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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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「旦那様たちも同じことで悩んでたのかな?」


「リーゼル? ああ……あれはまた別の問題よ」


 セリアーナは、一瞬何のことかと思った様で、返答に間が空いたが、すぐに思い当たったのか答えた。


「範囲が広がってしまったけれど対処自体は問題無いわ。いくら連動しているとはいえ、魔境の魔物が抜けてきたわけでは無いでしょう?」


「うん」


 群れた魔物はおっかないが、本当にヤバいのは魔境の魔物で、それはしっかりとせき止められている。

 だが、セリアーナは「でも」と付け加えると、一旦区切った話を再開した。


「警戒する範囲が増えると、それだけ街の兵士から戦力を割く必要が出るの。領都でもそうなのだから、他の街も当然そうなるわね。ただ、リアーナの方針でダンジョン探索への補助を優先させているの。2番隊は地元の冒険者からも多く採用しているけれど、今年以降も採用は絞っていく予定だったし、他の街もそれに倣うはずだったのだけれど……」


 微かに聞こえる溜息。

 顔は見えないが、何となくどんな表情かはわかるな。


「身近に魔物絡みの問題が起きちゃうと、兵を増やしたくなるよね」


 ただでさえ少し街道から外れれば魔物に襲われるような土地だ。

 いくら対処出来るからって、街の中にいてもそれを感じたのなら、守りを増やして欲しくなるだろう。


「ええ。その声を無視させる事は出来ないわ。かと言って、この情報をここで止めておくわけにもいかないでしょう?」


 そして、再び溜息を吐くセリアーナ。

 その辺の予定が狂っちゃったんだな。

 きっと調整が大変になるんだろう……。

 頑張れ偉い人たち。


 ◇


 さて、風呂から上がり髪の手入れも済んだ。

 昼寝……と言うにはもう遅いが、夕食までの間ひと眠りするのも悪くないが……。

 先程まで部屋にいた使用人は、お茶の用意をしに屋敷の厨房に行っていて、部屋にはいない。

 チャンスではある。


「ね、セリア様」


 ソファーに座るセリアーナの膝に手をつき、おねだり開始だ。


「なに?」


「聖貨使っていい?」


 俺の申し出を聞いたセリアーナは片眉を上げている。


「……お前、100枚貯めるとか言っていなかった?」


 確かにそう言った。

 一度あの10連っていう贅沢を知ってしまったら、チマチマしたのをやる気には中々ならない。

 ダンジョンでの狩りも開始したし、ちょっと時間はかかるが俺なら可能だ。


「1回だけ!」


 だが、ごく近いうちにちょっと物騒な出来事が起きそうなことが事前にわかっている。

 今の俺の装備でも十分過ぎるくらいだし、何より俺に出番があるのかどうかもわからないが……まぁ、景気付けだ。

 ここは一発、ガチャで運試しをやっておきたい。


「まあ……いいわ」


 セリアーナは、呆れた様な顔をしつつもソファーから立ちあがり、聖像を取りに寝室へと向かった。


「ありがと」


 礼を言い、俺も聖貨を【隠れ家】から取り出すために発動した。

 使用人が戻って来る前に出してこないとな!


 ◇


 寝室から戻ると、セリアーナは応接用のテーブルの上に聖像を置き、自身はソファーに座った。

 エレナとテレサも席に着き、3人の視線は俺に集まっている。


「それで? 使うのは1回分なの?」


「うん」


 一応1回だけとは宣言していたが、セリアーナは俺の聖貨の所持数をしっかり把握している。

【隠れ家】から出て来た時に、本当に10枚しか持っていなかったのを見ていたんだろう。


 部屋には既に使用人が戻っていてテーブルにお茶の用意を済ませると、部屋の隅で待機している。

 もう1回分取りに【隠れ家】に入るには、寝室まで行かないといけない。

 それはちょっと妙に思われるだろうし、かと言って部屋から出すような真似はしたくない。

 彼女たちの存在がちょうどいいストッパーになるな。


 そういや、なんかヤバ目な物が出た時はどうしようか……。

 チラっと彼女たちの方を振り向くと、静かに待機しているもののガチャに興味があるようで、こちらを見ている。


「あなたたち、ここでの事はたとえ誰に聞かれても黙っておくのよ? 私がそう命じたと答えなさい」


「っ!? はい!」


 俺の視線がどこを向いているのか気付いたのか、セリアーナが使用人たちに口止めをしている。

 まぁ……セリアーナ直々に命じられたら漏らす様な事は無いだろうが……彼女たちのためにもちょっと今日は抑え目にやろうかな。

 もしうっかり漏らしてしまって、セリアーナの雷が落ちたりしたら可哀そうだもんな。

 なんか……こっそり、控えめに……だ。


「さあ、セラ。冷める前にさっさと済ませなさい」


 どうやらセリアーナはガチャよりもお茶の温度の方が大事らしい。

 淹れたばかりでまだ湯気が立っているが……まぁ、あんまり引っ張る様な事でも無い。


 久々なのは確かだが、1回だけだし使用人の目もある。

 サクッと控えめに済ませてしまおう!


 俺は【浮き玉】から降りて、聖像の前に仁王立ちした。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・25枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・33枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回は何が出るのだろうか。
[一言] 回したい発作、分かります。
[一言] セラの事だから大外れか今回のトラブル向きのもの引きそう 主人公補正は偉大やで
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