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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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「お前たちは下がっていろ。俺がやる」


 こちらにやって来るオーガらしき群れを迎え撃とうとアレクたちが前に出たのだが、それを口の周りに模様を浮かび上がらせたジグハルトが制した。


「この部屋の魔物がどの程度かも調べたいからな……。光で呼べるかもな。セラ、お前は目を閉じていろよ?」


 ついでに、一旦こちらを向きそう付け加えた。


「……ぉぅ」


 ピカピカをやる気だな。


 【竜の肺】。

 折角下賜されているのに、ジグハルトは一度使ったら満足したらしく滅多に使おうとしない。

 サイモドキや前回のボス戦でもそうだったが、今回はしっかり装備していたが、ここまではまだ一度も使っていなかった。

 だが、道中一度も発動していなかったその【竜の肺】を発動している事と言い、本気バージョンか……威力は変わらないそうだが、連発するのかもしれないな。


 見たい気もするが、一度目潰しを直視した身としては、残念だが諦めざるを得ない。

 魔物はもうすぐ側まで来ているし、大人しく両眼を閉じさらに手で目を覆った。


「いくぜ……光よ!」


「っ!?」


 声と共に放たれるジグハルトの魔法。


 熱か魔力かわからないが、肌が微かにヒリつくのを感じる。


「あわわわわ…………」


 さらに着弾した音が遅れて聞こえてくるが……やはり一発だけじゃ無いようだ。

 2発3発4発……と、連続して撃ち続けているようで、音も熱気も収まらない。

 魔法を撃つ前に、光で呼べるかどうかも調べたいとかそんな感じの事を言っていたが、これは光より音の方が比重が大きいんじゃないか?


「うわわわわ………」


 俺は今も目を閉じ手で覆っている状態で、何も見えていない。

 真っ暗な中にひたすら連続される雷が落ちる様な破壊音と熱波……いくら味方の手によるものとはいえ、恐怖すら感じてくる。

 だが、命じなくても勝手に反応してしまう【浮き玉】に乗りながら、【浮き玉】に蹲りながらもその場に留まれているあたり、俺の成長も著しいな……。


 自分の成長に感心していると、音が鳴り止んでいる事に気付いた。

 倒し切ったのかな?

 ……まぁ、普通の魔物相手にアレだけ撃って、それでも尚生き残っているのがいたらそっちの方が驚きだ。

 最後の方は音はともかく熱も感じなくなっていたが、加減していたのかな?


「おわったー?」


「終わったわ。ここの魔物達は光や音では寄って来ない様ね……それともまだ足りないのかしら?」


 俺の声に答えたのはフィオーラだが……その声が妙に近い。

 すぐ後ろからだった。

 何故? と思い振り向くと……。


「なにしてんの?」


 俺が装備しているサイモドキの帯。

 ソレの端っこをフィオーラが掴んでいた。

 そりゃ、近くから声がするはずだ。


「貴方が勝手にどこかに行かないように捕まえていたのよ。どこかに飛んでいきそうだったのよ?」


「……ありがと」


 どうやら俺は勝手にどこかに逃げようとしていたらしく、フィオーラが掴んでいたからこの場に留まれていたようだ。

 ダンジョンで目を塞いだままそんな事やらかしたら、エライ事になるからな……。


「テレサにも礼を言っておきなさい。貴方の前に立って壁になっていたのよ」


 そう言えば横にいたはずのテレサがいつの間にか前に立っている。

 途中から熱を感じなくなったのは、彼女が防いでいたからか。


「ぬぬぬ……。ありがとね」


 俺成長してないな……。

 感謝の気持ちはあるんだが……どうにも苦い物が混じってしまう。


「気にしないでください。私は姫の護衛でもありますからね」


 なんでもないように、それに笑って返すテレサ。


「それよりも、ジグハルト殿たちが戻ってきましたね。討ち漏らしは無いようです」


 男性陣は魔物の処理と討ち漏らしの確認に行っていたようだ。

 改めて魔物がいたであろう場所を見ると、その破壊痕にドン引きしてしまう。


 坂になっていて、俺達のいる場所から2‐3メートルほど高かったのが、ほとんど同じくらいの高さにまで削れてしまっている。

 足場を作ったりしていなかったし、坂もろともぶち抜いたんだろう。

 ジグハルトの乱射が終わってからまだほんの数分程度だと思うが、これじゃ核を潰したかどうかとか関係無く跡形も残っていないだろうし、確認もすぐ終わってしまうだろう。


 戻ってきた彼等は、誰も遺物を手にしていない。

 一緒に潰したか土砂に埋もれてしまったのかもしれないな。


【竜の肺】に【祈り】もあるし、魔力の回復速度も上がっている。

 それでも、これだけ派手にやって大丈夫なのかな?


「速度重視で試したが、この程度なら俺だけでも片付けられるな。フィオ、次はお前がやるか?」


「処理が面倒だし、消耗が無いのならあなたがやって頂戴。貴方の方が派手だし、何度か繰り返したらもしかしたらお目当ての魔物も寄って来てくれるかもしれないわ」


「ならしばらくは俺がやらして貰うが……お前達もそれでいいか?」


 ジグハルトの言葉に頷く一同。


「ああ、そうだ。奥の方にだが魔物が固まっている場所があった。壁からだと距離があるから、ある程度進んだらそこから撃ち込んでみたいが……どうだ?」


 このおっさん……まだまだ余裕たっぷりみたいだ。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 盗賊に12.7mm機関銃を乱射レベルのオーバーキル感( ˘ω˘ )
[一言] >ジグハルトの乱射 この世界ってやっぱ人間優遇されてるなぁ この半分の火力でも魔物にあればここまで気を抜けないだろうし、現状恩恵品も加護も魔法も人間専用だから魔物は遠距離だと攻撃手段がほぼな…
[良い点] 更新乙い [一言] ヒャッハー!! って叫んでそうなジグおっさん
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