようか?』
せっかくだから、櫻木さんに勉強を見てもらおう。志藤さんについては母さんがきちんと見てくれるだろう。
ということで、櫻木さんの提案にのることにした。
メッセージを送ってすぐに櫻木さんからの返信が来る。
『ありがとうございます。それでは、この後、図書室に来てください』
櫻木さんと一緒に勉強ができると思うと、自然と表情がゆるくなってしまった。
「えーっと、わかりましたっと」
メッセージを打ち込むと、さっきよりも若干片付けをする手を早める。
少しでも早く櫻木さんに会いたかった。




