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しばしセリアーナの部屋で施療を行っていたが、日が落ちてきた。
赤ん坊にとってはあまり時間は関係無いだろうが、夜になって眠ってしまう前にと、リーゼルの部屋に様子を見せに行く事になったのだが、セリアーナを先頭に、乳母はもちろん使用人に女性兵までも一緒にぞろぞろとついて来ていて、さながら大名行列の様だ。
俺はセリアーナのすぐ後ろにいるのだが、正直落ち着かない。
一方子供達は大人しく抱かれている。
まだ目がよく見えていないだけかもしれないが、この子達……将来大物になりそうだな。
乳母に抱かれている、セリアーナとリーゼルの子供。
長男はレオニスで長女はリオネス。
レオ君とリオちゃんだ。
髪はどちらも金髪で、瞳の色は青らしいが……俺が見た事あるのは寝ているか泣いている姿だけなので、瞳の色はまだ確認できていない。
まぁ、あの2人の子供だし、きっと美形になるだろう。
ルカ君も、アレクの様にデカくなるかはわからないが、こっちも多分シュッとした美形になりそうな気配があるし……。
ヤベェな……将来俺は上も下も美形で固められてしまう訳か。
俺も顔は悪く無いはずだが……浮いてしまう。
「何を唸っているの?」
「あら? 聞こえた?」
前を歩くセリアーナが、足を止めて振り向いた。
心の声が漏れていたかな?
「ええ。どうせくだらない事でしょうけれどね」
フッと笑うと、唸っていた内容について聞くことは無く、再び歩き始めた。
確かにくだらない事だし聞く必要は無いけれど、自分で聞いておきながら、何とも自由な……。
まぁ……機嫌が良い様で何よりだ。
◇
リーゼルの部屋に着くと、中には俺達だけが入った。
使用人や兵士達は廊下で待機だ。
セリアーナとリーゼルは子を抱きながら、話をしている。
内容は、聖貨をいつ使うかだ。
生まれた際の聖貨は8歳時のそれと同様当たりで、本人ならそれ1枚でガチャを引けるようだが、両親にとっても縁起物である為、貴族の場合は両親が使用する場合が多いそうだ。
セリアーナ達も、その例に倣って使用する事になっている。
2人はそういうゲン担ぎのような事はしないと思ったのだが、まぁ、新領地、新領主の初の子供で、さらに双子と色々重なっているからな……。
敷地の一角に建てられた礼拝所で行うそうだが、2人だけで、他の者は立ち入れないらしい。
どんなポーズでやるのかちょっと興味あったんだけど……残念だ。
ぼんやりと、そんな事を考えながら子供を抱く2人を眺めていると、リーゼルが何かを思い出したような顔をしてこちらを見た。
「ああ……そうだ、セラ君。明日の昼過ぎに、来客の予定があるんだが、君も同席すると良い」
「ほ?」
「ああ、やっと出来たの?」
何が?
「時期も丁度忙しいタイミングだったし、さらに色々重なってしまっていたからね……。だが、その分丁寧に仕事をしたと言っていたよ」
「そう……なら良いわ」
仕事……あっ!?
「オオカミの毛皮の事?」
フィオーラ達に加工を任せた骨と違って、毛皮は俺が預かっていた。
使い道も無いのに……。
それをセリアーナにお任せで渡していたのだが、当時のセリアーナは妊娠中で人に会う事が出来ず、さらにリーゼルを経由して職人に渡ったとは聞いていた。
それから何ヶ月も経っていて、すっかり忘れていた……。
そうかー……ついに出来たのかー……何が出来たんだろう?
「ああ。預かっていたのに待たせてしまって悪かったね。セリア、明日は君と子供達も一緒にどうだい? 制作した職人だけじゃなくて、商業ギルドの会長達も、出産祝いを持って一緒にやって来るそうだよ」
「子供達は良いけれど、私はどうしようかしら……まだ人前に出られる姿じゃないのよね」
髪を弄りながら出席を渋るセリアーナ。
ここに来るまでも、部屋で軽めの施療は行っていたが、彼女の中ではまだ完璧じゃ無いようだ。
ちょっと筋肉が落ちてるかな? ってくらいで、見た目の変化は俺にはわからないが……まぁ、何かあるんだろう。
リーゼルもそれをわかっている様で、無理強いはしていないが、他の面々は出席して欲しそうだ。
「……ん?」
その面々はセリアーナの説得をさせたいのか、俺の方を見ているが、何故かセリアーナまで俺に視線を向けている。
……どうしろと?
アンタの奥さんだよ? とリーゼルを見ると、困った顔をしている。
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・9枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・39枚
エレナ・【】・【緑の牙】・5枚
アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・5枚




