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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
16章・ようやくダンジョン一般開放!

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 さて……施療は無事終わり、夕方頃からパーティーが始まった。

 面倒臭そうだし俺は出席しないが、エレナはもちろんテレサやフィオーラはしっかりと出席している。

 セリアーナがメインなのだが、エレナの誕生日も数日違うだけだし、どうやら彼女の祝いも兼ねていて、中々豪勢な事になったそうだ。


 思えば一昨年は新領地の設立云々で慌ただしかったし、昨年はお腹に子供がいたしでパーティーどころじゃなかったもんな……。

 今回のが第一回目。

 そりゃ、派手にもなるか。

 俺が眠る前には、既にパーティー自体は閉会していたが、屋敷には客はまだまだ多数残っていた。

 北館南館とで男女に分かれて、それぞれお酒片手に遅くまで会話に興じていたそうだ。


 楽しい席だったんだろう。

 ついつい酒が進み、セリアーナはお開きになった後に部屋まで戻るのが億劫になり、手近な空いた部屋で休む事にしたと……。

 セリアーナの部屋は2階の一番奥にあるもんな。


 その事は朝食を部屋に持って来たメイドさんから聞いていたのだが……その後、部屋に俺を呼びに来たテレサに案内されてついて行った先は、階段すぐ手前の客室。

 この部屋に入るのは、屋敷の改築が完了した時に、中の探検をして以来だな。


「んで、こういう状況なのね……」


 眼前には、同じベッドの上に転がって呻いているセリアーナとエレナの姿がある。

 二日酔いだな。


「はい。姫を呼んで欲しいとお2人が仰られて……。よろしかったでしょうか?」


 俺の言葉に、申し訳なさそうに答えるテレサ。

 なんとなく彼女も何をするのか予測がついているのかもしれない。


「うん……前もやった事あるしね。まぁ、滅多に無い事だし」


 セリアーナが王都の貴族学院に通っていた頃、似たような事があったが、それ以来だ。

 その事を思い出しながら、【浮き玉】から降りて、ベッドの上に寝る2人の間に座った。

 そして、お腹に手をかざして【祈り】と【ミラの祝福】を発動して、治療を開始する。


「セ……セラ……。悪いわね……」


「うん。いいよいいよ」


「あ……ありがとうね」


「うんうん」


 少しずつ回復してきたのか、口を開く余裕が生まれたようだ。

 2人して俺に礼を言ってくる。

 エレナはともかく、セリアーナはこういう風に弱ると弱気になるな。

 面白い。


 お祝い事で、それも主賓が飲めるのに酒を口にしないってのも宜しくない。

 頻繁にっていうなら、健康面から小言の一つや二つは言いたくなるが、数年に一度……むしろもっと遊んでもいいくらいだと思う。

 この程度、お安い御用だ。


 ◇


 治療する事1時間弱。


 死体の様な青ざめた顔をしていた2人も、体を起こせる程度には回復したし、これ以上はもう俺の力は必要無いだろうと、治療を切り上げる事にした。


「テレサ達は平気だったの?」


 テレサと、この場にはいないがフィオーラもパーティーには出席していたはずだ。

 こっちの2人はあんな有様だったが、そっちの2人はどうなんだろう?

 見た感じ、テレサはいつもと何も変わらないが……。


「私は、口にしたのは最初の一杯だけですから。フィオーラ殿はどうかはわかりませんが、帰る際にはいつもと変わらない足取りでした。ジグハルト殿も一緒ですし、心配はいらないでしょう」


「なるほどー」


 お酒の付き合い方というか、そういった場への経験値の差かな?

 まだ若いもんな……。


 しかし、この2人がここまで潰れていたって事は、リーゼルはどうなんだろうか?


 領主の仕事をサポートするメンバーはそれなりにいるが、パーティーとかの場でのサポート役って誰かいたっけ?

 オーギュストと後はアレクくらいか。

 女性よりも男性の方が酒は飲むだろうし、その2人はアルコールに強そうな気もするけれど、リーゼルはどうかな?


 ……ふむ。


 3人は、そろそろこの部屋を出てセリアーナの部屋に移動しようとか話しているし、こっちはもう大丈夫だろう。


「もう2人は大丈夫そうだし、オレはちょっと旦那様の様子を見て来るよ」


 そう言ってセリアーナの方を見るとこちらに手をプラプラと振っている。

 行けって事かな?


「はい。こちらは私にお任せください」


 それをテレサも見ていたようで、後は自分が看ておくと言っている。

 それじゃー、任せるかね。


 俺はベッドから降りると、【浮き玉】に乗りドアへ向かった。


 ◇


 リーゼルの部屋に繋がる廊下にやって来た。

 そして部屋の前には警備の兵が立っているが……なんか俺が姿を見せるとドアを開けたな……。

 彼が勝手に判断したってことは無いだろう。

 部屋の中に誰がいるのかはわからないが、この距離で俺に気付いたか。

 いつも思うけれど、何で気付けるんだろう……?


「おじゃましまーす」


 中に向かって声をかけながら部屋に入ると、室内には3人の姿があった。

 カロスとロゼ、そして部屋の主であるリーゼルだ。


「いらっしゃい、セラ君。君がこちらに来るのは珍しいね。セリアのお使いかな?」


 リーゼルはいつも通りのやたら爽やかな笑みを浮かべている。

 部屋には酒の臭いどころか紅茶の香りが漂っているし……これは二日酔いには程遠い光景だな。


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・13枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セリアーナ様がこんなに弱っているところを見るのは珍しいですね。 健康にしてあげなくちゃ(使命感)
[一言] リーゼルはセリアーナ以上に弱点というか隙が無いなあ。 かといって気負ってるわけではなく、自然体でそういう状態というか。 何気に大人物?王家に生まれてなかったら英雄になってたかも。
[一言] 旦那様つおい そのうちミラの祝福をセラの祝福って言い間違えて広まったりしそう
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