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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
12章・ついに長距離移動

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364 セリアーナ side 

「……つまり、魔王種をわざと見逃す事もあるというの?」


実家のゼルキスでは貴族や騎士団の役目の一つが魔王種の討伐だと教わった。

王都の貴族学院でもだ。


エレナも同じく驚いた顔をしているが……よそでは違うのだろうか?


「私も聞いた話でしかありませんが、戦力が十分でない場合は、人里から遠ざける事を優先する場合があるそうですよ。そして、貴族学院の入学前の領地の大掃除で、ある程度対処されるそうです。山間部は人が踏み入る事は滅多にありませんからね。そちらに封じ込めておくそうです」


エレナと困惑していると、テレサも会話に加わってきた。

テレサは私達と違い王都圏や、さらには騎士団の事情にも明るい。


その彼女がそう言うのなら、そうなのか……。


「付け加えるなら、それに参加する冒険者同士では情報を共有しあい、優先的に魔王種を討伐するそうよ。これは冒険者ギルドも知ってはいるでしょうけれど、黙認しているわね」


「それは知りませんでした……。まぁ、冒険者は平民が多いですし、貴族の事情で駆り出されるのに旨味が無いと、士気が上がりませんか……」


「釈然としないけれど、事情は分かったわ。確かにどこの領地も、領内全域に戦力が行き届いているとは限らないものね……。ウチは大丈夫かしら……」


今回はセラがたまたま処理出来たから被害は出なかったが、下手したら村がいくつか滅んでいてもおかしくは無かっただろう。

だが、所詮は他所の領地の出来事。

魔王災に限らず、魔物による被害は頻度の差はあれどどこにでもある事だ。


それよりも、リアーナはどうなんだろうか。

魔王種は最優先で討伐するものだと認識していたが、どうも温度差があるようだし……。


「リアーナは問題無いでしょう。オーギュストやアレク、それにジグも冒険者達と交流を持って意見が通りやすくしているし、冒険者達だって、ゼルキスの頃から魔物の討伐には積極的な者達が揃っているでしょう?むしろ先走って勝手に挑む事が無いように注意を出すべきね」


私が危惧した事を、フィオーラは笑って否定した。


確かに、国中から魔境での稼ぎを期待した者達が集まっている。

全く気に留める必要は無いとは言わないが、あまり上が口を挟むのも良くないか……。


「わかったわ。それで?セラはまだしばらくそちらにいるの?」


少々話がずれてしまったが、本題に入ろう。


「そうね。表向きには四日か五日後に帰還する予定だったんでしょう?ジグにアリオスの街に買い出しに出てもらうから、街の外の領都側で合流させるわ。魔王種の単独討伐ならジグでも可能だし、たまたま魔王種を発見したセラがジグに気付いて応援を求め、討伐……。少しタイミングが良すぎるけれど、別に構わないでしょう?」


前日の夜にセラだけ街を抜け出して待機しておくのか。

そして、ジグハルトと合流してから遺骸を引き渡して、一緒に街に帰還する……。


「そうね。それなら四日後にしましょう。あの娘……今は奥から出て貴方達の部屋にいるでしょう?そちらに近づくことは無いでしょうけれど、オーギュストやリックなら気付くはずよ」


大方、魔物の死体と一緒の部屋で寝泊まりするのが嫌だとかそんな理由だろう。

見つかったからと言って、何か言ってくることは無いだろうけれど、折角秘匿している意味が無くなる。


ふぅ……と、思わずため息をついてしまった。


「セラは屋内でじっとしているのは平気なはずですが……魔物の死体と同じ部屋なのが嫌だったんでしょうか?」


「姫は汚れや臭いが移る事を嫌いますからね……。必要だったから奥に入れたとは言え、不本意だったのでしょう」


どうやらエレナも同じ考えらしい。

そして、テレサも。


ともあれ、これからの四日間でやるべきことを考えよう。


もし、逃がした事を上まで報告していたとしても、時間的にウチまで連絡が来るのは間に合わないし、そちらを気にすることは無い。

たまたま領内で発見した魔王種……それで処理すればいい。


後は、ジグハルトと外で合流させることだが、領都周辺は兵が見回りをしている。

リーゼルとオーギュストに適当に伝えて、見回りの時間なりコースなりをずらさせる必要があるか。


「しばらくの間私は外に出る用事は無いし、何かあれば対応するから、あまり大きく動く必要は無いわよ」


他にやるべきことは何かと思案していると、フィオーラがそう言って来た。



言われてみれば、だ。

四日隠れて外で合流する……それだけの事だ。

見つかったら見つかったでどうとでも出来るのだし、むしろ何もしない方がいいか。


「……それもそうね。わかったわ。何かあったらお願い」


四日後に聞く、王都までの道のりや王都での出来事を楽しみに待っていればいいだろう。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・6枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 四日間の休暇!!引きこもり!!羨ましい!!
[一言] 完全な丸投げではなくちょっとは絡むんですね 4日暇なのは……怠惰姫なら余裕で過ごすでしょうね
[一言] 魔王種単独もしくは少数討伐の名誉って、下手な相手に虚名として背負わせてしまえばその人が潰されてしまいませんから、実際にソロ討伐できる知り合いがいるタイミングでよかったですね
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