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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動

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秋の1月。

前世の日本で言えば9月相当で、気温はもう少し低いかな?

裸足で上空に留まるのはだんだん辛くなってきている。


だが、今俺はその上空にいる。

今日は冒険者ではなく、騎士団のお仕事だ。


領都の東に広がる一の森に、一昨年末頃から造り始めている拠点がある。

今でも、そこには兵士や一の森での狩りを行っている冒険者や猟師が駐留しているが、来年からはそこに人が住み、生活をしていくようになる。

拠点から村にランクアップするわけだ。

森の中にある為農業は無理だが、その代わり狩りには適している。


多少落ち着いては来たが、今でもリアーナには各地から冒険者達がやって来ている。

全員が領都に住居を持てるわけじゃ無いし、領都から数キロしか離れていないこの場所は、彼等が暮らすには丁度良いだろう。

普段はこちらで暮らし、森で狩りを。

領都にダンジョンが出来たら、たまに仲間と共に出稼ぎに……その光景が目に浮かぶ。


が、それはまだもう少し先の事。

今はまだ、前線基地といった風情だ。


で、今日の俺の仕事は、この拠点周辺の魔物の調査の手伝いだ。


この場所は周囲を森に囲まれ、東に少し行けば小川が流れている為、魔物や獣が近くに寄って来るのは防ぎようがない。

下手に排除しようとして、周囲のバランスを崩すのも良くないし、どうしても対処する必要があるような危険な個体がいないかの調査を、2番隊と猟師ギルドと合同で行う事となった。

倒す事なら冒険者だが、魔物や獣の調査となると猟師の出番だからな……。


だが、猟師達も魔境を狩場にするだけあって、並の冒険者達よりは腕が立つとはいえ、大物相手では少々分が悪い。

兵士達と共闘してもだ。

という訳で、ヤバいのが近くにいる場合は、すぐに下に報せることになっている。

が、その備えは杞憂に終わりそうだ。


何もいないな……。


正確には、魔物も獣もいる事はいるのだが、拠点周りの一定以上の距離に、近づいてこようとしない。

ちゃんと人間を警戒しているんだろう。

この程度のなら、一人で呑気に森に踏み入ったりでもしない限りは、危険は無い。

そして、それらを無視して襲って来るような大物は……少なくとも数キロ範囲には見当たらない。

もっとも、それはあくまで昼間の事で、夜はどうかはわからないが……それを調べるのは下の猟師達の役目だ。


俺は引き続き、上で警戒だな。

日が高いうちに終わって欲しいなー……。



日が落ちる前に終わって欲しいという願いが届いたのかはわからないが、無事調査が終わったようで、拠点に引き返すことになった。


「お疲れさーん。どうだった? なんかいた?」


拠点で合流した猟師達がそれぞれ話し合っているが、そこに俺も加わり、何か警戒すべきことはあったのか聞くことにした。

上からだと、拠点周りに近づこうとしていない……って事くらいしかわからなかったからな。


「いる事はいたが、少なくともこの辺りを狩場にしている様な大物の痕跡や巣は無かったな。向こうに川があるだろう? その向かい岸には肉食の魔獣が狩りをした痕跡があったが……こちら側は大丈夫だろう」


俺の問いかけに答えたのは、猟師達の纏め役のおっさんで、彼は食肉目当てよりも害獣退治が専門らしい。

クマさん退治にも参加していた、弓と鉈を使うほとんど冒険者みたいなおっさんだ。


「ふむふむ……じゃ、この辺は安全なのかな?」


「そうだな……不用意に遠出しなければ問題無いだろう。それよりも、上から見て妙なのはいなかったか?」


「ずっと東の山の方にはちょっと危なそうなのがいたけれど……この辺で見える範囲にはいなかったかな? まぁ、近くの山の向こう側とかはちょっとわかんないけど……」


と、空から見た情報を伝える。


ヤバそうなのがいたのは10キロ以上離れた山の中だ。

流石にここまで離れていると、単純に視力の問題で豆粒以下にしか見えず姿まではわからなかったが、あの雰囲気は魔王種な気がする。

あの山が縄張りなのかもしれない。


「向こうの山か……俺達も東の山ってくらいしか呼ばねぇが……誰か行った事ある奴はいるか? ……いないな。報告はした方がいいだろうが、それは気にしなくていいだろう」


「そうかな? んじゃ、それ以外でオレから旦那様とか団長に報告しておくようなことは無いかな?」


割と近い気もするが、大丈夫なのか……。


「そうだな……何かあるか?」


他の猟師達にも聞くが首を横に振っている。


「無さそうだね。それじゃー、オレはこのまま街に戻るよ」


彼等は今日はここで一夜を過ごし、明日の朝、狩りをしながら帰還する、

調査の費用は領主からでるからただ働きにはならないが、森に出た以上は何かを狩っておきたいらしい。


「おう。支部長たちによろしくな」


拠点にいる兵士達にも挨拶を済ませ、俺は領都へ帰還した。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・8枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔王種がいそうな山まで10キロ…。 199話(投稿201番目)の回でルトルを中心に半径30-40キロ位を馬で走り回ってたとかツッコミ入れたいとか何とかw
[気になる点] あーそうか【緋蜂の針】が使えるように裸足メイドでしたね アンクレットつけてる右足だけなのか両足ともなのか…お屋敷にいる時も基本裸足なのかが気になる( ˘ω˘) まだ年齢より幼い見た目だ…
[良い点] 更新乙い [一言] 10kmは近距離だよお 山でも一日あれば着いちゃう
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