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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
15章・リアーナでアレコレと。

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 今日は記念祭3日目の朝だ。

 つまり、最終日。


 まぁ、最終日だからといって、わざわざ国の端っこまでやって来たんだし、すぐに帰る……って事は無く、しばらく滞在してリアーナ領都での用事を済ませるため、しばらくの間はこの街も人の往来が多いままだ。

 とは言え、それでも最終日は最終日。

 出店などは今日までで、初日からの街の騒ぎも少しは収まるだろう。


 ……んでだ。


 今日もまたセリアーナのお客に【ミラの祝福】でもするのかなーと思っていたのだが……朝食をとってすぐにリーゼルの執務室に呼ばれた。


「……あれ? セリア様もいるの?」


 部屋に入るとリーゼルが自分の席についていて、さらにその隣には正装のセリアーナも一緒にいた。

 俺はまだ甚平だが……急いで着替えた方がいいのかな?


「ええ。お前はまだその恰好なのね……」


 と、溜息を一つ。

 が、セリアーナの小言が始まる前に、リーゼルの笑い声が割って入った。


「はっはっはっ。お早うセラ君。朝から呼び立ててすまないね」


「あ、おはようございます……」


 とりあえず挨拶をするが……何の用なんだろう?


 首を傾げていると、部屋の隅に立つ執事のカロスを呼んだ。

 トレーを両手で持っているが、俺の位置からは何が乗っているのかは見えない。

 彼はそのままリーゼルの前まで行くと、何かを机の上に置き下がっていった。

 置かれた物は小さな袋で、置く際にジャラっと音がしたが……お金かな?


「セラ君、これを」


 その小袋を俺の前に出す、リーゼル。


「これは……? ぉ?」


 とりあえず受け取り、小さく口を開いて中を見ると、銀色のコインが沢山入っていた。

 サイズは大小の2種類で、大銀貨と銀貨だ。


「お使いでもしてくるの?」


 お貴族様が、普段屋敷に商人を呼び寄せて購入するような代物は大抵高級品で、支払いは金貨の場合がほとんどだ。

 だが、市井のお店でとなると、金貨は使い勝手が悪かったりする。

 店同士の取引ならともかく、個人での買い物となると、銀貨や大銀貨が主流だ。


 出店の商品で何か買って来て欲しい物でもあるのかな?


「お前、記念祭の間ずっと屋敷にいるでしょう? 今日は出かけて来なさい」


「……ぬ?」


 ◇


 リアーナ領、領都。

 かつてはゼルキス領の最東端の街でルトルと呼ばれていた。


 魔境に接している事もあり、東側の街壁は頑丈に作られていたが、そこ以外は他の街よりも荒れた、広さだけが取り柄の街だった。

 だが、リーゼルが代官として赴任して以来、少しずつ改善していき、さらに新領地の領都となってからは一気に街全体の大改修が行われている。

 それと併せて、拡大もだ。

 旧ルトルの街から比べたら倍以上になっているだろう。


 かつてはざっくりと4区画に分かれていたが、今ではそこに貴族街も追加されている。


 貴族街は文字通り貴族の屋敷が建ち並び、領主の屋敷や騎士団本部も建っている。

 以前は街の南西部の高台に領主の屋敷が建っている程度だったが、その周辺の土地を徴収して、拡大した街の南西部一帯を占めている。

 新設したばかりの貴族街というだけあって、まだまだ空きスペースは目立つものの、建物は新しいものが多く、王都の貴族街にも引けを取らないほどだ。


 そして、貴族街に接する中央広場から広がる中心街。

 貴族達も利用する店や宿が並ぶ、ハイソなエリアだ。

 ここは昔からあったが、やはり街の拡大に合わせて規模が拡大されている。


 かつては街の東側にあった冒険者ギルドも、今では端っこでこそあるが、この中心街にある。

 旧ルトルの南西部を除く、3区画がほぼ収まっていると考えていいだろう。


 住民は少しずつ中心街の外に移動しているが、元々ボロイ住居が多かったから、新しい建物に喜んでいるそうだ。

 拡大に合わせた街壁の拡張を優先させていたが、それも落ち着いてきた。

 数年以内に完了する見立てだ。


 ◇


「随分にぎわいを見せますね。……あそこの者などは他領の者でしょうか……?」


「かもねー。ちょっとこの辺じゃ見ない物を扱ってるね」


 中央広場には露店が並んでいるが、多くの人が集まっている。

 その様子を見た護衛の兵の言葉に、相槌を打つ。

 彼等は俺の護衛にと、リーゼルが手配した1番隊の団員だ。


「街から発つ際には、持ち込んだ分の荷は減らしておきたいでしょうから、多少は値を下げてでも売り切りたいのでしょうね」


 そして、続けて言うのはマーカス君。

 いくつかの露店を指して、それぞれがどの領地の特産品かを説明してくれる。

 物知りなやっちゃ。


 昨日のマリエラしかり、なんか野心というか……バイタリティーというか……肉食系? な人と最近会う機会が多くて思い知ったが、やはり彼は独力での出世とかには向いていない気がするな。

 しかし、優秀な事に変わりは無い。

 上手い事なんとかならんもんか……。


「たいちょー!」


 マーカス君の未来について考えを巡らせていると、それを遮るように子供の声が耳に飛び込んで来た。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・7枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・7枚

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― 新着の感想 ―
セフィールさんへ >そういやこの子遊びらしい遊びってしたことないんじゃないか? いやいやいや、何をおっしゃる。 セラちゃんときたらたまにだけど子供らしくめちゃくちゃ豪遊(?)してるじゃないですか!…
[良い点] そういえば、セラって現金は聖貨しか持ってないイメージが・・・ もって無いわけではないのでしょうけど。使ってるイメージが0ですね。
[一言] そういやこの子遊びらしい遊びってしたことないんじゃないか?
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