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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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【赤の剣】……割かし真っ当な武器で尚且つ強いという、俺のウィークポイントを補う、正に望んだ物ではあったのだが……。

 そのウィークポイントが原因で、まともに扱えそうにない。


「テレサ、その剣はあなたが使うといいわ」


「はい。姫、よろしいでしょうか?」


「うん」


 俺がぐぬぬ……と剣を睨んでいる間に、セリアーナは処遇を決めた様だ。


 テレサが自分が所持しても構わないか? と聞いてくるが……うん、問題無いだろう。

 両手持ちの大剣だし女性のテレサが振り回せるだろうか? と一瞬思ったが、彼女は俺を片腕で簡単に抱え上げられるし、戦闘時も盾と剣を片手ずつ手にして戦っていた。

 単純に筋力という点では、両手で持つのなら十分だ。

【祈り】も使えば、もしかしたら片手でもいけるかもしれないな。


 はぁ……カッコイイ剣か。


 結構ピンポイントで今の俺が欲しい物を引き当てたものの、この身で扱う事は難しく、諦めなければならないという悲しい現実に少々凹んでいたのだが……、黄昏る俺の頬を、隣に座ったセリアーナが突いている。


「……なに?」


「お前が生意気にも落ち込んでいるのが面白いのよ」


「ぬぅ……!」


 とんでもないこと言うな……このねーちゃん。


 と、思ったのだが、少々申し訳なさそうな顔のテレサが目に入った。

 ……まぁね、別に怒っているわけじゃ無いし、落ち込んでいるわけでも無いんだよ。


「落ち込むっていうかさ……折角カッコイイ剣なのに、自分じゃ使え無さそうなのがね……はぁ……」


 やっぱ落ち込んでるわ。

 ドッカンドッカン出来そうな武器なんだけどな……。


「まあ……お前が使うのはね……」


 セリアーナは、頬を突いていた手を今度は俺の手に持って行く。

 そして手を取ると、自分の手のひらと大きさを比べたりしている。


「……小さいねオレの手」


 もうこの体も慣れたもんだし、今更どうこう言う気は無い。

【浮き玉】のお陰で特に困る事も無い。

 ただ……時折こう……ピンポイントでそこをついて来る事態ってのが起きるんだよな。


「そうね。お前が使うのは諦めなさい。代わりにテレサが活用するはずよ」


「はーい……」


 気の抜けた返事をして、そのままセリアーナの膝にゴロンと頭を乗せた。


 ◇


「失礼します。夕食の用意が出来ました。皆さまご案内します」


 ガチャからしばらく経って、部屋に中央棟の使用人が夕食に呼びに来た。


「ええ。セラ、テレサ。その剣は奥に置いて来て頂戴」


 セリアーナの言葉に、体を起こした。

【隠れ家】にしまっておくのか。

 まぁ……今は保管体制が整って無いもんな。


「はーい。テレサ」


「はい」


 テレサにも意味はちゃんと伝わっているようで、すぐに剣を手にして立ち上がった。

 下賜も済ませて、今では実質彼女の物となった【赤の剣】だが……全く重そうなそぶりを見せない。

 やはりコレは彼女の手にあるのが相応しいかもしれないな。

 ガチャってから2時間くらい経って頭も冷えたのか、素直にそう思える。

 そもそもアレを俺が持ったら引きずっちゃうしな……。


「んじゃ、奥に入るよ」


 寝室の奥の壁に手をつくと【隠れ家】を発動して、テレサと共に中に入った。


 ◇


 夕食の席にはリーゼルはオーギュストとミオの2人に文官が数名と、彼の直属の部下を呼んでいた。

 そして、それに加えてアレクとジグハルトにフィオーラも一緒だ。

 俺たちがリーゼルの執務室から出た後、彼等を呼び出してアレコレと対策を練っていた様で、そのままココへ呼んだんだろう。

 ご苦労様だ。


 さて、このそうそうたるメンバーでの夕食だが、ここ最近のリセリア家は食事の席では基本的に仕事の話はしない。

 明文化しているわけではないが、何となくそんな感じになっている。

 もちろんのっぴきならない事態の場合は別だろうが……今日の夕食の席では、いつも通りだった。

 どうやら、今のリアーナにはよほどの事態は起きていない様子。


「聖貨を使ったのかい?」


 初めは他愛のない話をしていたのだが、途中から話題が俺のガチャに移った。

 まぁ……ネタには丁度良いだろうしな。


「ええ。【赤の剣】が出たけれど、セラでは無くてテレサが所持することになったわ」


【赤の剣】の名が出た時、少しだが部屋の中がざわついた。

 やっぱり【赤の剣】は有名なのかもしれない。

 効果に関しても、シンプルでわかりやすいからかな?


「確かにテレサなら十分に使いこなせるだろうね。だが……セラ君は良かったのかい?」


「しばらくはむくれていたわね」


 笑いを噛み殺す様にセリアーナは言うが、もう機嫌は直ったぞ?


「オレじゃ持てても振れなさそうだしね。その分テレサに頑張って貰います」


「お任せください。姫の分まで私が魔物を倒して見せますよ」


 俺の言葉にしっかりと答えるテレサ。

 頼もしいじゃないか。

 俺の侍女が俺の引いた恩恵品で大活躍……これはもう俺の手柄と言っても良いよね?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・33枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] ほっぺぷにぷにで可愛がられてる
[一言] こんだけ人いて誰一人として成長して大きくなったら使えるよ!って言わない当たり共通認識として育つと思われてないんだろうなぁ
[一言] ここでアレクに行くとまたお返しが大変だしねぇw テレサなら配下だから、養女になった後も問題ないだろうし 養女後、セラ派閥とかできるんだろうか なんか参加者にメイドさんが多そうな予感... …
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