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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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 中層のボス討伐決行当日。


 メンバーは俺、アレク、ジグハルト、フィオーラ、テレサ、ルバン、オーギュストだ。

 リアーナの少数精鋭でサイモドキを倒した時にオーギュストがプラスされた形だな。


 で、流石は精鋭。

 中層の手前までは1時間もかからず到達した。


 この1時間弱ってタイムもフィオーラの足に合わせた結果だ。

 二つ名持ちは伊達じゃなく、彼女は研究者肌の人間だが、実戦も十分やれる。

 だが、どちらかといえば防衛戦向きで、戦場やダンジョンを走り回るのは得意では無い模様。

 このメンツの中では彼女は少し遅れ気味で、全体のペースも彼女が基準になっていた。


 それでも速い速い……。


 浅瀬は騎士団や冒険者たちが狩りをしているから、フリーパスに近かったが、上層もあっさりだ。

 通路こそ俺が先制で弓を使っていたが……ホールの魔物達は問答無用でアレク達が襲い掛かり倒していた。


 陣形も何もお構いなし。

 ただただ地力の差を見せつけていた。

【祈り】はかけていたけれど……当たり前のように、1人1人が2体3体を相手取って完封している。

 魔物を倒す事よりも、死体の処理の方が時間をくっているくらいだ。


 途中からオーガを始めとした、俺の中では強力な魔物も姿を見せていたのに……。

 強ぇぇ…………!


「装備はそのままでいい? 交換するなら今のうちに取って来るけど?」


 中層への通路手前で、アレク達は奥の様子を覗っているが、このままで良いんだろうか?


 彼等は速度優先という事で、携帯性に優れ尚且つ扱いやすい武器……って事で、皆剣を持っている。

 ただ、ここから先は何が出て来るかもわからないし、初見の魔物が相手なら槍とかの方がいいと思うんだが……。


「俺は棍棒に替えるか。……お前じゃ持てないな。入れてくれ」


「はいよ。他はいいかな?」


 アレクは持ち替えるようだが、残りのメンバーは変更は無いようで、皆俺の問いかけに首を振っている。


「んじゃ、アレク」


「おう」


 アレクを誘い【隠れ家】に入る事にした。


 結局アレクだけか……。

 やっぱり昨日、アレもコレも用意したがるアレク達を止めておいたのは正解だったな!


 ◇


 いよいよ踏み込んだダンジョン中層。


 通路や壁で隔てられず、一つの広大な空間で、構造は浅瀬に近いが……広さは段違いだ。

 そして、「森」では無くて「鍾乳洞」に近いだろうか?


 地面から天井まで繋がる、太さがバラバラの土柱があちらこちらに乱立して、死角を作っている。

 地面は平らではなくて高低差があり、とてもじゃ無いが歩きやすいとは言えない。

 ホール全体が薄っすらと光ってはいるが、光量が足りず全体的に薄暗い。

 不意打ちをされたら、ちょっと厄介な地形だ。


「…………魔物はいるね?」


 魔物の姿は肉眼ではわからないが、【妖精の瞳】やアカメ達の目を通すと、ハッキリとわかる。

 天井付近まで高度を上げて、広く視界を取ればまた変わるかもしれないが……万が一に備えて、高度は皆に合わせている。


「ああ。俺達を観察しているな……。手を出してこないのは浅瀬の魔物と一緒だが……ずいぶん違うな」


 俺の呟きを、先頭を歩くアレクが拾い答える。

 流石は精鋭だけあって、姿が見えなくても皆は魔物に気付いているようで、しっかり警戒をしている。


「セラ、妙な動きをするモノはいるか?」


「いや……今のところはこっちを見ているだけだね……。強さは魔境の魔物と同じくらいかな? 結構強いよ」


 魔物の群れは、上層と同じく妖魔種、魔獣種が混ざっている。

 そして、強さは魔境産クラス。

 強い魔物はそれだけ知恵もあり、油断はできない。

 ……もっとも彼等はみじんもしていないが。


「そうか……。引き続き警戒を頼む」


「うん」


 とりあえず、こちらから手を出す事はせず、ボスの捜索を優先するようだ。

 まぁ、強い事は強いがこのメンツならさして苦労せず倒せる程度の強さだ。

 こちらから追いかけていくよりも、向こうから手を出させる方がいいんだろう。


 ……俺は落ち着かないけどな!


 ◇


 中層に踏み込み、魔物達の視線を感じながら歩き続ける事数十分。

 相変わらず手を出してこない魔物達、代わり映えの無いダンジョンの風景に少々気疲れしてきたその時だ。


「っ!?」


「わっ!? 何……ぬぁっ!?」


 アレクが急に横に飛び出したと思ったら、俺はテレサとルバンに袖を引かれ、後ろに回された。


 何事か!?


 と声に出そうとした瞬間に、アレクの盾に何か固い物がぶつかるような音がした。

 相当な勢いと重量がありそうな音だ。

 さらに、バラバラバラとなにかが降り注ぐような音が続いた。



「なっ……何!?」


 何かが飛んできて、それをアレクが防いだのはわかった。

 攻撃を受けたんだろう。

 だが、何からだ?

 投擲という手段を取る魔物はオーガがいたが、アレにしてはちょっと威力があり過ぎる。


「あちらを」


 と、テレサがホールの右奥を指した。

 そちらを見ると……。


「ぬ……? ……ぉわ」


 いた。


 数十メートル離れた高所からこちらを見下ろす、人型……というよりはデカいサルか?

 先程の飛んできた何かはヤツが投げて来たのか……。


 気付きさえすれば、はっきりと力を感じるし一目でわかるのに、言われるまで気付けなかった。

 ……気配を隠していたのか?

 人間でも、魔力も含めて自分の力を遮断できるが……魔物がするのか?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・60枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新の17時を楽しみに毎日を過ごせる [気になる点] >アレクを誘い【隠れ家】に入る事にした。 隠れ家にアレクが入る展開が気になりました オーギュスト(リーゼル)には物置と伝えているた…
[一言] > アレクを誘い【隠れ家】に入る事にした。 隠れ家に男を誘い込むなんて、セラさんいけない子! この魔物……デキる!
[良い点] 更新乙い [一言] 岩を投げ終える直前の姿勢のままポップした説
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