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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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「フフフ……」


 オオザルを蹴って斬って突いてまた蹴って……ついでに周囲に転がっている麻痺した魔物を仕留めていく。

 核のある胸部にこそ近寄れないが、上からの急降下、そして即離脱のコンボで着実にダメージを与え続けている。

 なんとか俺へ攻撃を当てようとオオザル君も頑張っているが、上への攻撃はまともに出来ず、たまに投げてくる石は俺に届く事は無く、どれも躱すまでも無い。

 なんかこのままでも倒せてしまえそうだが……今回両腕を潰せたのはたまたまだし、次回以降もこう上手くいくとは考えにくい。


「……うん。そろそろかな?」


 タイマーを確認すると、そろそろ【ダンレムの糸】のクールタイムが明ける頃だ。

 とはいえ念を入れて、仕掛けるのはもう少し経ってからだな。


「よし……頃合いだ」


 さらに蹴り続ける事数分……再度タイマーを見て、しっかりとクールタイムが過ぎた事を確認した。

 そして、しっかりと右手に掴んだ「燃焼玉」も。

 さぁ、やるぞ!


「ほっ!」


 正面から突っ込んでくる俺に対して、何とか迎撃しようとするも上がり切らない両腕。

 四十肩かな?

 お気の毒に。


「はっ!」


 突進の勢いそのままに蹴りをぶち込む。

 オオザルの短く太い首ではあまり脳には衝撃がいかない様で、脳震盪とはいかないが、それでも一瞬だが無防備になる。

 その隙が俺の狙いだ。


「ほいっ!」


 ひょいっとその動きが止まった頭部目がけて、「燃焼玉」を放り投げた。

 散々、ヒョロヒョロな投擲を繰り返していたオオザルの事を馬鹿にしていたが、負けず劣らずヒョロヒョロだ。

 だが、コントロール重視なんだ!

 これでダメージを与えるわけじゃ無いし、命中させることが大事なんだ!


 結果、顔面に見事命中。

 そして……命中したと同時包んでいる紙が溶けて、中身が当たった場所を中心に広がっていく。

 ただの液体では無くて粘度があるため、しっかりと纏わりついているが、それが一瞬間を置いて煙を上げたかと思うと、一気に炎上した。


 ◇


「……ぉぉぅ」


 えらいことしちまったかもしれん。

 その惨状を目の当たりにして、思わず呻き声が漏れてしまう。


「燃焼玉」で燃え上がったオオザルは、火元の顔を押さえようとするも腕が上がらず、何とか火を消そうと地面に蹲っている。

 両腕にダメージを負おうと、その後も俺に攻撃をされ続けようとも、怯んでいなかったオオザルがこうなるとは……なんかえらく非道な事をしている気がしてきた。

 まぁ……いたぶった後火をつけているんだし、正にその通りなんだけど。


 …………ともあれだ!

 ついさっきまで戦っていた、俺の存在なんて最早頭に無いようだ。

 突如顔から火が出たらそりゃーパニックにもなるだろうさ。

 まして、ダンジョンでは火なんて見た事無いだろうしな……。


「……はっ!? いかんいかん」


 手で擦ろうが地面を転がろうが、そんな事ではこの火は消えない。

 だからと言って、悠長にこの状況を眺めている時間も無い。

 さっさと仕留めなければ。


 一旦10メートルほど距離をとって、今度はオオザルの側面に捉えてから、【ダンレムの糸】を発動する。

 今は蹲ったまま動いていないが、急に転がられたりしたら正面からだと外してしまうかもしれないもんな。


「んー……ほいっ!」


 狙いをつけると、蹲ったままのオオザル目がけて発射した。

 発射とほぼ同時に広間に響く地面への着弾音。

 そして、モロに着弾しただけあって1射目よりも大量に巻き上がる砂煙。


「わっとっ……!? ふぅ……。ん~……と?」


 それを避けるために慌てて上昇し、ついでに仕留めたか否かの確認も行った。

 結果は、反応無し。

 見事討ち取っていた。

 どうやら【ダンレムの糸】は直撃さえしてしまえば、オオザルを倒す威力はあるようだ。


 それにしても、なんとまー……あっさりしたものか。

 たった1つのアイテムが加わっただけで、討伐を諦めた相手をあっさり倒せてしまうとは……。

 上手く両腕を潰せたりと、今回は確かに運がちょっと良かったってのはあるが、それ抜きでも恐らく同じ様に倒せるだろう。


 オオザル……結構強いのになぁ……。


「……ん?」


 オオザルの最後を思い出しながら、ほんのちょっぴり勝利の虚しさに浸っていると、ふと左の袖を引かれた。

 こっちはアカメだが……なんだろう?

 そちらを振りむこうとしたのだが……。


「うぉぁっ!?」


 振りむこうとした瞬間に、何かが【風の衣】に直撃した。

【琥珀の盾】は残っているが反射的に張り直して、すぐに場所を変えて、飛んできた方角を見ると、数体のオーガがこちらを睨みつけている。


 ……なるほど、リポップか。

 なんだかんだで最初に倒してから30分は経っているしな。


 おのれ……人がセンチな気分になっているというのに、邪魔をしおって!

 ブチ殺してやる!

 気合いを入れなおして、諸々の恩恵品と加護を発動した。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・13枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 燃焼玉つよい! 水分と反応して燃焼するみたいですから、うまいこと敵の口の中に投げ込むことができたらもっとエグいことになりそうです。
[一言] ジグさんから報告が上がって後でお説教されそう
[一言] セリアーナ様ー! セラが油断しまくってましたー!
感想一覧
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