表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

445/2096

442

 セリアーナはヒョイと【浮き玉】を持ち上げると、そのまま後ろに回してそれに座った。

 そして、フワフワと浮き上がり部屋の中をクルっと一周し、俺の前に降りてきた。


「私が扱う分には違いは無いわね。いつも通りよ」


 いきなり何してんだ……そう思ったが、まずはセリアーナが【浮き玉】の強化具合を試したのか。

 ロケットみたいにいきなり吹っ飛んでしまったらどうするつもりだったんだろう?

 ガチャを見てるだけってのが飽きたのかな?


「危ないことしないでね……?」


「お前より私の方が動けるでしょう?」


 一応釘を刺しておこうと、注意するがどこ吹く風だ。

 むしろカウンターまで入れてきおった。


 まぁ……確かに彼女の方が俺より運動能力は上だろうが……。


「…………」


 エレナの方を見ると苦笑を浮かべている。

 その表情から察するに、セリアーナは一見俺を気遣う様な事を言っているが、やっぱ退屈してたのかもしれないな。


「どうしたの? さっさとやりなさい」


 まぁいいか。


 渡された【浮き玉】に座った。


「はーい。ほっ!」


 発動し浮き上がってみるが特に変わった様な事は無く、いつも通りの【浮き玉】だ。

 続いて、クルクルグルグルと横や縦に回転をしてみるが、わからない。


 やっぱり速度や機動力が変わったのかな……?


 そんな風に考えていると、セリアーナが何かを発見したようで、声を上げた。


「あら? セラ、その腕は……?」


「腕?」


 右は何も無し……左は……。


「あ……なんか模様があるね……」


 左の手首の裏側……時計を見るような仕草をすると丁度目に入る位置に、球体に蔦が絡まっているような模様が現れている。


「こんなの今まで無かったよね?」


 無かったはずだが、念の為目の前にいるセリアーナに見せる。


「無かったわね……。そうよね?」


 セリアーナは手首をつかみ、模様を指先で撫でたりしていたが変わりは無い様で、彼女も他の皆に聞いている。


「はい。【蛇の尾】の待機時に腰に蛇の模様が浮くことはありますが、それ以外はありませんでした」


「そうですね……。今までありませんでした」


 セリアーナの問いに、テレサとエレナが答える。


「私が使った時はそんな模様は現れなかったわ。所有者だけなのかしら……?」


 話している3人をよそに、フィオーラは先程からそれには参加せずに俺の手首の模様を見ていたが、何かに気付いたようだ。


「これは【浮き玉】と繋がっているわね。貴方の【蛇の尾】と同じ様な物かしら? セラ、一度【浮き玉】から降りてみなさい」


「ほむ……」


 フィオーラの指示に従い【浮き玉】から降りてみた。

 すると、今まであった左手首の模様が、フッと消えていった。


「もう一度乗って、今度はその模様も恩恵品だと思って、さらに発動するの」


「ぬ?」


 言われた通りにすると、バレーボールほどのサイズの球体が膝の上に現れた。


「ぉぉぉ……」


 色は灰色……か?

 ちょっと色は薄くサイズも小さくなったものの、触った感触などは【浮き玉】と一緒だ。


……重さはわからんな。


「それも【浮き玉】なのかしら……?」


 セリアーナは興味深げに、俺が抱える球体を見ている。

 エレナとテレサも一緒ではあるが、セリアーナは殊更気になるようだ。

 ……お気に入りなんだろうな。


「そのはずよ。ただ、繋がっているけれど本体よりは弱く感じるわね……。誰か試してみたらどう?」


「なら私が。セラ」


 フィオーラの言葉に、待ってましたとばかりにセリアーナが試験役を買って出た。

 小さい【浮き玉】……【小玉】とでも呼ぼうか?

 それに視線をやりながら、寄こせとばかりに手をこちらに出している。


 普段は割と慎重な人なんだけど……まぁ、危険な感じはしないし、多分大丈夫だろう。


「はい。気を付けてね」


「問題無いわ」


 そう言うと、セリアーナはお尻に回さず【小玉】を胸に抱え込むと。そのまま浮き上がった。

 ……とりあえずコレが浮く物だってのはわかった。


 胸に抱えているのは、座った時に浮かなかったらお尻から落ちてしまうから、それを警戒したのかな?

 今は浮いたまま【小玉】を後ろに回して座り込んでいる。


 いやはや手慣れたもんだ……。

 戦闘での使い方ならともかく、こういった小技はセリアーナの方が上だな。


 ◇


 ちょっと【小玉】を試してみたが、【浮き玉】を使用できる者なら使用できる様で、浮いたり移動したりとほぼ同じ事が出来るようだ。

 ただ、性能は少し下がっている様で、機動力はわからないが重い物を持ち上げたりは出来なくなっていた。

 セリアーナ、エレナ、テレサとそれぞれ筋力が違うが、3人とも俺を抱え上げる事は出来なかった。

 部屋の中でやれる事は限りがあるので不十分ではあるが、あくまで移動用って事か。


 そして、【小玉】を出す時は【浮き玉】を発動する必要があるが、意識すれば【浮き玉】を解除しても【小玉】は残っていた。

 もちろん俺が念じれば消す事も出来るが、その気になれば2人で宙を移動できるようになる。

 後はどれくらい離れて利用できるか……だな。


 なんか電話の親機と子機みたいな関係だ。

 まぁ、その考えは多分間違っていないと思うが……これは便利になるな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】+1【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】・41枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 小玉が浮き球の乗り手の意思でファンネルビットみたいに遠隔で動くようなものだったら使い勝手良さそうだけど、そうじゃないっぽいのかな 単純にもう一人飛べるようになっただけかな
[気になる点] >セリアーナはヒョイと【浮き玉】を持ち上げると、そのまま後ろに回してそれに座った。  所有者を無視して、勝手に使ってる!?  えっと?  下賜の儀……だったかな? を一回でもやっ…
[気になる点] 「そのはずよ。ただ、繋がっているけれど本体よりは弱く感じるわね……。誰か試してみたらどう?」 セラの台詞?口調が……?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ