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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 今日も今日とて中層でソロ狩りだ。


 中層の調査も終わったし、ここまで降りてくるのは骨だからと、アレク達は最近は上層で狩りをしている。

 おかげで中層は俺の貸しきりだ。

 ホールや通路で狩りをしている者が増えて来たから、一々魔物を倒したりはせずに一気に中層まで来られるようになっている。

 中層まで10分そこらだろうか?

 速度はまだまだ出せるが、そうすると見た者を驚かせたり、俺が事故ったりするかもしれないからな……。


 きっとこれが最速タイム。


「んー…………そろそろかな?」


 今俺は、中層の北西の奥近くを漂っている。


 つい先程までは反対側で狩りをしていたが、この周辺の魔物は30分程前に一掃している。

 ちなみに中層の魔物のリポップ間隔は、大体30分強だ。

 つまりそろそろ魔物が湧く頃だが……。


「お! 湧き始めたな……」


 下を見ると、地面に染みのような物が浮かんだかと思うと、そこから魔物が姿を現した。

 うちのヘビ君たちとも違う現れ方だし……いつ見ても不思議だし変な現象だ。


「うーむ……ん?」


 宙で逆さまになりながら、魔物が湧く様子に感心していると、背中を引かれる感触があった。

 背後はアカメが担当しているが、そちら側も魔物が湧いたんだろう。


 なら、そろそろ狩りを再開するかな……。


 準備をするためにダンジョンの天井に【隠れ家】を発動し、中に入った。


「ぉぅ……」


 玄関から廊下にかけて、乱雑に積まれた遺物を見て、思わず声が漏れた。

 一個一個なら大したこと無いんだが……量があるからな。

 拾っては【隠れ家】に放り込んでってのを繰り返していたら、この有様だ。


「……台車とか作ってもらおうかな……。っと、それは後で今はこっちか」


 そう呟き、玄関に立てかけている傘を手に取った。

 玄関の汚さに思考が脱線してしまったが、【隠れ家】に入ったのはコレを持ち出す為だ。


「よっし! 行くぞ!」


 片付けは後で考える事にしよう。

 気合いを入れなおして、【隠れ家】から外に出た。


 ◇


「ぬふふ……」


 北西部の中央あたりでうろつく魔物の群れを見て、笑いが漏れる。


【隠れ家】から引っ張り出した傘を開き、その群れ目がけて……。


「ふらっしゅ!」


 傘越しにも感じる強い光。


 薄暗いダンジョンの中で、不意にこれを受けたらたまらないだろう。

 下でオーク達の群れが眩しさに喚いている。

 この強い光と魔物達の叫び声に釣られて、近くどころかこの中層の北西部一帯から魔物が集まって来ている。


 そして、俺を見つけた魔物達はこちらに向かってくるが、逃げる俺には追い付けない。

 もっとも、ギリギリ追いつけない程度の速度に抑えているため、上手く魔物達を引っ張る事が出来ている。


 所謂トレインだ。

 危なっかしくて通常なら出来ないが、階層全体が貸し切りの今だからこそだな。


 しかし……何度やっても凄い迫力だ。

 少しずつ増えていき、今では50体近くにまでなっている。

 だが、はじめはひと塊だったそれも、少しずつばらけて来ている。


「わははっ! ふらっしゅ!」


 その一団目がけて、魔法をさらにもう一発!


 直撃を受けた先頭グループは、やはり目を眩ませて足を止めている。

 相変わらず効果は抜群だな……。

 俺を追う雑多な魔物達は足の速さが違うからな……こうやって調整する必要がある。


 そのまましばらく引っ張り続け、お目当ての場所に辿り着いた。


 中層は鍾乳洞の様な足場の悪い巨大なホールで、あちらこちらの地面や天井から柱のような物が生えている。

 さらに起伏も激しく大岩もそこら中に転がっていて、【ダンレムの糸】をぶっ放しても、それらに邪魔をされて威力を発揮し辛い。

 階層の中心地は比較的マシだが、端に行けば行くほど荒れている。


 ボスザルと戦闘をした場所は、丁度この中層の中央部で比較的開けた場所になっているが、魔物も多いし流石にあそこで戦うのは無謀だ。

 ちょっと試してみたが、四方からすぐに魔物がやって来て、どうにもならなかった。

 アレク達は戦いやすいと言っていたが……あそこは1人で戦う俺には向いていない。

 逆に彼等が戦いづらいと言っていた、この荒れた端っこの方が周りを気にせずやれる分、俺向きといえる。


 そして、端でより効率の良い狩場を求めてうろついていた時に見つけたのがこの場所で、編み出したのがこの狩り方だ。


 逃げるのを止めて振り向くと、こちらに向かって走って来る魔物達はいい具合に一列になっている。

 ここからだと上手い具合に土柱や障害物が射線上に被らない。


 狙い通りだ!


「…………よし。ほっ!」


【ダンレムの糸】、さらに各種恩恵品を発動する。

 そして、ギュンギュン鳴っている弓を思い切り引き狙いをつけて……!


「はっ!」


 矢を放つ。


 少々使い勝手は悪いが、威力なら文句無しの【ダンレムの糸】だ。

 放たれたぶっとい光の矢は、射線上の魔物達を貫いていく。

 中層の魔物だろうとお構いなしだ。


 とは言え、流石にアレだけの魔物を貫くと消耗も激しい様で、200メートルも届いていない。


「……ぉぉぉ。最高記録かもしんない」


 ここ最近はこの狩り方ばかりやっているが、大抵10体前後の撃ち漏らしがあったが……今のはパーフェクトだ。

 いよいよ究めてしまったかもしれないな。


「うへへ……」


 握った手に生まれた感触共々、笑いが止まらないな……!


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・97枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・3枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚

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― 新着の感想 ―
聖貨の産出枚数ばかりに目が行きがちだけど、冒険者が集まることでの需要の増加とか、有事での対応力アップの方が効果として大きかったりするのだろうか。。
[一言] 50コンボだドン!
[一言] >冒険者が200人、外からくる冒険者が同数 400人だから年平均200枚...維持で100枚使うとなると... なかなか厳しい感じですねぇ.. どれくらい購入できるかにすべてがかかっている…
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