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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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 さてさてさて……ようやくお目当ての中層に辿り着くことが出来た。

 以前なら浅瀬と上層をかっ飛ばして、一息でここまでやって来れていたが、流石に身内以外の人目が多過ぎて、速度は抑え目にしていた。

 途中で駄弁ったりしていたからってのもあるが、1時間近くかかったかな?

 だが、その分今日の中層での戦い方をしっかりと練る事は出来た。


 強いて言うなら、久々の狩りだし手頃な魔物でちょっとした慣らしをしたかったが……それは贅沢かな?

 まぁ、今から行うのは普通の狩りじゃ無いし、問題無いと言えば無いか。


「魔物はウヨウヨいるけれど、人の気配は無し。うん。予定通りだね」


【風の衣】と【琥珀の盾】を発動して、さらにヘビたちも服の下から表に出した。

 さらに【足環】を発動して【浮き玉】を掴み、準備完了だ。


 この中層での狩りに【紫の羽】は使わない。

 やたら広いから効果が全域に及ぶのに、どれだけ時間が必要かわからないし、そもそも可能かもわからないからな。

 それに、この狩りに毒は向いていないもんな!


「よし……いっくぞー!」


 グルグル肩を回して、気合の声を一つ。

 中層に入ってすぐ右側を見ると、少し離れた場所からこちらの様子を窺っている魔物の群れがいる。

 その群れ目がけて突貫を開始した。

 そして……。


「ふらっしゅ!」


 群れの真っただ中に魔法をぶっ放した。


 本来はこの魔法で動きの止まった魔物達を、【影の剣】や【緋蜂の針】で仕留めて行くわけだが、ここでの狩りだとちょっと違う。

 目潰しを食らい動きを止めた魔物達に、攻撃を仕掛けたりはせずにゆっくりと距離を取っていく。

 目潰しの効果があるのは精々10数秒程度。

 速度を出さないと碌に距離を取る事は出来ないが、今日の狩り方ならこれでいい。


「んー……よし。ついて来てるね」


 移動しながら後ろを振り返ると、先程の魔法の範囲にいた魔物達が怒りの咆哮をあげながら、俺を追って来ている。

 ここでの狩りは久しぶりだが、うむうむ……狙い通りだ。


「お次は……あそこだ!」


 視界の先には次なる魔物の群れ。

 10体ほどの魔物を引き連れたまま、そこ目がけて突っ込んで行った。


「ふらっしゅ!」


 本日2発目の目潰し。

 これも見事に決まった!


 ◇


 あの後も、この一画に点在する魔物の群れに魔法を撃っては引っかけていき、引き連れている魔物は恐らく100を超えたと思う。

 時折後ろ目がけて魔法を撃っては挑発をしてと、この一団が途中で大きくバラけない様に気を付けながら移動をし、ようやくお目当ての場所である、この中層の北東部の隅に辿り着いた。

 そして振り向くと……。


「んっふっふっふ~……壮観だね!」


 ズドドドドっと一目散に俺目がけて突進してくる魔物たち。

 仮に俺が宙にいなかったのなら、その振動で体が揺れていただろうな。


「んじゃ、やりますかね。よっと……」


【ダンレムの糸】と【蛇の尾】を発動した。

 弓が倒れないように尻尾で支えながら体の位置を調整して、【足環】で弓を掴み【緋蜂の針】で弦を思いきり後ろに押し出す。

 ギュンギュン音を立てる矢を、魔物の位置に気を付けながら狙いをつけて……発射した。


 放たれた矢は地面を抉りながら、こちらに襲い来る魔物たちを纏めて貫いて行く。

 矢と魔物たちの両方によって巻き起こる土煙が邪魔で、直接視認する事は出来ないが……【妖精の瞳】とヘビたちの目を通して見ると、今の一射で一気に数が減った事がわかる。

 そして、射線から外れていたため直撃を避けられた魔物たちも、余波で相応のダメージを受けている事もだ。


「……わっはっは! 残り、逃がさず刈り取るぞ!」


 弓をしまい、代わりに【影の剣】を発動して、ヘビたちに指示を出した。

 3体ともその指示に従い、体を伸ばして戦闘モードに入った。

 高度を上げて土煙が晴れるのを待って、突貫だ!


 ◇


 北東部から始めて、南東部、南西部、北西部……中層の魔物の大半を、同じ狩り方で殲滅した。

 もっとも、残念な事に釣って引いている途中でそこから外れていく魔物もいるから、階層の魔物全て……とまでは行かない。

 その浮いた魔物たちも倒そうと思えば倒せるが、如何せんそれ以外の魔物たちを纏めて一息に倒しているから、リポップする時にうっかりそのど真ん中で……とかなってしまうと、流石に怖いからな。

 もったいないが、諦めよう。

 2周目行くのはちょっとしんどいしな。

 ふっ……命拾いしたな!


 とはいえ、遺物はそこらに転がっているし、それは拾えるだけ拾っておくか。

 前は放置していてもそこまで問題無かったが、今はもう冒険者がダンジョンに入って来ている。

 いずれは中層にも来るだろうし、遺物が転がっていたら何事かって思わせてしまう。


「うーぬ……今度から【隠れ家】に籠でも置いておこうかな……」


 そんなわけで遺物を拾い集めているが、小物ばかりじゃ無いし、1個2個拾えば両手が塞がってしまう。

 ちょっと拾っては【隠れ家】に置きに行く……その繰り返しだ。


 遺物は魔物を倒しても確実に落とすってわけじゃ無い。

 割合で言えば1割あるか無いかってところらしい。

 だが、階層の魔物数百体の大半を倒したからな……どっさりだ!

 入れ物なら木箱なんかもあるが、アレはちょっと持ち運びは出来ないからな。


 農家のおっちゃんたちが野菜を入れるのに使う様な籠……アレってどこに売ってるんだ?

 商業ギルドで良いのかな……?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] ネトゲ風物詩、ひたすら釣りに釣ってトレインして最後に範囲魔法で一気にすりつぶす! ゲームではなく命のやり取りをする現実なのにそんな危険極まりないど派手な戦術が取れるなんて、やっぱりセラはなん…
[一言]  トレイン狩りはアカン!  セラ自身は問題なくとも、冒険者をはじめとした他人が巻き込まれたら不味すぎます。  やるなら事前告知して、巻き込まれないよう配慮をせねば!
[一言] セラさんは背負い籠よりも尻尾で引きずれるキャスター付きの箱の方が捗りそう
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