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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
3章・王都で聖貨をザックザク!

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33

「何か聞きたいことでもあるの?」


怪訝な顔をしているのがわかったのだろうか?

いい機会だ。

折角なので聞いてみよう。


「そこまで隠す事なの?」


「ああ、そこを教えておく必要があるわね。大森林同盟は西方諸国、特に帝国と連合国と戦争とまでは行かないけれど、決して関係は良好ではないわ」


…西方諸国って、東側は大森林同盟の国しかないんだけど。


「…それって大陸のほとんどの国ってことでしょ?なんでまた?」


「西にはもう魔物はダンジョン以外にはほとんどいないのよ。この意味が分かるかしら?」


「……あっ!」


平和なのはいいけれど、聖貨を得る手段が減るのか。

で、ダンジョンがあるって事は維持に聖貨が必要だから…。


「わかった?同盟の取り決めで聖貨は外国に持ち出せないから、国内で消費するようになっているの。例外は教会だけ。お前もルトルの孤児院にいたからわかるでしょう?領都から離れれば離れるほど教会の影響力が強くなるの。だから、そこを摘み取るのよ」


はぁ~…色々考えてんな。


「教会と仲悪いんだね」


前々からの疑問だ。

教会と一纏めに言っているが、メダリア教という宗教の施設だ。本拠地であるメダリア神国は西にあり、確か帝国に囲まれている。

ただ、布教を許しているし、ガチャをやるのにメダリア教の聖像が必要っぽいし、なんでまた拗れているんだろう?


「ええ。といっても元はそうでもないの。ただ、ここ50年程かしら?聖貨の入手数が減ってきた帝国や連合国が教会内に入り込んでからね」


教会を通して聖貨を持って行ってるんだな。

随分手の込んだことをやっている。


「戦争になったりは?」


「無いわね。恩恵も加護も所持数の桁が違うわ。実際戦争になれば勝てはしないけれど、少なくとも西側に相当な痛手を与えられるわ。国が維持できなくなるほどのね。よほどの馬鹿じゃない限りそんなことはしないはずよ。まあ、それでも絶対に無いとは言えないから、教会の活動を許しているのよ」


「ほ~ん…」


「でも、許しているからといって街を実質支配されるのは上手くないの。ルトルに関しては、この結婚でその問題を解決できるわね。同盟内にも少数とは言え西と繋がっている貴族もいるし、隠すのは彼らの邪魔を警戒しているからよ」


派閥やらもあるのか…。

俺にはそこら辺はなんもわからんから関わらないでおこう。


「そか。大体わかったよ。ありがと」


「他に聞きたいことは?」


「や、もう充分」


「そう。なら今後1年間の方針を話すわね。エレナ、貴方は私の護衛について頂戴。学院を始め貴族の相手が増えるけれど大丈夫ね?」


「はい。お任せください」


「アレク、貴方は冒険者や傭兵とつながりを作って頂戴。新領地の事は伏せるのよ?能力、人間性どちらも見たうえで有望な者を選ぶの。できるわね?」


「任せてくれ」


「セラ」


皆忙しそうだなーと、眺めていたらまさかの俺の名が出た。


「な…何⁉」


「何驚いているの…。王都のダンジョンはどう?一人でも大丈夫かしら?」


む?

1人で行ってもいいんだろうか?


「浅瀬までなら問題無いよ。それより先は知らない」


「…ムカデは?」


「⁉」


「ムカデ?魔虫よね。それがどうかしたの?」


エレナの言葉に怪訝な表情を浮かべている。


「セラはムカデが苦手なようで…ずっと悲鳴を上げていました」


い…いかん。

1人行動が無くなる。


「大丈夫!逃げるから!【浮き玉】から降りないから!」


我ながら必死だと思うが、このままだと屋敷でメイドさんをやらされかねん。


「…ムカデ以外なら大丈夫なのね?」


必死さが伝わったか?

その言葉にぶんぶんと首を縦に振る。


「そう…決して無理はしないこと。いいわね?」


セーフ…!

セラ・【隠れ家】【祈り】・【浮き玉】【影の剣】・6枚

セリアーナ・【範囲識別】・【】・8枚

エレナ・【】・【緑の牙】・0枚

アレク・【】・【赤の盾】・0枚

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