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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 俺達3人の方針は決まり、周囲の警戒ついでにボスとの戦いを見守る事に。


 生き残ったオオザルの1体は同じく捕食され、もう1体はオーギュストとルバンによって倒されている。

 ボス戦の前にも倒していたが、魔王種じゃなければ割とあっさり倒せるのかもしれないな。


 さて、ボスカマキリ。

 2体のオオザルを食った事で、鎌はもう再生している。

【隠れ家】の中のアレはどうなっているのか気になるが、消えはしないだろう。


「今のところ上手く押さえ込めてるね」


 正面にアレクが立って、【赤の盾】で気を引きつつ、左右の鎌を盾や棍棒で上手く捌いている。

 そして、業を煮やしたボスがジャンプしようとすると、両サイドのルバンとオーギュストがすぐにその挙動を潰す。

 少し離れた場所にいるジグハルトは、溜めに集中しているし……これは大丈夫そうかな?


「そうですね……ですが、まだオオカマキリも余裕があるようです。本当に追い詰められたらなりふり構わず逃亡という手を打てますからね」


「あー……逃げられたら引き留められないのか……」


 確かに本気で逃げようとされたら、脚を潰す事も出来ないし、身体を押さえ込む事も出来ない。

 だから、アレク達は先程と違って攻撃をせずに、大人しく受けるだけに留めているのか。


 ……今更だけど、怖くないのかな?


「いいぞ!」


 などと考えつつしばらく見守っていると、ジグハルトの準備が出来た様で、前の3人に合図を出した。


 問題はどうやって魔法を当てるかだ。

 ジャンプしようとする時以外は、大体低い体勢を保ち、甲殻で覆われていない腹部を地面で守っている。

 どうにかして体を起こさないと……。


 俺が行って、頭の辺りをウロウロして気を引けば、上体を起こせるかもしれない。

 気を抜くと危ないだろうが、特に疲れてもいないし、ミスはしないだろう。


 そんな事を考えていたが、いらぬ心配だった。


 左右の鎌を凌いだアレクが一気に潜り込み、すくいあげる様な一撃を、食らいつこうと開いた顎目がけて叩き込んだ。

 流石にこれは効いたのか、思わず上体を起こすボスカマキリ君。

 そして、怒ったように両の鎌をもたげる。


 迫力は満点だが……。


「決まったわね」


 俺の頭に浮かんだ言葉を代弁するフィオーラ。

 さらにその言葉の正しさを証明するかのように、薄暗いボスの間に突如強烈な光が現れた。

 光源はジグハルトだ。


 仮にもボスとの戦闘中なわけだし、目を閉じる様な事はしないが、俺は彼に背を向けている。

 対策はばっちりだ。


 そしてアレク達も、先程は声だったが今度はその光を合図に一気にボスから距離を取る。

 体勢など考えない、なりふり構わない避けっプリだが、無理もない。


 3人がボスから離れるや否や、サイモドキの時ほど濃くは無いが、赤い線がボス目がけて一直線に引かれ、一拍遅れて耳に届く轟音。


「……わぉ」


 吹っ飛んでいくボスカマキリの巨体を見ながら、思わず声が漏れる。


 落下と共に、先程の魔法にも負けないくらいの轟音を立てて転がっていった。

 飛距離は20メートルくらいかな……?

 大型トラック並の大きさの物体がそんだけ吹っ飛んでいく……異様な光景だ。


 呆然としていると、横からフィオーラが声をかけてきた。


「まだ身体が残っているという事は……核は潰せなかった様ね……。セラ、聖貨は? 私は無いわ」


「……ぉぉっ!? えと、オレも無いね」


 アレがボスザルと同じだったとしたら、止めを刺しているのなら、身体が残っていても聖貨を得ているはずだ。

 だが、俺もフィオーラも得ていない。

 テレサの方を見ると首を横に振っている。

 彼女も無しか……。


 ってことは……、まだ生きているのか?

 アレで?


 ◇


 ジグハルトの魔法が直撃し、吹っ飛んでいったボスカマキリ。

 正直死んだと思ったのだが、俺達だけじゃなく、直接戦い続けていた男性陣も、誰一人聖貨を得ていなかった。

 全員得られるのは実はボスザルの時だけで、後は通常通り止めを刺したものがって可能性も無いことは無いが、ジグハルトも得ていない。


 ってことで、前衛の3人が慎重に吹っ飛んでいったボスの下へ近づいていく。


 倒したと思って回収に迂闊に近づいて、実は生きていましたってなったら大変だからな……!?


「なっ!?」


 俺はこのボスとの戦いの間、離れた場所で倒れている魔物達を監視するために【妖精の瞳】とヘビの目を発動し続けている。

 もちろんその際に、ボスの事も観察していたのだが、隠しているのか何なのかはわからないが、他の人間や魔物、関係無しに見えているオーラ的なアレが見えていなかった。

 だが、アレク達が地面に倒れているボスまで後数メートルの距離まで近づいた時、今まで見えていなかった赤や緑、そして黒いオーラが目に映った。


 何が起きたのかはわからないが、一応彼等に警告をしようとしたその瞬間……。


「……は?」


 視界がグルグルと回転した。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんの平行感覚が麻痺ってそう
[気になる点] 細くて黒くて長いニョロニョロが出てくるのか!? 意表をついて、4匹目ゲットとか・・・!? [一言] 7匹ゲットして目指せ、ヤマタノオロチ!
[良い点] 更新乙い [一言] フリーザ様が変身する如く…… それはそれで気になるんですけれども、視界がグルグルは首が飛んでそうで怖いですね セラちんがセ/ラちんに……
感想一覧
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