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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
13章・誕生!子供やダンジョン

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活動報告に新しく投稿しています。

そちらもよろしければご覧ください!

ルバン村(仮)までの道作りの下準備は、あの後も何度か行い、向こう側から出発した部隊と合流した時点で完了となった。


道の細かい整備等は後回しにして、道幅の確保と、合流した付近を切り開いて拠点を作り、村との中継点にする予定らしい。


領都とルバン村(仮)は直線での距離なら30キロ程度だが、足場の悪い箇所を避けたりとアレコレ迂回しているから、さらに10キロ程プラスになる。

その距離を、魔境でないとは言え魔物や獣に気を配る必要があるのに、休憩無しでとなると、大分利用する者を選んでしまう。


そこまで強くない魔物は、人数が多いと近寄って来ない事もあるが、こちらは大人数にも拘らず作業中に何度か戦闘が起きた。

残念ながら、この森の魔物は積極的なタイプもいる様で、集中が途切れると最悪の事態も起こり得る。


あくまでその事態を避けるための休憩用の拠点で、積極的に発展させる予定はないらしい。


領都の近くに作った拠点と言えば東の拠点があるが、あそこは元から領都の外郭都市にする予定だったから、拠点を作ってから2年足らずで村にまで発展させたが、こっちは違うって事だろう。

中継拠点として利用する者が増えていき、もっと本格的に設備を整えていかないと、魔物の狩場にされてしまう……そうなってから考えるらしい。


片方の……それも端っこ程度とは言え、それでも関わった身としては発展してくれると嬉しいが、これ以上は俺が考える事じゃ無いし、他の誰かに頑張って貰おう。

俺としては、オオカミのコートの防寒具としての性能の高さを確認出来ただけで十分だ。

【浮き玉】の上で胡坐をかいていたら足先まで覆えるし、戦闘は経験できなかったが、寒い季節の移動には今後も欠かせなくなりそうだ。



冬の3月の半ばにさしかかった頃。

セリアーナとテレサも一緒に、リーゼルの私室に呼ばれた。


春の1月に王都に向かう予定だったが、それに関して何か話があるらしい。

他の2人は予め聞いていたようだが……なんじゃろな?


「ご苦労様。貴方達はここで待っていなさい。さあ、行くわよ」


セリアーナは部屋の前に着くと、相も変わらずの大名行列の面々にこの場で待つよう指示を出した。

そして、ノックもせずさっさと中に消えていった。


「……オレ達も入ろっか」


「はい。どうぞ」


「うん。ありがと」


テレサがドアを開け、俺も部屋の中に入った。


セリアーナは既にソファーに座り、テーブルを挟んで向かいにはリーゼルが座っている。

何度かこの部屋に入った事はあるが……どこも変化は無いな。


「セラ、よそ見していないで早く座りなさい」


「はーい」



「それでは、私達も失礼します」


リーゼルの執事であるカロスと侍女のロゼはお茶だけ用意すると、そう言って部屋を出て行った。

屋根裏で警備をしている者達も下がらせたし、これで部屋の中には、俺達とリーゼルにオーギュストの5人だけだ。

それだけ警備に自信があるんだろうけれど、夫婦そろって側に人を置きたがらない性分なのかな?


「さて……セラ君」


リーゼルは、しばしの間セリアーナと取り留めのない話をしていたが、それはあくまで前置きで、ここからが本題に入るようだ。

セリアーナの隣に座る俺に顔を向けた。


「セラ君、君は何か物を持ち運ぶ恩恵品か加護を持っているね? 恐らく加護だろうが……その事について聞きたいことがあるんだ」


表情こそいつもと変わらぬ笑顔だが、そこはかとなく緊張感が漂っている。

彼の後ろに控えているオーギュストも一緒だ。


「……ぉぅ」


今までも何となく気付いているような節はあったが、俺はセリアーナの直属という事もあって、このことについて問い質されることは無かった。

しかし、どうしよう……。

別にリーゼル達の事を信用していないなんてことは無いし、言ってもいい様な気もするが……。


「セラ、【物置】の事ならおじい様も知っているし、話しても構わないわよ」


【隠れ家】じゃなくて【物置】ね……あの時は何か適当に言ったからな……、どんな設定にしたっけ?

攫われた時に逃げるのに役立ったって説明したけれど……。


思い出そうと髪の毛をクルクル弄っていると、リーゼルは俺の返事を待たずにさらに言葉を続けてきた。


「詳細は語らなくていいよ。そうだね……このテーブルくらいの大きさの荷物を、王都から持ち運ぶ事は出来るかい?」


示されたテーブルは、高さが50センチ程でシングルベッドくらいのサイズだ。

これなら【物置】でも余裕だったはず。


「うん。これくらいなら問題無く入るけれど……何を運んで来るの? 一応言っておくけど、生物は無理だよ?」


リーゼルはそれを聞き、小さく笑ったかと思うとすぐに真面目な顔に戻った。


「大丈夫……生物じゃ無いよ。だが、運べるか……。セリア、やはりセラ君に頼もうと思うよ。君はどうだい?」


「問題無いわ。勝手に使ったりもしないし、テレサもいるから道中の安全も確保できるでしょうしね。いいわね? テレサ」


「はい。お任せください」


なにやらセリアーナから命じられ、受諾するテレサ。


「セラ、お前もいいわね?」


「……よくわからんけど……わかった」


こういう言い方をする時のセリアーナは、聞いても答えてくれないからな。

たまに変な事もあるが、不可能な事を頼まれた事は無いし……とりあえず俺も了承しておこう。


そういや、子供が生まれたし、出産祝いで足の早いものでもあるのかな?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】・0枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・28枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・0枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 運び屋のお仕事を受注しました 今回はソロじゃないからまあ
[良い点] 更新乙い [一言] 冷蔵庫もあるからね
[良い点] 最後の一線だけは秘匿して、定番の生物は入らないって嘘を咄嗟に言えたこと。 [一言] 有意義なアイテムボックス(じゃないけど)の運用法ですね。 自分の倉庫としてしか活用できない主人公が多いこ…
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