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活動報告に新しく投稿しています。
そちらもよろしければご覧ください!
ルバン村(仮)までの道作りの下準備は、あの後も何度か行い、向こう側から出発した部隊と合流した時点で完了となった。
道の細かい整備等は後回しにして、道幅の確保と、合流した付近を切り開いて拠点を作り、村との中継点にする予定らしい。
領都とルバン村(仮)は直線での距離なら30キロ程度だが、足場の悪い箇所を避けたりとアレコレ迂回しているから、さらに10キロ程プラスになる。
その距離を、魔境でないとは言え魔物や獣に気を配る必要があるのに、休憩無しでとなると、大分利用する者を選んでしまう。
そこまで強くない魔物は、人数が多いと近寄って来ない事もあるが、こちらは大人数にも拘らず作業中に何度か戦闘が起きた。
残念ながら、この森の魔物は積極的なタイプもいる様で、集中が途切れると最悪の事態も起こり得る。
あくまでその事態を避けるための休憩用の拠点で、積極的に発展させる予定はないらしい。
領都の近くに作った拠点と言えば東の拠点があるが、あそこは元から領都の外郭都市にする予定だったから、拠点を作ってから2年足らずで村にまで発展させたが、こっちは違うって事だろう。
中継拠点として利用する者が増えていき、もっと本格的に設備を整えていかないと、魔物の狩場にされてしまう……そうなってから考えるらしい。
片方の……それも端っこ程度とは言え、それでも関わった身としては発展してくれると嬉しいが、これ以上は俺が考える事じゃ無いし、他の誰かに頑張って貰おう。
俺としては、オオカミのコートの防寒具としての性能の高さを確認出来ただけで十分だ。
【浮き玉】の上で胡坐をかいていたら足先まで覆えるし、戦闘は経験できなかったが、寒い季節の移動には今後も欠かせなくなりそうだ。
◇
冬の3月の半ばにさしかかった頃。
セリアーナとテレサも一緒に、リーゼルの私室に呼ばれた。
春の1月に王都に向かう予定だったが、それに関して何か話があるらしい。
他の2人は予め聞いていたようだが……なんじゃろな?
「ご苦労様。貴方達はここで待っていなさい。さあ、行くわよ」
セリアーナは部屋の前に着くと、相も変わらずの大名行列の面々にこの場で待つよう指示を出した。
そして、ノックもせずさっさと中に消えていった。
「……オレ達も入ろっか」
「はい。どうぞ」
「うん。ありがと」
テレサがドアを開け、俺も部屋の中に入った。
セリアーナは既にソファーに座り、テーブルを挟んで向かいにはリーゼルが座っている。
何度かこの部屋に入った事はあるが……どこも変化は無いな。
「セラ、よそ見していないで早く座りなさい」
「はーい」
◇
「それでは、私達も失礼します」
リーゼルの執事であるカロスと侍女のロゼはお茶だけ用意すると、そう言って部屋を出て行った。
屋根裏で警備をしている者達も下がらせたし、これで部屋の中には、俺達とリーゼルにオーギュストの5人だけだ。
それだけ警備に自信があるんだろうけれど、夫婦そろって側に人を置きたがらない性分なのかな?
「さて……セラ君」
リーゼルは、しばしの間セリアーナと取り留めのない話をしていたが、それはあくまで前置きで、ここからが本題に入るようだ。
セリアーナの隣に座る俺に顔を向けた。
「セラ君、君は何か物を持ち運ぶ恩恵品か加護を持っているね? 恐らく加護だろうが……その事について聞きたいことがあるんだ」
表情こそいつもと変わらぬ笑顔だが、そこはかとなく緊張感が漂っている。
彼の後ろに控えているオーギュストも一緒だ。
「……ぉぅ」
今までも何となく気付いているような節はあったが、俺はセリアーナの直属という事もあって、このことについて問い質されることは無かった。
しかし、どうしよう……。
別にリーゼル達の事を信用していないなんてことは無いし、言ってもいい様な気もするが……。
「セラ、【物置】の事ならおじい様も知っているし、話しても構わないわよ」
【隠れ家】じゃなくて【物置】ね……あの時は何か適当に言ったからな……、どんな設定にしたっけ?
攫われた時に逃げるのに役立ったって説明したけれど……。
思い出そうと髪の毛をクルクル弄っていると、リーゼルは俺の返事を待たずにさらに言葉を続けてきた。
「詳細は語らなくていいよ。そうだね……このテーブルくらいの大きさの荷物を、王都から持ち運ぶ事は出来るかい?」
示されたテーブルは、高さが50センチ程でシングルベッドくらいのサイズだ。
これなら【物置】でも余裕だったはず。
「うん。これくらいなら問題無く入るけれど……何を運んで来るの? 一応言っておくけど、生物は無理だよ?」
リーゼルはそれを聞き、小さく笑ったかと思うとすぐに真面目な顔に戻った。
「大丈夫……生物じゃ無いよ。だが、運べるか……。セリア、やはりセラ君に頼もうと思うよ。君はどうだい?」
「問題無いわ。勝手に使ったりもしないし、テレサもいるから道中の安全も確保できるでしょうしね。いいわね? テレサ」
「はい。お任せください」
なにやらセリアーナから命じられ、受諾するテレサ。
「セラ、お前もいいわね?」
「……よくわからんけど……わかった」
こういう言い方をする時のセリアーナは、聞いても答えてくれないからな。
たまに変な事もあるが、不可能な事を頼まれた事は無いし……とりあえず俺も了承しておこう。
そういや、子供が生まれたし、出産祝いで足の早いものでもあるのかな?
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・0枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚
エレナ・【】・【緑の牙】・0枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・0枚




