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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
4章・王都で金貨もザックザク

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「ぇぇぇ……」


【祈り】は全身が薄っすらと光るが、これは少し違う。

手で触れた部分が光っている。

ならこれは【祈り】じゃ無い。

ってことは、これが【ミラの祝福】か!

鏡を見るとまだ光っている。


…どうなるんだ?これ。

てか、なんで顔洗って寝癖直すくらいで発動するんだ?


そう思いながら眺めていると徐々に弱まり最後には消えた。

30秒くらいだったろうか?

変わったところは…。


「ぉぉ…」


寝癖が直っている。

…さすがにこれだけってことは無いよな?

髪は寝癖が直っているが…。


「あ」


毛先のうねりや、少し外に膨らんでいたのが収まっている。

やったことは無いが、ストレート・パーマをするとこんな感じになるんじゃなかろうか?


髪の毛の変化はわかったが、なら顔はどこか変わったんだろうか?

顔を近づけ鏡をじっと見る。


水を弾くつるつるの玉のお肌。

いつも通りだな!


マジでこれだけなんだろうか?

同じく光っていた手も見てみるが変わりはない。

以前は赤切れやマメささくれ等あったが、最近は水仕事も力仕事もしないし【祈り】で回復していることもあり、すっかり柔らかい手になっている。


「むぅ…」


美の女神の祝福ってくらいだし、もっと何か…こう…ある気がするんだ。

便利っちゃ便利だけど、ヘア・アイロンだけってことは無いはずだ。

しっかり検証せねば。


-ぐぅぅ~-


まずは朝食だ!



食ってきたぜ。


メニューは、パンにオムレツにスープとサラダ、イチゴだった。

中々充実したメニューである。

王都は街壁の外に農場や牧場が広がり、各貴族が各々の派閥毎に出資しており、そこで採れたものを屋敷に運ばせている。

貴族限定というのもあるかもしれないが、常に新鮮な食材が揃っている。

この世界の食事情…侮れない。


食事中も考えていたんだが、この加護。

エステ的な物じゃなかろうか?

整形、とまで行くとちょっと強力過ぎる気がするが、髪や肌を弄るくらいならありえそうなんだ。


そうあたりをつけ、試しに意識しながら右手を左手に当ててみると、先程と同じように光り始めた。

うむ。

正解っぽい。


てことで、屋敷の使用人に使ってみて検証を進めようと思う。

以前【祈り】の検証で肌荒れやらちょっとしたものは回復しているが、少し方向性が違うし副作用も多分無いだろうし、問題無いはずだ。

セリアーナも恩恵品や戦闘用じゃないし、屋敷で試してもいいと言っていた。

善は急げ!

じーさんの所へ許可をもらいに行こう。



「ふむ。確かに髪型が変わっているな…」


じーさんの執務室へ許可をもらいに行くと、加護の説明を求められた。

そりゃそうかってことで説明をしていたのだが、どうやら俺の髪形に気づいたらしい。

流石元軍人。

人の変化によく気付く。


「わかった。危険が無いのなら許可しよう。そうだな…まずは私に使って見せよ」


「…まだどんな効果があるかわからないよ?」


「構わん」


大丈夫とは思うが念の為注意すると、一言で切り返された。

そして左手をずいっと出してくる。

こっちに使えってことか。


「じゃ、やるよ」


まぁ、悪いようにはならんだろう。

じーさんの左手に両手をかざす。


一線を退いたとはいえ、今も訓練場や庭で剣を振っている為か、日焼けしゴツゴツと節くれだった手だ。

あちらこちらに傷痕もあるし、これなら使用人よりも変化がわかりやすい。


「ほっ!」


治療というよりかは、マッサージを思い浮かべながら気合を入れる。

それに併せ、じーさんの左手を包むように両手から光が出る。


「どんな感じ?」


「ふむぅ。何やら暖かい様なむず痒い様な…、まあ悪いものでは無さそうだが…」


血行でも良くなってるんだろうか?

そのまま左手をじっと見ていると、日焼けした肌がわずかに白くなっている。

そして、少しずつだが傷痕が薄くなっていっていることに気づいた。

セラ・【隠れ家】【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・0枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・16枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・1枚

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― 新着の感想 ―
どう…なんだろ?流石に身体欠損の回復とかは美の範疇を超えてる気がするな。 回復とかは他の神がいなきゃおかしい分野だし、役割の分別と考えるとね
[気になる点] 一見ショボそうに見えるスキルだけどレベル?熟練度?上げればとんでもない効果発揮しそう 鍛えれば欠損とかいけちゃう? 女神の加護であり伯爵の子でも聞いたことないくらいレアスキル・・・こ…
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