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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 中層のボスの報告と、もう1体をどうするかが議題の会議が終わった。

 いつもだとここでもう解散となって、そのままセリアーナの部屋に移動するのだが、今日は何故かそのまま残っている。

 アレクとジグハルト、そしてルバンも残っているが、話題はダンジョンの事ではなく、彼が治めている村の事だ。

 順調らしく何よりだが……そのために残っているわけではあるまい。


 先程の話し合いが始まる前……俺が昼寝している間に何かあったんだろうか……?

 最近セリアーナ達に染まってか、アレクやジグハルトも教えてくれなくなったしな……。


「待たせたね……セラ君はどうかしたのかい?」


 むくれていると、部屋を出て行ったリーゼルがオーギュストと共に戻ってきた。

 そして、俺の顔を見るなり不思議そうな顔をしている。


「気にしなくていいわ。いつもの事よ」


「……いつもの事では無いよ? なんで残ってるのかとか教えてくれないんだよ!」


 アンタの奥さんだぞとリーゼルに訴えるが、笑って流された。


 クソ……セリアーナの方が強いからなぁ。


「さ、くだらない事に時間を使っていないで、さっさと始めましょう」


「ぬぅ……」


 セリアーナは、ぷんすかしている俺を無視して話を進めるようだ。

 だから何を始めるんだよ……と言いたいが、ここは俺が折れよう。


 ◇


 お茶を新しく淹れなおし、話が始まった。


 議題は先程話した事と同じだが、言葉のチョイスに遠慮が無いし、【物置】としてだけれど【隠れ家】の事も含めて話している。

 もう一体のボスも俺達が戦う事になるが、今すぐという訳じゃない。

 参戦することになるルバンも一旦自分の村に戻るし、彼がまだ屋敷にいる間に方針を決めておきたいのだろう。

 ある意味こっちの話し合いの方が本番ともいえる。


「……やはり人を増やすのは厳しいかい?」


 先程は理解を示したリーゼルだが、もう一度ボス戦に兵を連れて行けないかを聞いて来た。

 まぁなー……領地単位で見たらそこまで大した数じゃなくても、個人で見たら聖貨1枚は大きい。


 俺だって未だに1枚ゲットしたら嬉しいし、腕の立つ者ともなれば得られる機会も少ないしな。


「ええ。無理でしょう」


 だが、オーギュストはきっぱりと否定する。

 次いで、ジグハルトが口を開いた。

 さっきは言葉遣いに気を付けていたが、今はいつも通りの砕けた感じで、話しやすそうだ。


「だな……。中層までは何とか隊列を維持して犠牲なく抜けられるかもしれないが、そこから先は他所のダンジョンの様に中層より魔物の質も量も増えるとなると……まあ、死人は出るな」


「そうか……」


「ああ。死体を運びながら調査が不十分な階層で未知の魔王種との戦闘……やりたくねぇな」


 そう言いジグハルトはお手上げといったように、両手を上げている。


「そこでさらに犠牲が増えるかもしれませんし、混乱で遺体を回収し損なう可能性もあります。仮に100人連れて行き、全員が無事に帰還できたとしても我々を含めて107枚です……」


「死者が出て一人分回収し損なえば、11年で足が出るか……おまけに魔人の出現付き。確かに割に合わないね」


 リーゼルの言葉に、皆は同意しているが……なかなかシビアな数え方するんだな。


「はい。それに精鋭100も街から離すわけにはいきません。只でさえ、今のダンジョンの調査で人手を割き、負担をかけていますから……。アレクシオ、冒険者達はどうだ?」


「これ以上動かせないな。外での狩りをする人数は足りているが、領都の冒険者の顔役のような者達が姿を見せないのはまずいだろう?」


「そうだな……。そういう事です」


 オーギュストはアレクの言葉に頷くと、リーゼルに向けてそう言った。


「わかったよ……残念だが、僕の兵を動かすのは諦めよう。そうなると、君達頼りになるか……やれるかい?」


 言葉とは裏腹に、リーゼルはあまり残念そうな様子ではない。

 今の話はあくまで確認程度のつもりだったんだろう。


「……まあ……問題無いだろう。ただ、相手次第じゃ今回の様に遺骸を回収するのは無理かもしれないな。時期も当然だがすぐには無理だ」


 何となくジグハルトに視線が集まり、それを受けて彼が答えた。

 まぁ、彼がウチの最強メンバーだしな。

 言っている事も、妥当かな?


 ボスザル君は足を切り落としてからじわじわと倒す事が出来たけれど、もっと走り回ったり暴れる様なのが相手じゃ、あの倒し方は無理だったと思う。

 サイモドキみたいなのが出てきたら、体型的にも頭を貫くしかないからな……。


 時期も中層の探索から始めてからだし、次にルバンが都合の良い時じゃないと駄目だ。

 ずっとこっちに滞在してもらうわけにもいかないし、直通ルートが出来たからといって、頻繁にこっちに来てもらうわけにもいかないしな……。

 その事はリーゼルもわかっている様で、頷いた。


「ああ、それでいい。あくまで犠牲無しに倒す事を優先してくれ。時期に関しても焦る必要はない」


 そのまま話は夕食を挟み、夜遅くまで続いた。

 俺は途中で退席したが、今は春の3月だ。

 聖貨の輸送部隊が到着するのが秋頃だし、その前には片付けたいだろうから……やるとしたら夏頃かな?


 まだまだ先の事だし、それまでには目標の100枚に到達したいな!

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・64枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・4枚

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― 新着の感想 ―
[一言] むくれてるところが可愛らしいんだろうな~
[気になる点] 100枚一発消費で11連ガチャになったりするのかしら?
[一言] 可愛がってる妹分がむくれてても可愛いだけだよね
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