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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
17章・ようやくダンジョン探索再開!

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「……お? さっきの2人はダンジョンに行くのか」


 さっきロビーに来た新顔は、一緒の席だった男と連れ立ってダンジョン入り口に向かっていた。

 いらん揉め事を起こさない為にも、ここでウエイトレスをやっている間は、【妖精の瞳】を発動しないようにと言われているから、彼等がどれくらいの強さなのかはわからない。

 だが、探索の許可が下りているわけだし、事故の心配は無いかな?

 まぁ、なんか起きても今日はダンジョンにはアレクが詰めているし、何とかなるだろう。


「副長どのー! こっちにもう一杯頼むー」


 ダンジョンに向かう彼等を見送っていると、別の席からお代わりの要求が出た。

 そちらを見ると、なにやら資料を置いてアレコレ話し合いが行われている。

 何かしらの依頼を受けたんだろうな。

 万難を排すために、入念な打ち合わせを行っている様だ。

 これがただの居座りなら蹴り飛ばすところだが、真面目にやっているんなら大歓迎だ。


「はいよー。ちょい待って」


 とりあえず、向こうに行くのはこのテーブルの上を片付けてからだな。

 他の連中も忙しそうだし、さっさと済ませよう!


 ◇


 秋の3月に入って少々。

 雨季も明けたし、冬が来る前にもうひと働きしようと、冒険者ギルドにたむろしていた連中は外に狩りに出て、混雑は多少解決している。

 加えて、ダンジョンも一般開放されて一月近く経ち、探索に繰り出す者たちも各々適したペースを見つけたのか、こちらも落ち着いてきた。


 ってことで、俺もいよいよダンジョン探索を再開しようかっ!

 と、やる気になっていたのだが、セリアーナだけじゃ無く他の連中からもストップがかかってしまった。

 なんてこった。


 で、何で俺がここで給仕の真似事なんかをしているのかって言うと……要は顔見せだ。

 このダンジョンは視認性があまり良くない。

 特に浅瀬。

 ここのダンジョンに慣れていない者が多く狩りをする浅瀬がそれだからな……。

 かつての様に俺に誤射をする者が出てもおかしくない。


 もちろん、守りが強化された俺なら耐える事は可能だろうが、それでもやってしまったらそれだけで重罪だ。

 俺の立場もちょっと変わってきたし、無傷だから問題無い……とは言えなくなってしまった。

 だから、誤射を避けるためにも、俺という存在を頭に焼き付けさせようと、しばらくはダンジョンに入らずここでウエイトレスをやりながら、ダンジョンを利用する冒険者たちと触れ合っておけと言われた。

 まぁ、ここでは酒を出さないから酔っ払いもいないしな。

 早くダンジョンに潜りたいという、俺のやる気に水を差されたといえばそうだが、言わんとすることはもっともだし、大人しく真面目にウエイトレスをやっている。


 ◇


「お疲れさん。なんか飲む……? ってどうかしたの?」


 つい先程帰還を果たしたばかりの3人組だが、席に着くなり1人が机に突っ伏した。

 見た感じ大怪我なんかをしているわけじゃ無いが……なんかあったのかな?

 この3人はこのリアーナでは珍しい、若い女性のみのパーティーで、俺もよく覚えている。


 見た目は並以上で腕も悪くない事もあって、良くも悪くも注目されている存在だ。

 そう言う事もあって、今もまた何事かと周りから視線を集めている。


「ありがとう。適当に冷たいのを3人分お願い」


 季節はもう冬が近いが、ダンジョンの浅瀬は蒸し暑く、彼女たち同様帰還組には冷たい飲み物が人気だ。


「はいよ。ちょっと待っててね」


 いそいそと注文のドリンクを用意して、席に持って行ったが、相変わらず1人は撃沈している。


「お待たせ。んで? どうしたのさ」


 とりあえず、2番隊の副長サマとして、何があったかくらいは聞いてやるかね。


 彼女達3人は、剣2人槍1人のオーソドックスな編成のパーティーだ。

 そこらの一般人よりは強いが、女性という事もありどうしてもフィジカル面に不安が残り、攻撃を受ける事よりも躱して戦うスタイルを採用している。

 とはいえ、十分ここのダンジョン探索許可を得られる程度の水準は越えていて、中々優秀な冒険者たちってのが、一般的な評価だ。


 で、その中の剣使いの1人が凹んでいる。

 理由は、浅瀬でゴブリンの攻撃を受けてしまったから。

 幸い、防具を上手く使って受けたため、痣か悪くても骨にひび程度に留めたそうだが、これがオークやオーガだったら死んでいてもおかしくなかったってことで、一気にダウナー方向に入ってしまったらしい。


 ……気持ちはわかる。

 アレクとかごつい連中見ていると、割合平気そうに攻撃を受け止めているけれど、あんなん普通なら死ぬからね。

 その事を考えちゃうと、俺なんて結界に掠っただけで帰りたくなるし……。


 しかし、他の2人は平気そうだが、とにかく凹んでる1人はまずいね。

 別に肩入れする気は無いが、このリアーナだと、女性のみの戦闘グループってのは貴重なんだ。

 貴族や商家の女性の護衛に活躍してもらわないといけないし、さっさと立ち直って貰わんと……。


 とりあえず【祈り】でもかけるかな?


 と考えていると、なにやらダンジョン入り口辺りから歓声が聞こえてきた。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そういえば浮き玉って使用者には浮き玉に対する引力が働くけど、持ってるものに対してはどうなんだろう? お盆持ったまま上下逆さまになっても零れないんだろうか? だとしたら転けることも無いし…
[良い点] 更新乙い [一言] 怪奇!!前人未踏のダンジョンに高速飛行するUMAは実在した!? セラちんが矢セラちんにならない様にしないとだからね 仕方ないね
[一言] ほんとに命がけだもんなあ そりゃちょっとのミスでも真剣になるか
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