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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 休憩ついでに俺たちも、女性兵の講義を聞いていると、セリアーナに、テレサとエレナの3人が訓練所の入口を向いた。

 前も似たような事があったが、誰か来たのかな?

 今日のここを利用するような人物と言えば……。


「おや? 訓練所を利用していると聞いていたけれど……もう終わってしまったのかな?」


 リーゼルが護衛の兵を連れて中に入ってきた。

 座って講義を聞いていた女性兵達は慌てて立ち上がり、ビシっと敬礼をした。

 まぁ、この領地のトップだもんな……。


 リーゼルは、そんな彼女達に楽にするようにと手で示すと、こちらにやって来た。

 恰好は、動きやすい訓練用のシャツにパンツだが……、彼もここを使うのかな?

 そう思っていると、セリアーナが彼に訊ねた。

 流石奥さん。


「いらっしゃい、リーゼル。今は休憩中ね。貴方も剣を振りに来たの?」


「ああ。今日はこの後は面会予定もないからね。ここ最近体を動かす事が出来なかったから、ここを利用しようと思ってね」


 リーゼルが普段体を動かすのは、中庭か外の騎士団用の訓練所だ。

 そういえばここを利用しているのを見た事が無い気がするな……便利なのに。


「そう……。セラ、お前相手をしてもらいなさい」


「ほぇっ!?」


 体を動かしたいって言ってるのに……後ろの護衛とかじゃ駄目なんだろうか?


「お前、真っ当な騎士の剣を使う相手はテレサしか知らないでしょう? いい勉強よ。リーゼルいいでしょう?」


 言わんとする事はわかるが……。


「ああ。セラ君、相手を頼むよ」


「あ、うん……」


 いかん……真っ正面から言われてしまうと、断る事が出来ない。

 ……まぁ、相手はリーゼルだ。

 しっかり加減してくれるだろう。


「セリア、セラ君はどんな訓練をしていたんだい?」


「対人での攻撃と防御の訓練よ」


 つまり対人戦だな……。

 だが、リーゼルはそれを聞くと、了解と笑っている。


 彼を追って、俺もテクテクと壁際から離れてリーゼルと距離を取って向かい合う。


「セラ君、何時でも良いよ。君のタイミングで来てくれ」


「……はーい」


 これが実戦なら、迷わず飛んで逃げるんだけどなぁ……。

 とは言え、そんな事を言ってもどうにもならんし、ここは真面目にやりますかー!


 ふんすっ! と気合を入れて、セリアーナの時と同じ様に構える。

 そして、正面からリーゼルを捉えるが……彼の構えは、右手に剣を持ち、左手はやや引いている。

 だが、体は正面を向いている。

 盾とかを持つ事を前提にしているのかな?

 テレサも似た様な構えを採る事が多かった気がする。

 オーギュストは加護があるから、それを生かす為なのか、騎士というよりは冒険者に近い戦い方だからな……。

 セリアーナも言っていたが、これがこの国の騎士の構えなのかもしれない。


「……ぬぬぬ」


 どうすりゃいいんだ?

 これ。


 リーゼル……身長は180くらいか……俺との身長差は40センチ以上だな。

 リーチ差は絶望。


 そして、一見細身だが施療の際に腰や背中に触れることがある。

 服越しでもわかるくらいには筋肉が付いているし……腕力差も相当なはずだ。

 片手で構えているからって、俺の一撃なんか簡単に防がれるだろう。


 ……ならやっぱり突きか。


「ぐぬぬ……」


 でもなー……隙なんてわかんないよ。

 俺が見つける事が出来ないのか、彼に隙が無いのか。

 多分両方だろうけれど……。


「セラ、さっさと動きなさい」


 セコンドから厳しい声が飛んでくる。

 仕方が無い。

 とりあえず、突っ込んでから考えよう!


「……はっ!」


 思いきり踏み出して、リーゼルの胸元目がけて突きを放つが、リーゼルは剣を持つ右手を僅かに動かして、俺の突きの軌道上へ。

 剣越しにすぐに伝わって来る硬い感触。

 防がれたか。

 なら、一旦距離をとって……っ!?


 突きを防がれたと思った瞬間に、もうリーゼルの左手が俺の目の前に来ていた。

 そして勢いよく突き出された手のひらに視界を塞がれたのだが……。


「うあっ!?」


 視界を塞がれた事に一瞬パニックになり、無意識のうちに【風の衣】を発動してしまったようだ。


「おっと!」


 リーゼルは小さく声をあげると、風の勢いに逆らわずに後ろに飛んでいく。

 そのままクルクルと2回ほど回転をすると見事に着地を決めた。


 ……お見事。


「……セラ駄目でしょう?」


 セコンド……もといセリアーナの声には呆れが混じっているが、リーゼルは楽し気に笑っている。


「あははっ。オーギュストから聞いてはいたが、コレだったんだね」


 実に楽しそうだ。

 しかし、やはりこのにーちゃんも中々とんでもないな。

 俺の突きを叩き落とすんじゃなくて、受け止めた事は、他の人でも可能だと思う。

 根本的に俺は遅いし非力だからな。

 だが、不意打ちのカウンターで風に吹き飛ばされたのに、自ら後ろに飛んでしっかり着地まで決めるとか……。

 いくら俺がこの加護を所持している事を知っているとはいえ、そう簡単には出来ないだろう。


 まぁ、怪我をしなかったのは良かったが……。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 不意打ちで初めて見る攻撃を受けてさらっと対応するとか変態かよ!? [一言] この世界バケモノ多すぎだよ。それだけ修羅ってだけだけど
[良い点] 更新乙い [一言] 訓練だからね どんどこ負けていこう
[気になる点] セラはずっと玉に乗っているから足腰弱そう。(^_^;)
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