表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

480/2096

476

「隊長、何してんだ!」


 冒険者見習いのガキンチョ共が集まってきて、口々に同じような事を叫んでいる。

 何で子供ってやつは一々叫ぶんだろう……?

 多少ばらけているが、男女全部で……20人以上いる。

 見覚えの無い子もいるし、友達かな?


 この街は結構治安がいいが、それでも外でこれだけの子供が一塊になっているのは結構珍しい。

 むしろ初めてかもしれない。


「隊長じゃなくて、副長! な。今日は街を見に来たんだよ。皆はどうしたの?」


「俺達はさー!」


 と、叫ぶ叫ぶ。

 年長組が宥めてはいるが、それでも実に騒がしい。

 まぁ……元気な事は結構だ。


 この子供達は、ほとんどが冒険者や商人の子だ。

 記念祭が開かれた昨日一昨日だけじゃなくて、記念祭の準備期間も家業の手伝いをしていたらしい。

 本格的に働きに出るのは14歳からだが、他所の街でも14歳以前から丁稚奉公のような事もしているし、この街でもそうだ。

 それを考えれば、妥当かもしれないが……。


 記念祭最終日。

 街を訪れている人間はまだまだ滞在するが、お祭りは今日までだ。

 そのため、親から今日は遊んで来いと、小遣いと一緒に送り出されたらしい。


 実はここにいる一団だけでなくて他にも散らばっていて、後で合流することになっているそうだ。

 今は出店で食べ物の物色中なんだとか……。


「なんか良いのあった?」


 一応俺も見回ろうと思っていたが、一つ一つチェックするのはとてもじゃ無いが、不可能だ。

 ここはマンパワーに縋ろう。


 またも口々に答えだす子供達。

 ふと視線を逸らすと、マーカスが街の見取り図を出して、名前の挙がった露店の場所に印をつけている。

 出来る奴だ……。


 しかし……聞いた限りでは、結構いいお値段の店も多いようだ。

 それもこの街の者が出店している店。


「……なんでかな?」


 この街で商売をしていたら相場とかはわかりそうなもんだけど……子供達もそこは避けている様だ。


「恐らく、猟師ギルドが材料を卸しているのでしょう。冒険者が卸す物よりも品質は良いのですが、その分値は張ります」


「……あーなるほどね」


 魔物にしろ獣にしろ倒す事は一緒だが、その際の処理の仕方で味が変わる。

 倒す事を優先する冒険者は、その辺をおざなりにしがちで、不味いとまでは行かなくても、味がいま一つな場合が多々ある。

 ところが、それが猟師達の仕留めた獲物の場合だと、まるで違う。

 ウチの屋敷で使っている肉も全部猟師経由だ。


 それを使っているのかー……。


「ただでさえ、魔境の獲物、という売りもありますし、他領の者は興味を惹かれるでしょう」


「ほうほう」


 他領の者へ特産品のアピールってところか……まぁ、人が集まるし、目の付け処は悪くない。

 だが……。


「流石に今日は客足は少ないみたいだね」


 子供達もゾロゾロ引き連れて、そのお高い一画までやって来たが、他と比べると客の数は少なく少々寂しい光景だ。

 俺はその中の一つ、串焼き? みたいなのを売っている店に近づいた。


「!? よう! セラさんか」


 大勢が急に近づいてきた事に露店の主は一瞬身構えていたが、その中に俺がいる事に気付き、手を上げ挨拶をしてきた。

 商業ギルドで何度か顔を合わせた事のあるおっさんで、確か肉の卸をやっている商会で働いていたはず。


「一本ちょーだい」


「あいよっ。だが、少々値が張るぜ?」


「いーよ。お小遣い貰って来たし」


「そうか。1本銀貨1枚だ。ちょいと待ってな」


 なるほど……いいお値段だ。


 だが、たかが1本といっても、中々大きい。

 30センチくらいはあるし、量も考えたら妥当なところか。


「ねー、君らって全部で何人いるの?」


 焼き上がりを待つ間に、一緒についてきた子供達に話しかける。

 大人にもある様に、子供達にも子供達のコミュニティーがあるが、俺はそっちには顔を出していないし、この街に子供がどれくらいいるのかとかを知らないんだよな。

 リーゼル達に聞けばわかるだろうが……今まで特に気にしなかったし。


「あー全部で……100人ちょっとかな?」


 年長者の1人が指を折りながら答えた。

 アレはグループの数でも数えているのかな?


「100……多いね……」


 そんないるのかよ……。


「焼けたぞ」


 思ったよりいたガキンチョチームの数に驚いていると、おっさんが串を差し出してきた。


「ありがと。ところで、これって何の肉?」


 銀貨を渡しながら、一体何の肉なのかを訊ねる。

 お品書きなんてないからな……俺には獣の肉って事しかわからない。


「イノシシだ。魔境産の肉だから味は濃いぞ」


「ほー……。むぐ」


 串に刺さった肉に齧り付き、咀嚼するが……思ったよりも柔らかい。

 何かに漬け込んでいるのか下味も付いているし……肉自体の味もいい。

 これは美味いわ。


「ねー。ここら辺の店は同じような物を出してるの?」


「あ? ああ……まあ、味に大差は無いはずだな。もっと買うか」


「そうだね……ちょっと」


 物欲しそうにこちらを眺めているガキンチョたちのリーダー格を呼び寄せた。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 小学校の学年一つがそんくらいの人数だったなぁ
[一言] 最終日だから数量割り引きとか効くかな……?
[良い点] 更新乙い [一言] ガハハ!!(ひとからもらった)金ならあるぞ!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ