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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 即席の救助隊。


 死者が出た時は、動ける冒険者が一気に突入して回収に向かうことはあっても、その前段階で冒険者ギルド側が、探索中の冒険者に対して何かをする事は基本的に無いそうだ。

 だが、敢えてそこをやりたいと、リーゼルに直訴……じゃ無いな……手紙だ。

 ともあれ、そういった方針にしたいそうだ。


 あの支部長は冒険者に甘い気がする。

 それはリーゼル達も感じているようで苦笑を浮かべている。

 考え自体は悪くないと思うが、果たしてそこまでサポートしていいものか……と言うと、俺にはわからん。

 そこら辺の判断は人も物資も使う訳だし、一般開放までの間じっくり考えてもらおう。


 それよりも……。

 真面目にダンジョンについて話をする男性陣に対して、女性陣はそれは自分達の仕事じゃないと思っているのか、話に加わる様子は無く、専ら別の事にご執心だ。

 具体的には俺の髪。


 あまりお世話になっているシーンを俺が見る機会は無いから、ついつい忘れがちだが、エレナはセリアーナの侍女でもある。

 セリアーナは櫛が無いとか言っていたが、エレナがしっかり持っていた。

 確か彼女らも会議に出席するとか言っていた気がするんだけど……こんなもんいつも持ってんだろうか?


「……ねぇ、あっちの話は良いの?」


「いいのよ」


 即答されてしまった。

 まぁ、ダンジョンの事は騎士団と冒険者ギルドが考える事だし、テレサとフィオーラは籍は置いていても、俺やアレク達のサポートがメインだからな……彼女らへ職分というか、役割の線引きを明確にしているところがある。

 今回の件もそうなのかな?


 ……それよりも。


「この髪型どーなんよ……」


 問題はこっちだ。

 髪を弄り始めてもう20分くらいたったが、ようやく完成したらしい。

 だが、その髪型たるや……。


「あら? よくわかったわね……?」


 俺の声に女性陣は驚き、セリアーナも不思議そうな顔をしている。

 それはそうだろう。

 この部屋には鏡は置いていないし、俺は振り向いていない。

 勘の鋭い人なら、手の動きなどから、どんなことをしているのかわかるかもしれないが、生憎俺の勘はちょっと……まぁ、アレだ。

 その事は彼女達も知っているからこその驚きだろう。


「……ああ、ヘビたちですね」


 だが、テレサは襟元からアカメが首を伸ばしている事で、思い当たったようだ。


「そうそう。んで、この髪型……」


 最近は喋りながらでも、ヘビたちの視覚を共有できるようになってきたのだ。

 まぁ、髪型を調べるために訓練を積んだわけじゃー無いんだが……ともあれ、今は髪型だ。


「王都では最近こういった髪型が流行っているそうよ。手間がかかるから、あまり好みでは無いけれど……悪くは無いわね」


 三つ編みをいっぱい作り、それを輪っかにしたり編み込んだり……セリアーナの言う通り、盛る……とまでは行かないが、確かに手が込んでいる。

 今はただ紐だけで留めているが、これをもっと煌びやかな髪留めなんかも使えばきっと目立つだろう。

 ただ、本人だけじゃまず出来ない髪型で、時間もきっとかかるだろうし……。


「めんどくさ過ぎない? 今だって4人でやってこれだけ時間がかかるでしょ?」


 王都の流行か……記念祭の時に仕入れたのかな?

 俺も少しは王都のご婦人方と顔を合わせていたが、皆あまりこういった無駄な事に手間暇かけるイメージは無かった。

 セリアーナとフィオーラは知らんが、エレナとテレサは侍女としての能力もしっかりあるんだし、彼女達がいてもこれだけ時間がかかったんだしな……何かあったのかな?

 ふと湧いた疑問を口にする俺。


 それにセリアーナが答えるが……若干呆れ声になっている。


「学院で西部の令嬢から広まったそうよ。朝からこんな面倒な髪形を出来る程、自分は使用人を連れている……と、誇示したいのかも知れないわね。対抗してウチの国の娘たちもお前のような髪型にしているらしいわ。子供と一緒に王都の屋敷に出向した侍女から嘆きの手紙が届いたと、複数の奥方からその話があったのだけれど……その時お前も一緒にいたのよ?」


「ふぬ? ……っ!? …………きっと施療に一生懸命だったんじゃないかな?」


 視線をウロウロ彷徨わせながら、思い出そうとするが……なんか学院がどーのこーのとか話していたような記憶が薄っすらと頭の片隅にあるが……駄目だな。


「まあ……いいわ。どうせそのうち無駄に気づくでしょうからね。精々王都にいる間だけでしょう」


「……へー」


 就職前にちょっとだけ髪で遊ぶみたいな感覚かな?

 まぁ、この世界のお貴族様は学院出たら社会に出るわけだし、正にその通りなのかもしれないか。


「とりあえず、手間もかかるし動く際に鬱陶しそうだし……この髪型がリアーナでは流行ることは無いでしょうね……」


 セリアーナの言葉に同意する3人。


「セラ、お前も他所のご婦人に王都の流行の髪形について話を振られたら、適当に答えなさい」


「あ……うん」


 暇つぶしでもあっただろうが、王都の流行の髪形を実際に仕立てるところから試してみたかったのか。

 領地のご婦人方に色々聞かれることがあるんだろうな。

 これも彼女達の大事な仕事なんだろう。


 今この新しくチャレンジしている変な髪形もきっとそうなんだろう……多分。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんの髪をいつでも整えられるように常に用意してるんだろうなぁ
[気になる点] 面倒な髪型はエスカレートしていったらいずれ船とか載っける方向にぶっ飛んで行くんだろうかと思うとある意味楽しめそうでもある [一言] ながら状態でも常時視覚共有できるようなればどこぞの…
[良い点] 更新乙い [一言] 貴族なら、無駄と余裕は見せつけていくものでしょうけれども この世界だと、髪型変えたからって魔物は死なねえよ!!って…… 修羅道かな?
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