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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 とりあえず【浮き玉】の簡単な検証が終わった。

 まだまだ詳しい検証は必要だが、それは屋内で出来る事でも無いし、後日外やダンジョンで、だな。


 残り4回。

 今のところ【琥珀の盾】と【強化】の2つだし、もう少し当たりが欲しい!


「ふっ……!」


【祈り】と【ミラの祝福】を発動する。

 これが効果があるかはわからないが、さっきは【強化】を引いたし、結果が出ているうちは続けよう。

 聖貨の捧げ方も同じく、引き続き跪き両手で捧げる正規のスタイルでだ。


 ……どうでもいいけどこの同時に発動するスタイルカッコいいな。

 薄っすら光るし、ちょっとだけど俺も強化されるし。


「なに?」


 振り返り皆の方を見ると、【小玉】に乗ったままのセリアーナが、どうかしたのかと聞いて来た。


「や、なんでもない」


 このスーパーな感じ……残念ながら彼女達には伝わらないか。


「ふん!」


 気を取り直して、ガチャに挑むと頭の中に鳴り響くドラムロール。


 ドゥロロロロロ…………。


 そのまま1分ほどその音を聞き続けたが、今までのと音に違いがあるのかはわからんね。


「ほっ!」


 さぁ、先程の【強化】に続いて、良いの出ろ!


 気合いを込めてストップさせ、頭に文字が浮かぶのを待つが、1秒も無いだろうに……この瞬間はいつも長く感じる。

 そして、浮かんだ文字は……【魔晶】。


「…………」


 落下する前にキャッチして、机の上に置く。

 魔鋼の様に重くないからいいな……。


 これもう【祈り】とか気合とか関係無いんじゃないかな?

 ついでにストップするまでの溜めとかも……。


「魔晶……。そろそろ今日出た分だけで装備一式が制作できそうね」


 確かに……。

 戦士系も魔導士系もカバー出来てしまいそうだ。


「装備は今十分あるし俺は使わないからね。欲しいならあげるよ……素材全部」


「そのうち使うかもしれないでしょう? 奥の物置部屋にでも置いておきなさい」


「むぅ……。まぁ、いいか。次行くよ!」


 残り3つとなった聖貨の束を1つ掴み、再び聖像に向き合った。

 今回はもう【祈り】も【ミラの祝福】も無しだ。


「ほっ!」


 まずは聖貨を捧げ……。


「ふっ!」


 ドラムロールが鳴るや否や、即ストップ!

 浮かんだ文字は……【琥珀の剣】。


「ん……うーん……」


 とりあえず、宙に現れた指輪をキャッチした。

 華奢なデザインの指輪……今俺の左手の指にはまっているのと同じだ。

 デザインは結構気に入ってるんだが……如何せん使いどころがなぁ……。


「当たりね。何だったの?」


「【琥珀の剣】。コレと一緒だね」


 セリアーナに左手にはまっている指輪を見せる。

 それを見て少し面白く無さそうな顔をするセリアーナ。


 当たりは当たりだけれどダブりだからなぁ……。

 多分俺も同じ様な顔をしている事だろう。


「まあ、悪いものでは無いわね……。ただ、お前だと使い道がね……」


「そうなんだよねぇ……。セリア様か、テレサかエレナが使う?」


 これは、カッコいいけれどマジで使わないからな。

 まぁ、使わなければいけないような事態が来ないならそれが一番なんだけれど……まだ3人が持っていた方がいいかもしれない。


「私は必要無いわ」


 まずはセリアーナが辞退した。

 彼女の場合はあの加護もあるし、俺以上に使う機会はないかもしれないもんな。

 じゃ、2人のどっちかか。


「エレナが持つと良いでしょう。奥様に同行して夜会等に出席する機会も多いでしょうし、【琥珀の剣】なら有名ですから、護身用として持ち込みも許可されるはずですよ」


 なるほど……【琥珀の剣】はダメージは与えられても命を取るほどじゃ無いし、鎧を着ているようなのが相手じゃあまり効果は無い。

 あまり貴族の屋敷の中に入るのに武装をするのはちょっと歓迎されない。

 だが、効果が知られていて、それが襲撃用じゃなくて護身、護衛用ならば持ち込んでも問題にはならないだろう。


 エレナ向きだ。


「わかりました。では私が……セラ、いいかな?」


「うん。じゃ、セリア様持っといて」


 後で開放することになるし、セリアーナに渡しておく。


「仕方が無いわね……。後でお前にも下賜するわ」


「ほいほい」


 今の分は俺的には外れだが、使い道はあるし、まぁOKだろう。


 さて……気を取り直して、残り2回。

 当たり分だと確かにカッコいいものが当たってはいるが、何というか俺がしっかり使いこなせるような物は引けていない。

 ……そろそろ来て良いんだぜ?


「ふんっ! ほっ!」


 サクッとガチャを回して止めて……。


「……あ」


「……加護かしら?」


「みたいね」


 俺の呟きを聞いたセリアーナとフィオーラの声がする。

 彼女達の言う通り、加護だ。

 それもちょっとカッコ良さげ!


「【風の衣】だって」


 ルバンの仲間で、確か正妻のキーラ。

 彼女の持っていたヒンヤリする加護が【霧の衣】と言うらしいが、アレと同じ系統かも!


 コッチは名前的に風で守るのかな?


「あら、おめでとう。防御用の加護ね」


 とフィオーラ。

 これの事を知っているのかな?


「知ってるの?」


「ええ。王都の魔導士で持っている者がいたわ。自分の周囲を風で守り、矢や瓦礫を防げるの。直接的な防御力では【琥珀の盾】の方が上かも知れないけれど、それなら発動し続けられるし、貴方向きのはずよ」


「ぉぉぉ!」


 読み通りか!


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】・11枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
[一言] そういや琥珀の剣強化にならんかったんやな
[良い点] 唯一の弱点である紙装甲がある程度解決されてよかった!その上、浮き玉使用時の防風・追風に使えるようだったら巡航速度上がりそうw 王都-リアーナ領シャトルラン待った無し!! [一言] 元々の3…
[良い点] これでまた魔物と間違えられて誤射されても安心ですね!! [一言] 【琥珀の剣】二刀流もちょっと見てみたいかも。
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