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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 声の源は背後から……中層から下層にやって来たアレクだ。

 急な背後からの声にも慌てないで済んでいるあたり、【猛き角笛】を使っているな?

 気の利くやっちゃ。

 だが、動くなとはいったい……?


「ん?」


 ふと下を見ると、何かがオオザルに向かって飛んでいくのがわかった。

【祈り】で強化された俺でも影程度にしか見えないが、何かが括りつけられた矢のようだ。


「お?」


 それはやはり矢だった様で、オオザルに見事命中したが、突き刺さる事無く弾き飛ばされて地面に落下した。

 ただ、刺さりはしなかったが代わりにオオザルの顔の周りにオレンジ色の粉のような物が舞っている。

 括りつけられていたのはコレか?

 何かはわからないが、鬱陶しそうに頭を振っている。


「ぬぬ!?」


 今度は矢じゃ無く人間が3人俺の下を通り過ぎ、オオザルに向かっていった。

 武器を手にしているし、アレクが中層で狩りをしていた連中の中から連れて来たんだろう。

 これはもう、オオザルは彼等の手に渡ってしまったとみるべきか……。


「……ぉぉぉ」


 オオザルの下に辿り着いた彼等は、まず先頭の1人が槍を真横に薙ぎ払った。

 足払いかと思ったが、左足を切り落としている。

 槍の先端が光っているし、何かの加護……もしかしたらオーギュストと同種のものかもしれないな。


 そして、片足になった事でバランスを崩したオオザルが、前に倒れ込んだところで、残りの2人が一斉に露になった背中に槍を突き立てた。

 まるでクジラ漁だな……。

 そして、どちらかはわからないが、その槍は核を貫いた様で、オオザルの死体ごと消滅した。


 ……俺があれだけ苦労して尚倒し方が見つからなかったのに、3人がかりとはいえ一瞬か。

 見た事無い連中だけど……無茶苦茶強いな!


「セラ」


 3人の強さに感心していると、下からアレクの声がした。

 いつの間にか足元まで来ていたらしい。


「お疲れ。ちょっと時間を過ぎちゃってたね」


 タイマーを確認すると1時間を過ぎていた。

 アラームが鳴っていたのかもしれないが……色々うるさくて気付かなかったのかな?

 戻って来ないから確認に来てくれたんだろう。


「お前の事だし心配はいらないと思ったんだがな……念の為だ。だが、オオザルがここで姿を見せるとは思わなかった」


 アレクは、そこで言葉を一旦区切ると、広間を見渡して再び続けた。


「あまり荒れた様子は無いし、上手く戦っていたようだな。倒すよう指示を出したが……必要なかったか?」


 オオザルを倒した彼等は、周囲に転がっている遺物を拾いながらこちらに戻って来ている。

 浮足立った様子も無く、あの程度の事は余裕なんだろう。


「いやいや、ちょっと決め手に欠けてね……困ってたんだ。いいタイミングだったよ」


 俺もなー……やられる気はもちろん無かったが、ちょっと倒せるかどうか不安になってたしな……あれだけ学習させてしまうと、逃げるのも躊躇われるし……。

 1対1なら時間をかけたらいけたかもしれないけど、あのままだと魔物がリポップして……。


「あっ!?」


 いかん! 大事な事忘れてた!


「どうしたっ!?」


「そろそろ魔物が復活する!」


 倒し始めてからそろそろ30分以上経っているし、湧き始めてもおかしくない。

 彼等が広範囲を薙ぎ払えるような大技を持っているのならともかく、そうでないのならちょっと面倒臭いことになってしまう。


「っ!? お前たち! そろそろ魔物が復活するそうだ。引き返すぞ!」


 アレクの声を聞いた彼等は、まだ転がっている遺物を無視してすぐに駆け寄ってきた。

 皆行動に迷いが無いな……。


 何はともあれ、撤収だ。

 下層……俺にはまだちょっと早かったかもしれないな。


 ◇


 中層に引き返し、ついでに休憩も兼ねてしばらくアレクにくっ付いていた。

 その間、オオザルを倒した彼等のことを聞いたのだが、彼等はどこかのクランなり戦士団に所属している冒険者では無いそうだ。


 以前倒したサイモドキの縄張りから、さらに北に数キロほど行ったところにある鉱山。

 そこの麓にある村を拠点に、主に坑道の魔物の処理を担っていたんだとか。

 ただでさえ魔境に含まれて強い魔物が出るのに、さらに暗く狭い場所での戦闘ともなると、決して楽なものでは無く、効率的ではないからと冒険者達に敬遠されていた。

 だが、彼等は逆にその環境が気に入っていたそうで、拠点に定めたらしい。


 だが、それは領主の手が及ばないゼルキス領時代の話で、リアーナ領になってからはしっかりと騎士団が巡回している。

 徐々に魔物の数も減り彼等の役目が減って来た。


 で、僻地に入り浸っていたため知られてはいないが腕は間違いなく、人間性も悪くないし、アレクがスカウトしたらしい。

 言ってしまえば、アレクの私兵だ。


 いたのか、そんなの!?

 そう驚きもしたが、彼は彼で領地でも騎士団、おまけに冒険者……いろいろな立場があるし、それぞれの立場でのサポート役も必要なんだろう。

 俺が屋敷でゴロゴロしている間に、色んなことをやってたんだなぁ……。


 今アレクは俺とのお喋りを中断して、中層で検証をしている冒険者達と何かの打ち合わせをしている。

 まだまだここでの狩りを続けるようだ。


 俺はー……そろそろ帰るかな?

 埃っぽいし風呂に入りたい。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] トドメ刺せなくて残念! 帰ってから加算と言うよりセリアさんが把握してる内訳って考えた方がよさそう。
[一言] すごい人達がいたもんなだなあ
[一言] > 帰還後に加算します 聖貨取得が当たり前になって セラはノーリアクションなってなってしまったのか 他の人だとすごい事なのにw
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