表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

430/2096

427

 本館の調査を終えて、南館の調査に移ること4日。

 ようやく調査を終える事が出来た。

 本館より狭いのに、こっちの方が時間かかってしまった。


 ちなみに北館の方は2日で終わったらしい。

 こっちは……色々入り組んでいるからな……。

 やはり女性客が泊まることになるし、防犯にも気を使っているからか、あちらこちらに壁があって、行ったり来たりをしなければいけない。

 2階に入ってからは早かったが……いやはや手強かった。


 ともあれ無事、南館にも異常が無い事はわかった。

 よかったよかった。

 そして、調査の最中に、もし異常があった場合はどんな事が起こるのかと聞いてみた。


 この屋敷に関わらず、大きな施設の魔道具ってのは、大型の魔力供給システムに繋いでいて、そのシステムは各街の魔素に合わせて調整をしているそうだ。

 なんでも、効率の良さを求めていくと手間もお金もかかるが、それでも個別に調整するこの方法を採用している。

 民間レベルだとそこまで高効率は必要無いそうだが、やはり複数の魔道具を一括して管理するからかな?


 そのシステムは、メンテナンスこそ必要ではあるが、基本的に壊れることは無いらしい。

 もっとも、その地区全体の魔素が変容するような超常現象でも起きれば別だが……。


 で、そうなった時はどうなるかと言うと、魔力の供給が止まってしまい、そこに繋いだ各魔道具が止まってしまう。


 この屋敷なら、小さい物は部屋の照明。

 大きい物なら、屋敷の水道や空調と言った生活インフラ設備だ。

 それが止まると、高台の上にあるこの屋敷での生活は中々厳しいものになる。

 ましてや、地下の各施設なんて、魔道具ありきだからな。


 ……思ったより大事になっていたのかもしれなかった。


 まぁ、そんな事態なんてそうそう起きやしないそうだが、他所の国では火山の噴火や大きな地震などの天変地異が原因で、起きた記録が残っていて、その事が、魔導士協会や錬金術師の間で一応話が伝わっているんだとか。

 ダンジョンが出現してもう一月以上経ち、異常は出ていないから心配はいらないと思っていたが、それでもフィオーラ達はダンジョン出現を、天変地異のそれと同程度と考えて、警戒していたようだ。


 と、廊下を歩くフィオーラは、どこかガッカリした様子で答えた。


「……何も無くて良かったじゃない」


 この屋敷は徐々に増築を繰り返していっているから、その都度内側にも手を加えていっている。

 照明の交換などで俺もちょっと手伝った事はあるが、結構複雑な造りになっているんだよな。

 それを一から設置し直しとなると……時間をかけられないし、この大雨の中職人達を集めて突貫作業をする事になる。

 いつかやった方がいいとは思うが、それならそれでしっかりと計画してからやるべきだ。


 屋敷のシステムはフィオーラが責任者みたいなものだし、その事はわかっているはず。

 何をガッカリしているんだろう?


「それはそうだけれど……結局アレが何かわからないままなのよね……」


 力なく零すフィオーラ。

 アレってのは、あの謎の結界の事か。


「……これからじっくり調べていけばいいんじゃない? 旦那様もセリア様もきっと色々便宜計ってくれるでしょ?」


「ま、それもそうね。街の結界が完成したら、そちらに注力するのも悪く無いわね」


 気を取り直した様で、先程までのガッカリした様子はもう見られない。


 フィオーラは、セリアーナ相手だろうと遠慮なく意見をしたり、結構頼れる人なんだが……こういう研究絡みになると駄目な所があるな。

 ジグハルトはアレで意外と常識人だが……彼にしっかりしてもらわないといかんのかも。


 ◇


 屋敷の調査を終えて数日。

 雨季も半ばを過ぎた頃に、ルバンが屋敷に到着した。


 そして、彼が到着した事で、中層のボス退治のメンバーが揃った。

 流石に到着当日に……という訳にはいかず、翌日になるが、一気に攻略に挑む事になる、


「これも持って行った方がいいか……?」


「そうですね……。念の為入れておきましょう」


 そして今は、屋敷と騎士団本部を繋ぐ通路に作られている部屋の一つで、アレクとジグハルトが持って行く道具の選定をしている。

 ポーション類は既に俺が冷蔵庫に突っ込んでいるが、武器なんかは重たいからな……彼等に任せているんだが……。


「ねぇ、そのままじゃアレもコレもってなって、結局全部持って行くことになるんじゃない? そりゃ入る事は入るけどさ、あんま沢山持って行ってもいざって時に困らない?」


 ちょっと釘を刺しておかないとな。

 たとえ何が相手だろうと対処できるように、備えをする事は大事だが、それにしても限度がある。


「む? ……それもそうだな」


「ああ……」


 2人とも少々気まずそうな顔をしている。

 この2人は、その気になればどうとでも出来る腕があるだけに、逆に制限が無いと何でもかんでも……となってしまう。

 テレサも連れて来るべきだったかな?

 だが、彼女は今、ルバンを交えてお貴族様の食事をしている。

 晩餐会……とまでは行かないが、それなりに街の有力者が集まっているし、彼女が出席するのも仕事のうちだ。


 仕方が無い。

 ここは俺が、頼りないおっさん共を見張っておくか。



セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・60枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・1枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 素晴らしい更新です [一言] 強敵前に6連ガチャですよね
[一言] セラも成長してるなぁ
[良い点] 更新乙い [一言] 頼りにならないおっさん達、あれもこれも必要かもしれないってやってるのを見ると、部屋の掃除とか苦手そうだあ 捨てられなくて物が溜まっていく系
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ