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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
14章・リアーナダンジョン

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「わははははっ!」


俺の笑い声が、周囲の破壊音に負けずに響いている。

【ダンレムの糸】をぶっ放した後のこの光景……最高だ!


その一発が落ち着いたところで、後ろを振り向くと木はなぎ倒され地面は抉られ……と、大破壊の跡が刻まれている。

自分でやったことながら、この見事な環境破壊の様相に少々胸が痛くなる。


「む!?」


が、その大破壊から免れた場所から魔物が姿を見せた事に気付き、すかさず攻撃を開始した。



ダンジョンの初探索兼調査を終えてから、その後さらに数日調査に費やした。

魔物の強さや遺物の種類、ダンジョンの破壊からの復元速度……等々だ。

それらの調査結果をまとめて、リーゼル達に報告したそうだ。

そして、冒険者ギルドの幹部も交えて旧ラギュオラの牙達、戦士団へも徐々に開放していく事になる。


そうなって来ると、この派手な戦闘は難しい。

入口から右手は俺が【ダンレムの糸】を10分に一度ぶっ放し、正面はジグハルトがガンガンと……。

左手は、アレク達3人が殲滅を。


このハイペースな狩りは、中々楽しい。

第二陣が入ってきたら、俺達は上層に移ることになる。

上層も少しだけだが探索をしたが、この浅瀬の様に大規模なホールじゃなくて、ゼルキスの中層の様に小規模なホールがアリの巣状になった構成だった。

あそこも稼げはするだろうが、ここまでド派手な事は出来ないだろう。


「よいしょー!」


使用可能になった【ダンレムの糸】を再び発動し、一射で一番多くの魔物を倒せるライン目がけて発射した。

魔力が僅かにだが籠っていた木によって、【妖精の瞳】やヘビ達の目でも捉えにくく、討ち漏らしていた魔物達も、これだけ木をなぎ倒していけばはっきり見える。


「ふふふっ……」


今のは討ち漏らしゼロ。

パーフェクトだ!



「お前、今日はダンジョンは駄目よ」


浅瀬を独占できるうちにフィーバータイムを楽しもうと、今日も今日とて朝からダンジョンに向かおうとしたのだが、セリアーナからストップがかかった。


「……なんで?」


もう冒険者ギルド側が選抜した冒険者達が入って来るスケジュールも決定しているのに……。


「……お前ここ最近毎日ダンジョンに潜っているでしょう? それも朝から日暮れまで。テレサ達が付いているから大目に見ていたけれど……」


そう言うと、「ふぅ……」と溜息を吐いた。


「いや……でも、問題無いよ?」


食って寝て今日も元気だ。

何の問題も無い。

その事を腕を振ったりしてアピールしたが、取り付く島もない。


「駄目よ。そもそも2日に一度1時間。そう決めた時の事を忘れているの?」


「……むぅ」


覚えてはいるがもう4年前の事だ。

流石に一緒にされたら……。


「少しは成長したけれど、あの頃からあまり変わっていないのだから、今日、明日は休みなさい。命令よ」


「……はーい」


何かお預けの日数が増えてしまったが、もう決めている様だし、これは反論しても駄目だな……。


「セラ、アレクに聞いたけれど、これからしばらくはダンジョン内の環境を回復させるために、君やジグハルト殿がやっていた戦い方は控えるようになるんでしょう?」


「ああ……そういえば」


エレナの言葉に、ポンと手を打った。


新しく探索に来る連中は、当たり前だが元の状態を知らないからな。

後々事故を起こさない為にも、元の状態からスタートさせたいそうだ。

そろそろ控える様にとかは話していたが……今日からだったか。


「随分楽しんでいたそうだけれど、もう出来ないのだから、大人しく休みなさい。それと、今日は私の用に付き合ってもらうわよ」


何か色々言ってはいたけど、実はそれが本命か?



「……ねぇ」


ダンジョン探索を諦めて、セリアーナに付き合うことは別にいいんだが……。


「何? 動いたら駄目よ」


なんで俺はおめかしさせられた上に、絵なんて描かれているんだろう?

これが彼女の用なんだろうか?


今着ている服は王都で着ていたのと似た様な青いワンピースだが、ちょっと緩めだったアレとは違って、こっちはピッタリだ。

セリアーナの部屋にあった事から、彼女が注文させたんだろう。

髪の毛も普段のポニーテールじゃなくて、しっかり編み込んだり、何か飾りを着けたりと凝っている。

さらに、各種恩恵品を外されて靴も履いている。


「動かないけど、何でこんな本気で絵を描いてるの?」


目の前には俺を描く画家が、そしてその後ろでも何やらスケッチをしているお弟子さんらしき者たちがいる。


「お前は、自分の肖像画を持っていないでしょう? 一枚位用意しておいた方がいいわ」


「なるほど……」


写真なんてない世界だからな……。

証明写真代わりなのかな?

手配も全部やってくれてるし、それなら一枚くらい描いてもらうのも有りか。

あの画家も工房はこの街にあるみたいだし、顔を繋いでおくのも悪くない。 


「奥様……これでいかがでしょう」


「そうね……悪く無いわ。……ああ、ここを……」


その画家はスケッチの出来をセリアーナに見せて、そして、セリアーナはそれを見て、ダメだしってわけじゃ無いだろうが、修正を指示している。

エレナも一緒にだ。

肖像画を描かれるなんて初めてだけれど、やっぱり美化とかされるのかな?

テレサがここにいたら彼女に聞くが、今日はダンジョンに行っているからな……大人しく待つしかないのか。


しばらくすると話が終わったのか、2人がこちらにやって来て、そして、何故かセリアーナは俺の隣に座った。


「あの……セリア様?」


画家の指示に従って、セリアーナは座る位置を変えたりしているが……一緒に描かれるのかな?

セット絵?

その割にはセリアーナの恰好はいつも通りだ。


「お前は気にしなくていいわ。それよりもジッとしていなさい」


「あ、うん……。……?」


俺以外は誰も疑問に思っていないようだし、気にしなくていい事なのかな?

わ……わからん……!


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・24枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・0枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 24枚とか21枚も稼いでらぁ!
[良い点] ガチャが楽しみ 何だか自分もやってる気分になってくる [気になる点] やはり周囲と関わると何だかんだで主人公の行動に制限が付くのはなぁ... さっさとソロ活動すりゃいいのに そのためのも…
[良い点] セラさんの事を完全に家族として見てるよね……もっとデレてもいいぞ! [一言] 完成品を見たときのセラさんの反応が楽しみですね!
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