447
この前話に、恩恵品や加護の一覧も投稿しています!
早いものでもう夏の2月間近。
そして、ルバンもやって来て、下層のボス討伐に繰り出す事にとなった。
つまり……やって来ちゃいました、ダンジョン下層。
前回少し時間がかかった理由でもあるフィオーラの足も【小玉】で補う事が出来て、中層の到達と下層までの到達は大体同じくらいの時間だった。
戦闘もあまりすること無く済み、余力も十分だ。
それだけなら問題無いんだが……ここはヤバい気がする。
事前の情報との差異を確かめるべく、下層最初の部屋を一掃した後、俺が上部も含めて軽く調べたのだが……。
「ちょっとー……ここひと部屋ひと部屋になってるんじゃなくて、でっかい広間を壁で遮ってるって感じで、上が空いてるよ。下の通路だけじゃなくて、上からも来そうだよ……」
下に降りて、上を一しきり観察してわかった事を伝える。
事前の調査では、広間は通路のみで繋がっているって事だったが……壁と天井の間には大きな隙間があって、そこから魔物が行き来できそうだ。
5メートルくらいはありそうだし、これ上からも来る気がする。
「……そうか。分かった、一旦下がろう。情報の整理だ」
「うん」
という訳で、一路中層へ引き返す事に。
作戦を練る為とは言え、このメンツで引き返すってのは初めてだ。
やるな下層……!
◇
ボス戦は、前衛中衛後衛に分かれて、前衛がボスに当たり、中衛が周囲のお供を倒しながら前衛の援護。
そして、後衛は壁を背に全体の援護ってのが当初の作戦だった。
後衛に回るのはジグハルトとフィオーラで、ジグハルトは魔法で作った足場から、フィオーラは【小玉】に乗り、高所から魔法を撃ちまくる……これで有利に進められる予定だったんだが、壁の上が空いていて後ろからも魔物が来る可能性が出てきた。
ジグハルト達なら問題無いだろうが、その場合連携が崩れてしまう。
前線と距離がある為、それが続くと分断されてしまうだろう。
って事で、前衛と後衛の二組にして、陣形をコンパクトに変更することになった。
そしてやっぱり、位置は壁側に。
背後から魔物が来る可能性はあっても、ワラワラと囲まれるよりは良いって判断らしい。
そして、一応素材がゲット出来るように核への直撃は極力避けるが、あくまで優先事項は犠牲無しでの討伐だ
いざって時には核狙いの攻撃も仕掛ける。
前衛も行けるジグハルトが今回後衛なのは、その時に溜めの一撃を撃つためだ。
中々の本気っぷり。
ちなみに俺の役割は変わらない。
宙を飛び回りながら毒を撒き、やれそうなときは援護をする。
強いて言うなら、上でも魔物に気を付けるって事が加わったくらいか。
「セラ、見えるか?」
「いやー……ここは無理だね。上も空いていないし……構造が変わってるのかも」
アレクの問いかけに首を振りながら答えた。
【妖精の瞳】とヘビ達の目を発動して、壁越しに次の部屋の様子が見えないかを試しているが、ここは見えない。
ここまでの壁だと見通せたのだが……この壁は厚みが違うようだ。
手前部分はここまでなのかもしれない。
下層に入ってから、5部屋目だったかな?
今のところ魔王種の影響を受けた魔物は現れていないが、強化型って分類されている魔物が出て来ている。
ボス戦に向けて温存しているからだろうけれど、強化型はジグハルトでも当たり所によっては一撃で倒せない。
そろそろボスさんかもな。
「わかった。セラ、お前はテレサの側にいろ。どう見る? この先にいると思うか?」
「この先かはわからんが……近いだろうな。魔力が濃くなっている」
男性陣が周囲を警戒しながら話を始めた。
俺は女性陣と一緒にいるが……。
「皆休憩しなくていいのかな……?」
今回も【隠れ家】は装備の変更以外には使わない方針だ。
俺は別に使ってもらっていいんだけれど……。
「消耗もそれほどでも無いし、緊張感が途切れてしまいますからね……。彼等は戦場慣れしていますし、ここでも十分休めますよ」
「なるほど……」
【隠れ家】に入ると寛げちゃうからな。
普段ダンジョンや戦場であのレベルで休めることは無いし、こういった環境に慣れてる人だと、逆にメンタル面の調整が難しいのかもしれない。
……俺は全く関係無かったな。
「あの人達はアレが休憩も兼ねているから、放っておいていいわよ。それよりも貴方達は大丈夫なの? 私はコレのお陰で助かっているけれど……」
テレサの言葉になるほどなーと頷いていると、上の方で壁の一部を採集していたフィオーラが下りてきた。
【小玉】をしっかり使いこなしていて、疲労も無いようだ。
「私は問題ありません。姫は休憩はよろしいですか?」
「オレも大丈夫」
浅瀬上層そして中層と、狩りをする者たちが支援も兼ねて魔物のほとんどを引き受けている。
それでも前回は通路では【ダンレムの糸】を使っていたが、今回はそれすらなかった。
浮いてついて来ただけで、疲労なんて欠片も無い。
いつでも行けるぞ!
◇
こっちはこっちでしばらく話をしていると、男性陣の話が終わったようだ。
こちらに声をかけてきた。
「そろそろ出発しよう。準備はいいか?」
向こうはもう準備を終えているが、こっちはこっちで軽装だし、元から装備を解除していない。
いつでもOKだ。
「いつでもいいわ。それより、何か変更はあって?」
「いや、ここまでの様子を見ても、そこまで特殊な状況にはならないだろう。事前の打ち合わせ通りだ」
返答ついでのフィオーラの質問にはジグハルトが答えた。
まぁ、結局何が出て来るのかわからないもんな。
なるようになれ……か。
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚




