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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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 冒険者ギルドは相変わらず盛況で、1階ロビーにも冒険者や商談に訪れる商人達が大勢いる。

 ダンジョンから帰還して、1階の窓口で報告していると、奥から出てきた職員に呼び止められた。

 彼は確か支部長の補佐の1人だったはずだ。


「セラ副長、お疲れのところ申し訳ありませんが、よろしいでしょうか?」


「よろしいけれど、何事?」


 早く帰ってシャワーを浴びたいな……とかはあるが、話くらいは聞いておこうか。


「依頼したいことがあるのです。どうぞこちらへ……」


 そう言うと彼は奥の部屋に向かった。

 てっきり支部長室に通されるのかと思ったが……どうやら違う様だ。

 あそこは確か職員用の会議室だったかな?

 この部屋が何かと教えてもらってはいたが、入るのは初めてだな。


 ともあれ、彼の先導で部屋に入った。

 部屋の中は、2台の長机を合わせた有りがちな会議室って感じだが、今俺が入ってきたドア以外にも奥にドアがあって、そこから職員たちが忙しそうに出入りしている。

 机の上には地図が広げられて、年嵩のおっさんたちが、資料を片手に若い職員にアレコレ指示を出している。

 なにやら冒険者の所在の把握やポーションの確保と手配がどうのとか、そんな事を言っているが……事件か?


「班長……それにセラ副長も」


 中の1人がこちらを見て、どこかホッとしたような顔をした。


「……なんか忙しそうだけど、何かあったっけ? 支部長は?」


 俺は特に何も聞いていないが、本当に何事だろう?

 話を聞いてみないとな。


 ◇


 冬のこの街で気を付ける事は、都市間の移動が出来ない間の、十分な物資の確保だったり、家屋の保全だったり、水路の点検だったり……色々ある。

 だが、それは街の中の問題だ。


 では、街の外……魔境で気を付ける事はとなると、数年前にもあった魔物の襲撃だ。

 こればっかりは、魔境の生態系の問題でもあるから、無くす事は出来ない。

 精々できる事と言えば、人為的に起こされないように定期的な見回りをする事と、兆候を見逃さないようにするくらいだ。


 だがもう1つ、大掛かりになってしまうがこの領地の領都であるこの街の被害を減らす方法ってのはある。

 この街よりも奥に人里を造ってしまえばいい。


 そしてそれは数年前から既に造られている。

 移住を進められるほど発展はしていないが、今では3箇所まで増えて立派に冒険者たちの探索拠点として機能している。

 そして、そこの被害も極力出さずに済む様に、領都の兵たちと連携を取れる様にもしている。

 対魔物用の前線基地だな。


 で、そこに駐留する冒険者や猟師から報告があって、どうやら魔物の襲撃が近いうちに発生しそうな気配があるらしい。


 もっとも、今回は人為的なものでは無くて自然発生らしく、それは数年ごとに起こり得ることだから仕方が無いんだろう。

 冒険者ギルドが中心となって、今まさにその対処に当たっている。

 支部長はその拠点に出向いて直接指揮を執っているらしい。

 俺を呼んだのが彼じゃないのもそのためだ。


 そして、肝心の俺がここに呼ばれた理由なのだが……。


「オレがアリオスの街に……?」


「はい。副長への協力要請は領主様には既に報告をして、許可を頂いています。こちらが届けていただく指示書になります」


 どうやら俺にお隣の街にひとっ飛びして欲しいそうだ。

 あの街は領都のバックアップが主な役割だからな……その要請を出すためだな。

 襲撃が起こると確信を持てたのが今日の昼頃だったらしく、すぐに動き始めたがその頃俺はダンジョンに潜っていた。

 ってことで、アリオスの街に関しては俺待ちで、他の事を進めていたんだとか。

 あそこまで馬で行くと、急いでも往復に半日近くかかってしまう。

 それなら俺の帰還を待って、その間に他の作業を進めておいた方が効率的だ。


「なるほど……りょーかい。すぐ行った方が良いのかな?」


 指示書を読むと、俺が届けるって事がリーゼルだけじゃなくて、セリアーナのサインもしっかり書かれている。

 それなら何も言う事は無いが……一応ダンジョン探索終了の報告くらいはしておいた方が良いかも知れない。


「確かに急ぎではありますが、副長なら時間をかけずにアリオスの街へ行けますし、そこはお任せします」


「ぬ……」


 いったん屋敷に戻ってサッパリしたいが……そうするともう一度外に出ようって気力が無くなりそうだしな……。

 アリオスの街にこの指示書を持って行くだけでいいんだし、それならさっさと行って帰って来たらいいか。


「よし……。今から向かうよ。セリア様に伝えといてもらえる?」


 急げば向こうでちょっと手間取っても1時間くらいで帰って来れるだろう。


「はい。お任せください」


 彼にそう伝えると、ビシッと返事をしてきた。

 なんか裏方なのに軍人っぽいな……。


「そう言えば、魔物絡みだしアレクとか2番隊は出てこないの?」


 軍人って言葉で、そう言えばこの事態に騎士団は関わらないんだろうかって疑問が浮かんだ。

 一応冒険者ギルドも2番隊の管轄になっているんだが、彼等は裏方だ。

 現場に出る人間はどうするんだろう?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・25枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・33枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 馬車で半日ならセラさんだと数分から十数分かな?
[良い点] 更新乙い [一言] 相変わらず伝令兵としては破格のユニット性能
[一言] 確かにシャワー浴びたらその日家から出たくなくなるよねぇ
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