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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
5章・王都で色々ザックザク

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行きと同じくこれまた浅瀬では戦闘することなく、外に辿り着いた。

むしろすれ違う冒険者が率先して魔物を倒していた。

というよりも、排除していた。


「閃光」様の威光だろうか?


外に着いたら着いたで、彼の事を待ちわびていた人達が押し寄せて人だかりを作っている。

その中にアレクもいるがどうしようか…。


「セラっ⁉」


俺を見つけたアレクが人をかき分け走り寄ってくる。


「知り合いか?」


「はい。同じミュラー家で雇われている「赤鬼」のアレクシオさんです」


「ああ、そいつが…」


「「閃光」のジグハルト殿とお見受けします。自分はアレクシオと申します。お会いできて光栄です。うちのセラが世話になりました」


俺達の会話に、というよりも俺の口調に驚いた顔をしているが、流石に察しがいい。

上手く合わせてきた。


「ああ気にするな。俺の方こそ魔法の余波に巻き込んじまったからな。っと、悪いなあまり話している暇は無いんだ」


ジグハルトはそう言うと受付の方を親指で指した。

その先には名前は知らないが、ギルドの偉い人と商人風の男達がいて、こちらを見ている。


「忙しそうですし、行きましょう。ジグハルトさん。いろいろお話して下さってありがとうございました」


「おう。「赤鬼」も機会があれば魔人の事でも聞かせてくれ」


それだけ言うと、振り向くことなく受付の方へと歩いて行った。


「アレク、出よう。今日は狩りにならないよ」


「お?あ…ああ…」


とりあえずさっさとここを抜け出そう。



「あ~……っと、あぶねー」


冒険者ギルドから出て少し進んだところで大きく伸びをしたのだが、グルんと1回転してしまった。

普段はそこまで行く前に止まれるが、疲れたんだなきっと。


「あれでよかったのか?」


対応の事かな?


「ばっちし」


「そうか。で、なんでまたあんな事態になったんだ?魔法の余波とか言っていたが、戦ったわけじゃ無いんだろう?」


「あ~、なんか光って目潰しされた」


見る事はかなわなかったが、意外にも魔法の事を色々教えてくれた。

ただ、どう説明したものか…。


「閃光か…なるほど。で?あの変な話し方は何だったんだ?お前らしくない」


自分でもらしくない真似したと思うが仕方ないだろ。


「バカタレッ!何の備えも無しにあんな猛獣に出くわしたんだ。ああなるわっ!」


ペシペシとアレクを蹴りながら思い返すが、少なくともあの対応は間違ってはいなかったはずだ。

それに、ちょっと引っかかる事もあった。

帰ったらそこのところを確認しよう。


「……それ程か?」


「それ程だよ…コレのおかげでわかり過ぎる位わかった」


左耳に付けた【妖精の瞳】を指すと、納得した様だ。


「ま、俺も挨拶できたし、上等って所か。どこか寄るか?」


「…寄る」


甘い物でも食べて気を落ち着かせよう。

奢らせてやる。



いつもの夜の報告会。


俺は基本聞き役だが、今日はしっかり発言した。

ジグハルトの事だ。

彼、勧誘できそうなんだ。


「「閃光」ジグハルトねぇ…私も名前は知っているけれど、あれは貴族に靡かないのでしょう?」


「そうらしいね」


「断られたら私の名前に傷がつくわ」


平民が貴族の誘いを断るのは相当無礼な事らしい。


それでも断るって事は、招待を受ける価値もない。

そして、平民に断られる程度。


周りからはそう受け止められる。

だから平民は貴族との付き合い方に気を遣う。


冒険者も同様だ。

貴族と距離を置いたり、アレクの様に直接雇われたり、それこそルバンの様に自身が貴族になったりと、色々するらしい。


ところがジグハルトは、西部、東部、国や爵位を問わず断る。

どんなにいい話でも断る。

例外は魔王災の様な魔物絡みの時だけと、彼は貴族にとってアンタッチャブルな存在だ。


ただ、俺はいける気がする。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】・1枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・19枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【】・【赤の盾】・2枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 奢らせてやる 可愛い そりゃ聖貨ドロップ率も上がろうかと
[一言] テンセイシャーかな(o゜ω゜o)?
[一言] まあ、怖いよな 一時とはいえ敵意向けてきて無茶苦茶な魔法使ってこられたんだもの それでいて味方に引き入れる判断ができるのは実に冴えている
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