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30(5)話
30(4)話があまりにも短いので、今日は2話連続投稿です!
その日の晩も俺は不思議な夢を見た。
そこは闇のように暗い森の中だった。
俺は多数ある樹木の内のひとつに背中を預け、地面に腰を下ろしていた。
なぜだか分からないが、相当疲れていた。もうこれ以上、歩けない、立てないほどに疲労が困憊だった。
俺がふと顔を上げると、目の前には長い髪をたなびかせながら佇む女性の姿があった。
その人の線はとても細いのに、佇まいは凛としていて、とても頼もしかった。
その背中を見ると、なぜか安心した。
女性はちらっとこちらに顔を向けた。
しかし残念なことに、またしてもその顔には靄がかかっている。
「〇◇▼●□×」
彼女の口元が動き、何かを口にしている。
その声は聞こえないし、なにを言っているのかも分からない。
だが、なぜか俺は心地よさを覚えた。
彼女は優しく微笑んだ後、再び正面を向く。
そして、
「【接続】――――」
その詞を口にした。




