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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動

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「セラも謁見の場で発言を求められたんだね……。上手くできたようだけれど、驚いたでしょう?」


エレナ達もセリアーナから手紙を回され読んでいる。

仲のいいねーちゃん達だ。

そして、どうやら今エレナが読んでいる物に、謁見の様子が書かれていたらしい。


「あれが上手く行ったのかどうかはわからんけども……怒られはしなかったね。てかさ、会う人会う人皆俺が発言することは無いって言ってたのに、ひどいよね?」


あの場での話はどう転んでもよかったらしいが、俺の胃にはよくなかった。

あの時の事を思い出すと、苦い顔になる。


「それは大変だったね……」


「結局、王都までの移動時間の記録を更新した方を評価されたそうね。もしかしたらそういった事態があるかも、と準備しておいたけれど……」


その様子が面白かったのか、エレナと、目を俺の手で塞がれているセリアーナまで笑いを嚙み殺している。

おのれ……と憮然としていると、ふとその少し後の事を思い出した。


「全く……! あ、そうだ。王妃様が、今度はテレサも一緒に春にまた来いって言ってたんだよね。どうしよう?」


断るって選択肢は無いんだろうけれど、何のために呼ばれたのかがわからないままだった。

オリアナさんが言っていたのも推測に過ぎないし……何かその事について書いてあるのかな?


「春ね……出産祝いかしら」


「そうですね。流石に冬に移動するのは厳しいですし……。春なら貴族学院の入学に合わせて、国中から集まりますし……」


「む?」


出産祝いとな……?


「子供出来た事知らせてたの? オレは何も言ってないし、王都の屋敷でも何も聞かれなかったけれど……」


魔法とかポーションとか、俺の想像を超えた技術があるから大丈夫だろうとは思うが、妊娠、出産は簡単な事じゃ無い……と思う。

だから俺はじーさん達にも妊娠の事は話していない。


「魔王種の討伐があったし、むしろ何も言及していないのだから予測は付いているでしょう。おじい様達もね。産まれたら改めて正式に報告をするわ」


「ほー……」


全然そんな素振りを見せなかったが……セリアーナだけじゃなくエレナもそうだったし、嗜みみたいなものなのかな?

出来ていなかったら、それっぽい事を言う……と。


「他にも王都でのリアーナの屋敷を用意したり、色々あるでしょうけれど……まあ、お前が気にする事じゃ無いわね」


本来は自領の屋敷に泊まるべきだが、今回は用意が出来ていないからミュラー家とセルベル家の王都屋敷に泊まった。

建物だけじゃなくて、そこを取り仕切る人員も必要だし、すぐには用意できなかったんだろう。

だが、もう1年経つし、そろそろそこら辺も手を付け始めたのかもしれない。


聞こえてくるエレナ達の話では、そこの人間はセリアーナの、使用人等はリーゼルの縁で揃えて、テレサの家もそれに協力するみたいだ。

人員に関しては問題無さそうだ。


まぁ、俺にはわからない世界だな!



しばし王都での出来事を話していると、セリアーナが顔の上にある、俺の手を退けた。

どうしたんだろうか?


「こちらに使用人が向かって来ているわね。フィオーラ、お願い」


誰かが来るのか……それなら。


「オレがでるよ?」


そう言い、フィオーラが立つ前に、セリアーナの頭の下から抜けようとしたのだが、足を掴まれてしまった。


「下の騎士団本部から誰か来ていたから、解体が終わったんでしょう。フィオーラが行った方が話が早いわ」


「あら、思ったより早かったわね。大型では無いけれど、もう少しかかると思ったわ……ジグも早く終わらせたかったのかしら?」


そう呟きながら、フィオーラは寝室を出て行った。


「あ、そういえばさ……魔王種の素材、オレとジグさんで分けて良いって言われたんだけど……どうしよう?」


リーゼルへ報告した際に言われた事だ。

討伐命令が出ていたならともかく、たまたま狩った物だから好きにしていいんだと。

ミツメのお礼に使いたいし、ちょっとは貰うつもりだったけれど、全部貰うとなると……扱いに困るってのが、正直なところだ。


「好きにしたらいいじゃない。お前奥に飾ったりしているでしょう? 棚が豪華になるわよ?」


「いや……それは流石にもったいなさ過ぎるでしょう」


商人達に売るのももったいないが、オブジェにするのも同様だ。

そして……。


「職人のロブは革細工が専門でしたね。魔王種の素材で何かを作らせるには向いていませんか……」


俺が言う前にテレサが口にした。


「そうなんだよね……」


さらに今の俺は欲しい革細工も無いし……使わなきゃもったいないけれど、使い道が思い浮かばない。


困った……。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・6枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] そこの人間はセリアーナの、使用人等はリーゼルの縁で揃えて、テレサの家もそれに協力するみたいだ。 そこの人間(or使用人等)はセリアーナとリーゼルの縁で揃えて、テレサの家もそれに協力す…
[一言] 着ぐるみかな? 増々どこへ向かってるのかわからなくなっちゃうけど
[一言] まあ魔王種って割とあちこちにいるっぽいし、適当に使ってもいい気はするけどねー 狼なのに指揮能力0だった残念魔王種の素材だし
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