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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
3章・王都で聖貨をザックザク!

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早いもので春の2月のもう半ば。

ポカポカといい陽気だ。

外国からの商隊も多く入ってきており、街に人があふれ王都全体が活気に満ちている。

この時期は今までだと孤児院に新しく入ってきた子供達の世話や出て行ったぶんの整理やらなんやらで、ドタバタして季節を感じる余裕なんてなかったが、いいものだ。


先のアンデッドの件も落ち着き再びダンジョンに潜るようになって、聖貨もだが手持ちの現金も増えてきた。

【浮き玉】を使っての街の移動も自由に出来るようになったし、そろそろ露店巡りなんかにも挑戦すべきだろうか?

鼻歌なんぞを口ずさみつつ、浮かれ気分でギルドに入っていった。

少々緩んでいるかもしれないが、今日は探索ではなくちょっとしたお使いだ。

偶にはいいだろう。


「なんでだよっ!」


「ちゃんと許可証はあるだろうが!」


中に入り少し進んだところにある受付。

そこを通ったらダンジョン入り口のある地下への階段がある。

更に地下にも受付があり、そこではむくつけき冒険者たちが偶に窓口の人間と揉めていることがあるが、それだって解体の手順や、優先順位といった場合で割とすぐ双方落ち着く。

ここは依頼だったり、申請だったり事務的な場で揉めるような場所ではない。

通うようになって1月程度だが、今まで一度もそんな場面に出くわしたことはなかった。


栄えある一回目が今日のようだ。


顔見知りになった冒険者達に挨拶をしつつ受付へ近づいていくと、10人位の子供の姿が見えた。

装備なんかはきっちりした物を着けているが、多分12~3歳くらいだ。

探索の資格は基本的に14歳からだから、ギリ足りなそう。

それで揉めてるのかな?


「ダメなもんはダメだつってんだろうが!ぶっ殺すぞクソガキども‼」


しばらく食い下がっていたが、いよいよブチ切れたのか窓口のギルド員が怒鳴り声をあげている。

確かあのおっさんここの受付の部門長かなんかで所謂幹部。

偉い人だ。

それを相手にここまで粘っているのはなかなかガッツがあるが…。


「おらっいい加減どけ!他の邪魔だろうがっ‼」


と、俺の方に目をやりながら追っ払おうとする。

それに釣られ彼らもこっちを見てくるが…。


「なんだよっ!俺達よりも年下じゃないか!何で俺達がダメなんだっ‼」


更にヒートアップ。


「うっせぇんだよ!そいつは貴族の使いだ!絡むんじゃねぇよ!おい中に入れ。そっちで話すぞ!」


「…は~い」


ダシにされた感じはするが、ここで話をする気にもならないし従おう。

そう決め、睨んでくる彼らを無視し中に入っていく。


受付の脇のドアから入り両側に扉が並ぶ廊下を10メートル程だろうか?まっすぐ進み一番奥の部屋に入る。

商談とかで使うのは知っているが、入るのは初めてだ。

中は普通の来客用の部屋って感じで、ちょっと銀行の商談室を思い出す。

部屋の中に入ると先に入ったおっさんがドサッとソファーに座り込む。


「ふう…いい加減しつこくってな、悪かった」


「いいよ。それに今日はダンジョンじゃなくてお使いだし」


そう言い手紙と書類を渡す。


「あ?なんだ本当にそうだったのか。どれ貸しなっ」


内容は簡単にだが聞いている。

魔物の皮と遺物で出てくる角や爪で、どちらも上層で採れるらしい。

量が必要って事で、俺やアレクではなく、ギルドに依頼することにしたそうだ。


「は~ん…こいつは装備でも新調するのか?結構な数になりそうだが…」


「ん~?詳しくは知らないけど「ラギュオラの牙」がウチに来るから、それで開拓村とかの編成を少し変えるとかは聞いたよ?」


本当はセリアーナの新領地へ組み込むためだが、これはまだオフレコだ。

適当にそれっぽい事を言い誤魔化す。


「ああ…アイツら持って行かれるからな…」


そう力なく呟き背もたれにもたれかかる。


「何?お疲れ?」


普段挨拶程度で話すことはないけど、何かあったんだろうか?

ダンジョンで何か起こったとかは聞いていないけれど…?

セラ・【隠れ家】【祈り】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】・8枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・13枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・1枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 3話 水を貯めて減り方で確認したが、大体外と同じ経過の仕方だった。 →時間の経過の確認をしたところなどと書かないと伝わりにくいかも。最初何を言っているのかわからなかった 24話 セリアーナ…
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