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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 ボスの間上空では、俺がひたすら毒をバラまきながら壁上からの襲撃も一掃し、下ではアレク達が本陣周りを上手く使って魔法で効率よく倒せるように魔物を誘導し、ジグハルトが一掃と、魔王種の影響下にある北からの強力な魔物達もお構いなしで蹴散らしていたが……そこに更なる魔物の群れが現れた。

 妖魔種と魔獣種の混合と、そこはこれまで通りだが……。


「また新手! 今度はおサルが2体いる!」


「魔王種か!?」


「違う! 普通の魔物! でも強いよ」


 群れの中には中層で倒した最初の魔王種のボスザル。

 それと同じ種類の魔物が含まれていた。


 ボスザルの討伐後に教わったことだが、こいつは四足ザルとかオオザルとか地方によって呼ばれ方が違うようだが、森の奥の方で活動する魔獣の中でも比較的強力な種族で、妖魔種でいうならオーガクラスだ。

 もちろん魔境にも生息していて、一の山を越えたあたりから現れる。

 まだそこまで足を延ばしたことが無いから、俺は遭遇したことは無いが、相当手強いと聞いた。

 自身の戦闘能力もだが、同一種族だけでなく他種族も纏めた群れを作り、運用できる知恵が脅威なんだとか。


 そのことを思い出し、慌てて下のジグハルトに伝える。


 彼も新手の存在には気付いていたようだがそれが何かまでは分かっていなかったようで、オオザルがいると聞くと、北を睨みながら何かを考えこんだ。

 が、それも一瞬ですぐに俺に指示を出す。


「俺が仕留めるから牽制に2人行けと伝えてくれ。俺の分はフィオが受け持つ。おい! フィオ!」


 さらにフィオーラにも伝えるべく彼女を呼び寄せた。

 フィオーラは群れに散発的に魔法を撃って、足止めをしているだけだったから余裕がある。

 ジグハルトが担当している、メインの火力役を任せても状況に影響はないはずだ。


 んじゃ、俺も前線の4人に伝えに行こうか。


 ◇


 本陣の外では戦闘が続いていた。

 だが、数はもう大分減っているうえに、魔物達もそこに近づくのがヤバいとわかってきたのか、大分手前から遠巻きにして様子を窺っている。


 そりゃ……ねぇ?


 ジグハルトが貫いた魔物は、一緒に核も潰れて死体が消滅しているが、それ以外は首だけ刎ねたり、頭部を潰しはしたが核が残っていたりと、そこまで丁寧に倒していない。

 だから、結構な数の死体が転がっている。

 ダンジョン産の魔物とはいえ決して馬鹿なわけじゃ無いし、好んでここに近づこうとは思わないだろう……。


「姫、どうかしましたか?」


 前線を担当している4人は、戦闘が一段落したのかそこらに転がる死体の処理をしていたが、俺の接近に気付いたようでテレサが声をかけてきた。

 慌てていることが表情に出てしまったのか、怪訝な様子だ。


「うん。魔王種じゃ無いけどオオザル2体を含む新手が向こうから来ているんだ。ジグさんが倒すから、牽制に2人行って欲しいって」


「適当に時間を稼げばいいんだな……俺が行こう。オーギュスト、あんたも来てくれ」


 我ながら情報量が少ないなと思うが、それでも自分が向かうとアレクは即座に応え、オーギュストにも声をかけた。


「わかった。セラ殿、君はどうするんだ? ここを頼みたいのだが」


 オーギュストもそれに即答したが、彼はどうやらここが手薄になることを危惧しているようで、俺に残って欲しいと言ってきた。


 この2人は言ってしまえば重戦士だ。

 足を止めて多くの魔物を引き付けることが出来る。

 一方、ルバンとテレサは剣も魔法も使える万能タイプではあるが、あまり受けに回ることはしない。


 俺は彼等よりももっと軽いが、それでも足止めや牽制ならそこそこいけるし……。


「りょーかい!」


 何をやればいいのかと少々考えてはみたが、まぁ……やることはどうせいつも通りだ。

 遠くに行き過ぎないよう気を付けながら、適当に群れを削っていけばいいんだろう。

 引き受ける事にした。


「よし……ではアレクシオ行こう。セラ殿、我らを撃ち出してもらえるか?」


「ほっ! と……。うん、いつでもいいよ」


【祈り】を更新してからそう言うと、2人は数歩走ったかと思うと軽くジャンプをし……吹っ飛んでいった。


【風の衣】の効果の応用で、そのままだと人を吹き飛ばすほどの力は無いが、内側から外に出る際に上手く合わせることで、一気に数十メートルほど飛ぶことが出来る……らしい。

 フィオーラを除く皆も、数回の練習で身に付けている。


 飛んでいった彼等は着地をすると、その勢いのまま一気に最高速まで達し、北の群れ目がけて駆け出していった。

 たかが数十メートル程度とは言え、重い装備を身に纏う彼等にとっては恩恵は確かなようで、特に練習をしていたが……よくまぁ、この荒れた足場でもああも決めることが出来るもんだ。

 加護だから人にやって貰うことも出来ず自分では試せないが、俺だと軽くて吹っ飛びすぎるし、着地も決められそうにない気がする。


 感心していると、ルバンが感心した様子で声をかけてきた。

 一応【紫の羽】と併せて説明をしているが、この使い方は見せていないからな……。


「面白い使い方があるんだな……。俺も後で試させてもらっていいか?」


「ボスを倒し終わったらね」


 多分このにーちゃんもすぐ身に付けられるんだろうな……。


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] この風で割れた琥珀シリーズをぶっぱなす!
[一言] ついに人間カタパルトの称号も加わるのか……(゜ω゜)
[良い点] 更新乙い [一言] くらえ!!南斗人間砲弾!!
感想一覧
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