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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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「むふー……そろそろいい頃合いだね」


 毒の効果が表れ始めてからさらに10分程が経過した。

 オーガの群れのボスクラスといった、強い個体はまだ立っているが、もう大半が動けなくなっている。

 ここまで数を減らせば、下層の魔物とはいえ余裕をもって倒せる。

 まずは、まだ動ける個体から倒していって……ん?

 高度を下げて奥のオーガ達の下に行こうとしたのだが……隣の広間に繋がる通路から何かがゆっくりと近づいて来ている。


「なんじゃー……?」


 距離がありまだはっきりとは分からないが……二足歩行だ。

 妖魔種かな?

 数は1体のようだから、オーガって事は無さそうか……。

 サイズ的にオーク……よりも大きいかな?

 下のオーガを見ても合流する様子は無いし……仲間意識は無さそうだな。

 何だあいつ?


 何かわからない魔物の接近に、一先ずオーガ達への攻撃は延期することにした。

 まだ距離があるし、さっさと倒してしまうってのも有りかもしれないが、妖魔種なら物を投げてきたりもするしな。

【琥珀の盾】と【風の衣】があるし、一発で落とされることは無いだろうが、戦闘中に攻撃を受けるような事態は避けたい。


 今は下層に踏み込んでから30分ちょっとか……。

 まぁ、いざ交戦となれば、俺の戦い方は時間がかからないし……急ぐことは無いだろう。


「お? ようやくお目見え……ぇぇぇ…………」


 ノソノソと歩いていたそれが通路から姿を見せたが、距離があってもアレが何かは一目でわかる。

 二足歩行ではあるもののやや前傾姿勢で、長い両腕を前に垂らし、右手で大きな石を握りしめている。

 アレを無視してオーガと戦っていたら、そこに投げ込まれていたかもしれない……危なかった。


 しかし、この下層最初の広間で出て来るか……オオザル君。


 ◇


「…………むぅ。隙がねぇ」


 普段訓練所で相手をしているセリアーナ達は、俺程度じゃ隙なんて見つけられないが、魔物相手だと意外といけたりする。

 あからさまによそ見をしたり、気を抜く瞬間がわかるんだ。

 恐らく、俺があまりにも弱いから警戒する必要が無いと判断しているんだろう。

 あくまで恩恵品と加護の力……それとヘビたちの力で倒しているのであって、俺本体はヨワヨワだから、その判断自体は間違っていない。


 だが……姿を見せたオオザルはそんな素振りが一切ない。

 この5分くらいの間、遠巻きに周囲をグルグル回っているが、俺から目を離さない。

 困ったことに毒が効いている様子も無い。

 オオザルはカマキリの時も出て来たけど、あの時も毒は効いていなかったし、この強さの魔物には効かないか……。

 これ以上時間をかけても、無駄になるだけだ。


「……どーすっかねぇ」


 今地上で動けるのは、オオザル1体にオーガ2体。

 オーガはともかくオオザルが厄介なんだよな。

 魔王種だろうと無かろうと、俺の攻撃はまともにダメージが入らないし……弓ならいけるかもしれないが、当てるのはちょっと難しそうだし。


 今の状況なら逃げるだけなら簡単だろうけれど、そうすると毒を受けた魔物がそのまま復活することになる。

 ダンジョンの魔物の仕組みってのがいまいちよくわからないが……毒を食らったのを放置して、耐性なんて身に着けられたら、俺が困るからな……。

 ここは出来れば仕留めておきたい。


 ◇


 3体を視界に収めながら、コソコソと倒れ伏している魔物に近づいていく。

 まずはオオザルから離れた個体からだ。


「ほっ!」


 まずは動けないオオカミの群れ目がけて、ヘビたちを放ち、ついでに俺も核を貫いた。

 俺が首だけ刎ねて、核をヘビたちのおやつにってのが普段のパターンだが、今日はそれは無しだ。

 急いで仕留めて行こう。


 順調に仕留めていき、その数は30を超えて、いよいよ離れた場所の魔物がいなくなってしまった。

 まだ後20体近く残っているが、それらはあの3体から精々数十メートル程度しか離れていない。


 厄介なのは、オーガは倒れている群れの中心に陣取り、オオザルは……何かウロウロしている。

 勿論俺から目を離したりはしていないが……何とも動きが読めないんだよな。

 連続して倒すんじゃなくて、1体毎に離脱した方がいいか。


 まずは、一気に高速で突っ込んで、端の魔物から順に核だけ貫くべきかな?

 幸いどれも倒した事ある魔物だし、核の位置も把握できている。

【浮き玉】の速度なら攻撃を受ける前に離脱も出来るだろう。


「ふっ!」


 上空から近づき、お目当ての魔物まで10メートル程になった所で、一気に加速し接近。

 頭部にある核を貫くと、すぐさま外側へ離脱……。

 振り向くと、こちらを見てはいるが3体とも動くそぶりは無し……上手くいきそうだ。

 とりあえず、この戦法で数を減らしていこう。


 だが、チクチクと削っていきいよいよ10体を切ったところで、オーガ2体が前に出てきた。

 相変わらずオオザルは俺から目こそ離さないものの、ウロウロとしている。

 オーガなら慣れた相手だし、ここは折角前に出て来てくれたんだし、一気に2体倒してしまおうかな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] いったい何を探している?のやら
[一言] 前話から思ってたけど動物投げてくるところが完全に獣の巨人で再生される・・
[一言] オオザルくん「だ~る~まさんがころんだ」
感想一覧
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