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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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「……? せらー」


 秋の3月もそろそろ終わるという頃、セリアーナの部屋の隣にある子供部屋にお邪魔した。

 エレナも今は屋敷に通っているし、乳母と共にルカ君も連れてきている。

 この部屋には、乳母達の子供も含めて子供が沢山だ。

 俺があちらこちらから頂いた猫の人形やヌイグルミを、しがみついたりクッション代わりにしながら、仲良く遊んでいる。


 さて、俺が部屋に入った事に気付いた子供たちは、遊んでいた手を止めて俺の名を呼び手を振っている。


「やほー。げんきー?」


 俺もそれに手を振り返した。

 言ってからなんだけど、この世界ってヤッホーって言葉あんのかな?

 謎の挨拶を仕込んでしまって無いだろうか……?


 この部屋もセリアーナの部屋の様に、土足は禁止でドアのすぐ前で靴を脱ぐようになっていて、子供たちがそっちに行かないようにと、柵のような物で部屋が区切られている。

 子供たちは俺に近づこうとしているが、その柵に阻まれている。

 我ながら中々の人気っぷりだな。


 セラ。

 実に憶えやすい名前だ。

 乳母たちの子は別として、セリアーナの子供たちが一番最初に覚えた人名は俺の名前だったりする。

 理由は覚えやすいからってのもあるが、俺の場合誰が相手でもセラって呼び方に変わりは無いんだよ。


 例えばリーゼルの場合だと、領民は領主様で、俺たち屋敷の人間は旦那様って呼ぶ。

 他所の人間だと、爵位の公爵様って呼び方をして、さらに貴族の場合だと閣下って呼んだりもする。

 まだ出くわしたことは無いが、リーゼルを辺境の領主では無くて、王家の人間と捉えている者なんかは、未だに殿下って呼び方をしているらしい。

 セリアーナはまだ奥様かセリアーナ様と、リーゼルに比べて呼び方は少ないが、一番身近な俺やエレナやリーゼルが、セリアって呼び方をしている。

 夫婦揃って沢山だ。


 乳母たちがちゃんと、お父様お母様って呼び方を教えているのは見た事あるが、これだけ色んな呼び方をされていると、ちょっとわからなくなるよな。

 それに引き換え、俺は見た目でも区別付けやすいしね……。

 まぁ、もう少ししたらちゃんと呼べるようになるだろう。


「セラ様、どうかされましたか?」


「ん? いや、ちょっと様子を見に来ただけ」


 俺だけ部屋に現れた事を不思議に思ったのか、乳母がどうしたのかと訊ねてきたが……大した理由は無い。

 今言った通りだ。

 年上の乳母の子供たちが面倒を見て仲良く遊んでいる様子を確認できた。

 ってことで、目標は達したし退散だ。


 ◇


「ただいまっ」


「早いわね。もう良かったの?」


「うんうん。猫の人形で遊んでたよ」


 子供部屋からセリアーナの部屋に戻ると、早い帰還に目を丸くしている。

 部屋を出て数分しか経ってないもんな……でも、それで十分だ。


「そう……」


 セリアーナは一言呟くと、部屋のテーブルの上に置かれた3つの箱に目をやった。


「なら、このままコレを贈るのね?」


「うんうん」


 セリアーナの言葉に、俺は頷いた。

 あの箱はレオ君たち3人の誕生日プレゼントで、中身はヘビのヌイグルミ兼抱き枕だ。

 俺も似たような物を持っているが、こちらのサイズは半分ほど。

 小さい子用だ。


 わざわざ俺が子供たちに祝いの品を贈る必要は無いらしい。

 俺も毎年毎年ネタを考えるのはしんどいが、折角1歳のお誕生日だし、なんか贈りたい。


 そう考えたのだが、如何せんこの世界のまともなお子様事情ってのを知らないし、何を贈ればいいんだろう……と。

 前世では俺自身は独身だし子供もいなかったが、それでも友人知人の子供に出産祝いや誕生日プレゼントを贈った事くらいはある。

 オムツやベビーカー、振ったら音が鳴るおもちゃ……この世界には存在しない物ばかり。


 そして、迷いに迷って、結局これに行きついた。


 商業ギルド経由で寝具などを作る工房を紹介してもらい、そこに注文した。

 それが今日無事出来上がって屋敷に届いたのだが、セリアーナ達と一緒に出来を確認していた時に、ハタと我に返った。

 そう言えば子供たちは使うんだろうか……と。


 で、先程子供たちの様子を見に行ったわけだ。

 太さ15センチ程で長さは50センチ弱。

 抱き枕にするかはともかく、掴んで振り回すくらいなら出来るだろうし、怪我をするような物でも無いから、あそこに加わっても問題無いだろう。


「誕生日は数日しか違わないし、渡すのはルカに合わせましょうか? セラ、それでいいかしら?」


「うん」


「セラ、ありがとうね。君の影響か、ルカは長い物を見るとヘビヘビ言うんだ。きっと喜ぶよ」


「……それは良いことなのかしらね?」


 突如エレナが放ったルカ君の驚きの新事実に、困った様にするセリアーナ。

 俺もそれが良いことなのかどうかはわからない。

 もしかしたら未来ある子供に変な影響を及ぼしてしまったかな……?


 ま……まぁ、もしなんか変な影響を与えそうなら回収したらいいか。

 その時は、結構いい出来だし俺が自分で使おう。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・21枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・31枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・9枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最初に呼びかけたのが、パパでもママでもじぃじでもばぁばでもなく、未確認飛行マスコットの名だった時の、周囲の狼狽っぷりが想像できる。 セリア様もリーゼルも気にしないだろうけど、乳母達は相…
[一言] やっぱり偶に尻尾であやしたりする事があるんだろうか?
[良い点] 更新乙い [一言] ヘビ派閥の大躍進!!
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