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「隊長、何してんだ!」
冒険者見習いのガキンチョ共が集まってきて、口々に同じような事を叫んでいる。
何で子供ってやつは一々叫ぶんだろう……?
多少ばらけているが、男女全部で……20人以上いる。
見覚えの無い子もいるし、友達かな?
この街は結構治安がいいが、それでも外でこれだけの子供が一塊になっているのは結構珍しい。
むしろ初めてかもしれない。
「隊長じゃなくて、副長! な。今日は街を見に来たんだよ。皆はどうしたの?」
「俺達はさー!」
と、叫ぶ叫ぶ。
年長組が宥めてはいるが、それでも実に騒がしい。
まぁ……元気な事は結構だ。
この子供達は、ほとんどが冒険者や商人の子だ。
記念祭が開かれた昨日一昨日だけじゃなくて、記念祭の準備期間も家業の手伝いをしていたらしい。
本格的に働きに出るのは14歳からだが、他所の街でも14歳以前から丁稚奉公のような事もしているし、この街でもそうだ。
それを考えれば、妥当かもしれないが……。
記念祭最終日。
街を訪れている人間はまだまだ滞在するが、お祭りは今日までだ。
そのため、親から今日は遊んで来いと、小遣いと一緒に送り出されたらしい。
実はここにいる一団だけでなくて他にも散らばっていて、後で合流することになっているそうだ。
今は出店で食べ物の物色中なんだとか……。
「なんか良いのあった?」
一応俺も見回ろうと思っていたが、一つ一つチェックするのはとてもじゃ無いが、不可能だ。
ここはマンパワーに縋ろう。
またも口々に答えだす子供達。
ふと視線を逸らすと、マーカスが街の見取り図を出して、名前の挙がった露店の場所に印をつけている。
出来る奴だ……。
しかし……聞いた限りでは、結構いいお値段の店も多いようだ。
それもこの街の者が出店している店。
「……なんでかな?」
この街で商売をしていたら相場とかはわかりそうなもんだけど……子供達もそこは避けている様だ。
「恐らく、猟師ギルドが材料を卸しているのでしょう。冒険者が卸す物よりも品質は良いのですが、その分値は張ります」
「……あーなるほどね」
魔物にしろ獣にしろ倒す事は一緒だが、その際の処理の仕方で味が変わる。
倒す事を優先する冒険者は、その辺をおざなりにしがちで、不味いとまでは行かなくても、味がいま一つな場合が多々ある。
ところが、それが猟師達の仕留めた獲物の場合だと、まるで違う。
ウチの屋敷で使っている肉も全部猟師経由だ。
それを使っているのかー……。
「ただでさえ、魔境の獲物、という売りもありますし、他領の者は興味を惹かれるでしょう」
「ほうほう」
他領の者へ特産品のアピールってところか……まぁ、人が集まるし、目の付け処は悪くない。
だが……。
「流石に今日は客足は少ないみたいだね」
子供達もゾロゾロ引き連れて、そのお高い一画までやって来たが、他と比べると客の数は少なく少々寂しい光景だ。
俺はその中の一つ、串焼き? みたいなのを売っている店に近づいた。
「!? よう! セラさんか」
大勢が急に近づいてきた事に露店の主は一瞬身構えていたが、その中に俺がいる事に気付き、手を上げ挨拶をしてきた。
商業ギルドで何度か顔を合わせた事のあるおっさんで、確か肉の卸をやっている商会で働いていたはず。
「一本ちょーだい」
「あいよっ。だが、少々値が張るぜ?」
「いーよ。お小遣い貰って来たし」
「そうか。1本銀貨1枚だ。ちょいと待ってな」
なるほど……いいお値段だ。
だが、たかが1本といっても、中々大きい。
30センチくらいはあるし、量も考えたら妥当なところか。
「ねー、君らって全部で何人いるの?」
焼き上がりを待つ間に、一緒についてきた子供達に話しかける。
大人にもある様に、子供達にも子供達のコミュニティーがあるが、俺はそっちには顔を出していないし、この街に子供がどれくらいいるのかとかを知らないんだよな。
リーゼル達に聞けばわかるだろうが……今まで特に気にしなかったし。
「あー全部で……100人ちょっとかな?」
年長者の1人が指を折りながら答えた。
アレはグループの数でも数えているのかな?
「100……多いね……」
そんないるのかよ……。
「焼けたぞ」
思ったよりいたガキンチョチームの数に驚いていると、おっさんが串を差し出してきた。
「ありがと。ところで、これって何の肉?」
銀貨を渡しながら、一体何の肉なのかを訊ねる。
お品書きなんてないからな……俺には獣の肉って事しかわからない。
「イノシシだ。魔境産の肉だから味は濃いぞ」
「ほー……。むぐ」
串に刺さった肉に齧り付き、咀嚼するが……思ったよりも柔らかい。
何かに漬け込んでいるのか下味も付いているし……肉自体の味もいい。
これは美味いわ。
「ねー。ここら辺の店は同じような物を出してるの?」
「あ? ああ……まあ、味に大差は無いはずだな。もっと買うか」
「そうだね……ちょっと」
物欲しそうにこちらを眺めているガキンチョたちのリーダー格を呼び寄せた。
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚




