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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 ダンジョン絡みの話が終わると、後は肩の力を抜いて話せる話題だった。

 リアーナの領都の様子や孫たちの様子、後は久々に訪れたこの街の感想等々。

 特に何かを探ろうという訳でも無く、ただ純粋に話を聞きたかったんだろう。


 聞かれた事にそのまま答える……うむうむ。

 会話ってこんなもんだよな。

 額に汗を浮かべながらってのは、ちょっと違うと思うんだ。


 俺はあまり口数は多い方じゃ無いが、それでも先程までの緊張感溢れる空気の反動か、結局夕食の時間になるまでアレコレとお喋りに興ずることになった。


 ◇


 たかが夕食と言えど、領主ともなれば仕事も兼ねていて、人と会う事もあるからな。

 俺がその席にノコノコ顔を出すわけにもいかない。

 ってことで、俺は食事は部屋で済ませていたのだが、食後再び親父さんに部屋に呼ばれることになった。

 だが……。


「あれ? こっちなの?」


 親父さんの執務室に向かうのかと思ったら、前を行くメイドさんは違う方に向かっていった。

 こっちは確か……。


「はい。旦那様の私室で、奥様と一緒にセラ様をお待ちです」


「へー……」


 一体なんだろう?

 まぁ、俺もさっきは時間が無くて伝えてなかった事もあるし、丁度いいと言えばいいんだが……ってか、このメイドさんは新しく入って来た人のようだけれど、この屋敷でセラ様って呼ばれるのは落ち着かないな……。

 この人にとっては俺は完全にお客様ってことなんだろうな。


 そのまま会話も無く後ろについて行くことしばし、親父さんの私室に到着した。


「それでは、私は失礼します」


 部屋に入ったところで案内のメイドさんは下がっていた。

 どうにもこのお客様扱いってのには慣れそうも無いな……。


「慣れないかね?」


 俺の様子を見た親父さんが一言。


「慣れませんねー」


 一息ついて、改めて部屋の中に視線を戻すと、ラフな格好の親父さんとミネアさん。

 そして、リックにミネアさんの侍女のジーナもだ。

 ごく内輪の者だけが集まっているな。


「さて、何度も呼び立てて悪いが、少し話があってね」


「あ、はい。や、オレの方も先程言い忘れてた事もあるので丁度良かったです」


 それを聞いた親父さんは、そうかと一言いうと、座るようにとソファーを指した。

 ……が、そちらに向かう俺の裾を掴む手が。

 ミネアさんだ。


「そこまで硬い話ではありませんよ。セラさんも楽にしなさい」


 そして、俺をそのまま自分の膝の上に降ろした。

 まぁ……毎度の事だな。

 そのまま膝の上に座り、【ミラの祝福】を発動した。


 ◇


 さて、簡単に挨拶を済ませると、俺から話を切り出した。


「養子の件、ありがとうございます。セリア様から聞きました」


 ついでにペコリ……と。


 別に貴族になりたいとかは思わないが、それでも今後の事を考えると、この話はありがたい。

 ずっとリアーナに引きこもっているのならともかく、俺は結構な距離を移動する。

 それに、セリアーナに色々な誘いを断って貰うのにも、身分がある方が話が楽になったりするだろうしな。


 別にどこか他所の国だったり、怪しい組織と繋がりがあったりするわけでは無いが、それでもたかが同じ領地出身の孤児を養子にってのはそれなりに面倒があったと、セリアーナに聞かされた。

 今回はあまり時間が無かったので行わなかったが、もしかしたら親父さんのどこかにも負担がかかってしまったかもしれないし、しっかりと礼はしておきたい。


「構わないよ。実はその事で呼んだんだ」


「ぬ?」


 なにか代わりに仕事でもやらされるのかな?


「君は娘からどのように聞かされているのかな?」


 ……養子の事だよな?


「どのようにって……なんか色々面倒な事を断りやすくなって、移動とかの手続きも不要になるよって、言われました。相続とかも無いし、別にオレが何かやる事は増えないし、今まで通りで構わないから、大人しく受けておけって……」


「ふむ……」


 俺の言葉を聞き、親父さんは何やら考え込みながら、呟いている。


 んんん?

 何を言っているのかは聞こえないが、セリアーナの言葉を解釈間違いでもしてたかな?

 と、首を傾げていると、俺を膝に抱えるミネアさんが口を開いた。


「きっとセリアーナさんは貴方の口から伝えさせたかったのでしょう。セラさん、あの娘に自分の子になるか? とでも言われなかったかしら?」


「む……? あ、なんか冗談めかしてそんな事言われましたね……断ったら、私の娘になるのが嫌なの? とか言われました……」


 アレはただ俺を揶揄うだけじゃなくて何か意味でもあったのかな?

 ミネアさんは親父さんに向かって「ね?」とか言っているし……。

 親父さんは腕を組んで渋い顔をしているし、他の2人は我関せずといった様子だ。

 ミネアさんの口調からそんなに深刻というか、面倒そうな感じは無いが……わかんないんだよ……こういったやり取りって。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・11枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・8枚

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― 新着の感想 ―
[一言] あそこで肯定していたらもしかしたら実子と同じくらい分かりやすく可愛がられた可能性
[一言] セラ抱っこする瞬間は足の位置気を付けないと、浮き玉落ちて直撃するよね。 みんなさらっと抱き上げてるけど、足下を見るとヒヤヒヤする攻防が。
[良い点] 更新乙い [一言] 上司がママに!!
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