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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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 冒険者ギルドに入ると、リーゼルは中で待っていた武装済みの支部長と軽い挨拶を交わして、支部長も一緒に真っ直ぐ地下に向かった。

 ダンジョンがある地下2階への階段は、今まで入口があるホールとは繋がってこそいなかったが、途中までは造られていた。

 完成した階段は幅10メートルほどで余裕はたっぷりある。

 武装した冒険者たちがぶつかったりせずに、余裕をもってすれ違えるな。 


 その階段を2階分下って行くと……。


「随分と……寛げる造りになっているのですね」


「セリアの趣味だよ。他所のダンジョンとはまた違った趣だろう?」


 ダンジョン前のホールに出たユーゼフは、その内装を見て感心したような声を上げた。


 この入り口前の空間は、これからダンジョンに潜る者と帰還した者がごちゃ混ぜになるから、揉め事が起きないようにあまり物を置かず、互いが距離をとる様な造りになっている事がほとんどだ。

 あくまで、地上に上がる前の最後の話し合いの場として用意されているわけだ。


 だがウチの場合は、板張りなのは他所と一緒だが、バーカウンターの様な物やテーブルとベンチがいたる所に設置されている。

 ラウンジとオープンカフェが一緒になった様な造りで、酒は無いが簡単なドリンクくらいは出せるようになっているんだ。

 流石に絵画や花は飾っていないが、ほのかに漂うアロマと言い……優雅に過ごせって事かな?


 ここには「燃焼玉」の実験以来訪れていなかった。

 こんな風にするとは聞いていたが、あの時はまだテーブルとかは運び込まれていなかったもんな。

 俺も新鮮な気持ちだ。


「視察用の特別室など基本的な設備は、他所と変わりはありませんが、このデザインは独自の物です。我々も冒険者同士の連帯を高めたいと思っており、セリアーナ様の案を採用させていただきました」


 と、内部の説明をしていた支部長が、終わりにそう言った。

 なるほどと、それに頷く一同。

 大抵の領地は、外よりダンジョンの方が難度は高いが、ウチの場合は逆だからな。

 求められる役割もいろいろ違うんだろう。


 まぁ、俺たちは事前にミーティングを済ませてある。

 折角だが、ここの利用者第1号って訳にはいかなそうだ。


 支部長はダンジョンに繋がる通路の前に進むと、そこでこちらを振り返り準備はいいかと聞いて来た。


「もちろんだ。皆も良いね?」


「いーよー!」


 リーゼルの言葉に、返事をしたのは俺だけだったが……良いんだよな?

 実は何か暗黙の了解で、返事をしないとか無いよな?


 キョロキョロしていると、小さく笑うリーゼルと目が合った。

 何がおかしいのかはわからんが、別に問題ってわけじゃなさそうだな……。


「じゃあ、行こうか」


 仕切り直すように一つ手を叩くと、リーゼルは通路に向かって歩き始めた。

 その後ろをついて行く一行。

 先頭はリーゼルで、そのすぐ後ろにユーゼフたち、そして俺たちと続く。


「セラ、そろそろ頼む」


 通路も出口間近になったところで、アレクから【祈り】の要請が出た。

 その言葉を合図に、皆も足を止めてこちらを見ている。

 一応事前に簡単に説明をしているが、ちょっと感覚に慣らしが必要だもんな。


「りょーかい。……ほっ!」


【祈り】を発動した。

 全員を見るが……上手く全員にかかっているな。

 良かった良かった……注目されて失敗とかカッコ悪いもんな。


 ◇


 相も変わらず森っぽい雰囲気のダンジョン浅瀬。


 先頭を歩くリーゼルは、最初にそこに踏み入った。

 何の感慨も無く……。


 まぁ、公式にはリーゼルが最初になるが、実際はアレクだったしな。

 その事は中央の連中は知らないが、俺たちはもちろんリーゼルだって知っている。

 ギャラリーでもいれば別だったかもしれないが、このメンツじゃこんなもんだろう。


「魔物は……まだいませんね。セラ、どうだ?」


「んー……向こうの方に固まってるけど……ぶつかるのはまだまだ先だね」


 ダンジョンに入ってからは、先頭にはアレクが立っている。

 流石は我らが盾。


 だが、その盾の出番はまだ訪れない。

 上空から見ても、見つけるのに苦労するほど離れた所まで下がっている。

 手前の魔物達は、突然現れた俺たちに驚いて、距離を取ったんだろう。


 リアーナからは、リーゼルを筆頭に支部長も含めて7人。

 中央騎士団は、ユーゼフと隊長格2人の3人で、合計10人だ。

 このまま進んで行くといずれはぶつかるだろうが、好戦的なダンジョンの魔物だっておいそれとは手を出さないはずだ。


 下ではユーゼフが支部長と、ダンジョンの一般開放についてのスケジュールについて話している。

 ちょっと面倒臭そうなダンジョンだってのは、一歩でも入ればわかるもんな。

 実際には調査はもう完了しているが、今日すぐに開放……とはいかない。

 少し間を置いてからになるだろう。


 さて、彼等以外も適当に喋りながら進んでいるが、決して気を抜いているわけじゃ無い。


「お? アレク、待って」


 その証拠に、俺の声に皆即座に構えをとる。


「来たか?」


「うん。向こうの大きい木の先に5体ほど……ゴブリンかな?」


 木や生い茂る茂みの陰に隠れて、肉眼じゃまだ確認できないが、20メートルほど先に小さな影が5つ。

 ようやく魔物達もやる気になってきたようだ。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・15枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 中央騎士団の人達はセラさんの能力について正確な情報を知らない訳ですよね。 国王への報告が、リアーナダンジョンそっちのけで蛇姫の利便性に終始しないことを祈っておりますよ……。
[一言] セラさんの索敵によりサクサクと進める( ˘ω˘ )
[一言] 他が黙ってるなか自分だけ声を出したときの羞恥心はすごいよね
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