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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 ダンジョンでの一仕事を終えて屋敷に戻って、何を置いても、まずはひとっ風呂浴びてリフレッシュ。

 そして、リーゼルの執務室に向かったのだが……執務室から繋がっている談話室で、なんか皆が揃っていた。

 冒険者ギルドで預かった手紙だけ置いたら、部屋に戻るつもりだったんだが……。


 確か今日は領内から人を集めて会議をするって聞いていた。

 ルバンも一旦自分の村に戻ったのに、その会議に出席するために、またやって来たそうだ。

 俺もダンジョンから予定より早く戻ってきたけど、それも早く終わったみたいだな。


 しかし、何の話をしているんだろう?

 メンバーが限定的すぎる……カロス達もいないし……酒が出ていないから真面目な話なのかもしれないが……ジグハルトは前に茶葉を広げているし……。


「やあ、セラ君。ダンジョンはもう良かったのかい? まだ出かけて2時間も経っていないんじゃないかな?」


「あ! そうそう……旦那様、これ支部長から」


 預かった手紙をリーゼルに渡す。

 内容はそれを記している時に一緒にいたし、俺も把握している。

 何か質問があるようなら答えられるだろう。


「……姫こちらに」


「ぬ?」


 リーゼルの前で浮いていようと思ったが、テレサが俺を手招きしている。


「髪を直してもらいなさい……。櫛は無いけれどなにもしないよりはマシでしょう……」


 セリアーナはそう言うと、溜息を一つ吐いた。

 俺そんなひどい髪してるかな……一応タオルで全力で拭いてから来たんだが……。

 まぁ、いいか。

 任せよう。


「セラ君。君もこの現場にいたと書いているが、詳しく話を聞けるかい?」


 髪を乾かして貰っていると、手紙を読んでいたリーゼルが真面目な顔でこちらを見ている。

 まぁ、内容が内容だもんな。

 他の面々もだ。

 よし……それでは話して進ぜよう。


「簡単に言うと浅瀬の奥でちょっとした事故が起きて、大怪我した人が沢山出たんだよね。ただ、今日はアレクもジグさんもいなかったでしょう? 怪我人をダンジョンの外に運び出すのも、回復魔法を使える人をそこまで連れていく事も難しくってね」


 何の会議なのかは知らないが、お偉いさんが集まっているから、ダンジョン探索をしている2番隊の面々も今日は地上で待機している。

 そのため戦力が冒険者主体で、全体的に足りていなかったんだよな。


「で、オレがポーションを運んだりし続けてたんだ」


 上層へ狩りに行くつもりだったのに、ポーション運びで疲れてしまい、ちょっと早いけれど帰宅したわけだ。

 その説明をしている間に、リーゼルから回された手紙を読み終えたアレクが、質問を口にした。


「セラ、コレを読んだ限りじゃ詳細がわからない。どんな事故だったんだ?」


「む? わかりにくかったかな……? 体当たりを避けられたオオイノシシが、浅瀬に生えている木にぶつかったんだけど、その木が折れたんだよね」


 それが切っ掛けだ。


 折れた木がまずは、近くで様子を窺っていた魔物の群れ目がけて倒れ込み、それに驚いた魔物がバラバラに逃散。

 そして、他の魔物と戦っていたパーティーの下に乱入して、1人が怪我を。

 それに気を取られた盾役が、オークの一撃を受けてパーティーが半壊……。

 そんな事が、連鎖的というか雪崩的というか……ピタゴラスイッチみたいな勢いで、どんどん広がっていき、本当に数分程度の出来事なのに、あっという間に重傷者が多数出る事態になってしまった。

 俺はその時、ちょうどすぐ側を通過していたが、あまりにも突発に起こった出来事で、何もできなかった……。


 死者がいない事がせめてもの幸いだが……改めて魔物相手に油断はいけないと思ったもんだ。

 あの階層を余裕で突破できる冒険者が、ゴブリン相手から大怪我を負わされたりもしていたからな……。


「救援が遅れたとかではなくて、広範囲で一度に起きたから、手が足りなかったのか……」


 今の時点でも浅瀬にはハプニングに備えて、騎士団だったり戦士団から派遣された冒険者が、狩りをしながら駐留しているんだが……。


「そうそう。見通しがあまり良くないでしょ。地上からだと事態の把握が出来なかったんじゃ無いかな? 結局俺が誘導してたからね」


 リアーナダンジョンの浅瀬で注意する点は、見通しの悪さとそこそこ強い魔物。

 それが悪い方向にかみ合ってしまって、大事になった。


 一旦周囲の魔物を倒した後は、治療をするために怪我人を一ヵ所に集めて対処していたが……根本的に回復魔法を使える者が少なすぎるんだよな。

 どうしてもダンジョン内での治療となると、ポーションが中心で無理が出て来る。

 かと言って、武装した冒険者を運び出すのも楽じゃ無い。

 一般にも開放されたらまた利用者数が増えるし、被害が増えるか、逆に救援が増える事で被害が減るかはわからないが、こういった事態を引き起こしやすい環境だという事が判明した。

 まぁ……プレオープン中で良かったもんだ。


「それでこの内容か……」


 説明を聞き納得したのか、男性陣があれこれ話し始めた。

 手紙に書かれている内容はいくつかあるが、特に大掛かりなのが、ダンジョン入り口前のホールに、ポーションの備蓄施設を新たに設置する事だ。

 即席の救助隊を組織出来るようにしたいんだろうな。



セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラエキスプレスによる当日お急ぎ便……
[一言] >ダンジョン入り口前のホールに、ポーションの備蓄施設を新たに設置する事だ 緊急搬送用に馬持ち込めるとなおいいかもね
[良い点] 更新乙い [一言] 近場に応急処置できる場所あると便利そうなのは確か
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