表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

342/2096

340

サイモドキの尻尾は俺が一抱えするくらいの太さで、長さは14-15メートルってところか。

動物の尻尾の役割は、体のバランスを取る為の場合が多いが、こいつの場合は攻撃用だな……。

これだけ太いものが鞭の様にしなやかに動いているし、中は筋肉がびっしり詰まっているんだろう。

鱗や甲殻がついているわけじゃ無いが、相当硬いはずだ。


斬れるよな……?


「ほっ!」


【蛇の尾】を最大サイズで発動し、サイモドキの尻尾の根元に巻き付けた。


動き回るサイモドキの尻尾……それも根元を正確にとらえるとなると、これは簡単な事じゃない。

だが、俺の尻尾を巻きつけて、それを支点にすれば俺でも容易だ。


2メートルくらいしか距離を取れないので、近付きすぎてもたもたするのは危険かもしれないし、さっさとやっちまうか……。

貰うぜ!尻尾。


「尻尾斬ってみるから、気を付けてー!」


「!?わかった。無理はするなよ!おい!セラ嬢が仕掛けるぞ!」


サイモドキは移動するだけでも大きな音がするため、俺の声が届いたのはルバンだけだった様だ。

だが、しっかりと他の二人に伝えてくれている。


よっし!

やるぞー!


「ふっ!」


短く息を吐き【影の剣】を発動して、俺の尻尾に沿って突っ込み、右腕を横に一閃した。


【影の剣】の刃の長さは30センチ弱と短い。

それに、指先から少し余裕を持って斬りつけるため、その長さ全部を使う事は難しく、実際に戦闘で使うのは20センチ程度だ。

その長さでは尻尾の切断は無理だが、骨までなら到達する。

一太刀目で骨まで断ち、返す刀で切断だ!


と、言うのが理想だったが……。


「かったぁぁぁっ!?」


肉は切った。

でも、骨が断てない。


魔人の硬い鎧のような物もサックリ切り裂けたのに、骨が断てない!

刃は10センチほどの深さまで埋まるも、骨で止まってしまった。


「ぬががが……っ!」


腕力だけでなく【浮き玉】ごと押し込もうとするが、何とも厳しい。

これ以上は、俺の指の骨がヤバイ。

ポッキリいきそうだ。


尻尾にも痛覚はしっかりあるようで、尻尾の動きが激しくなっている。

継ぎ目にあたるまで試す事が出来ればよかったが、この位置で粘り続けるのもそろそろ危険だ。

援護のつもりが、これだと半端に痛みを与えて怒らせただけと、逆効果になってしまう。


「ふんぬっ!」


左手で、【影の剣】を着けている右手人差し指を掴み、【浮き玉】をさらに進めた。

これならもう少し力を込められる。


「っ!?」


その甲斐あって、骨膜を突破したんだろう。

刃から伝わってくる手応えに変化があった。

そのまま押し込み、そして……。


「よいしょーっ!」


再び手応えが変わったところで、一気に振り抜いた。

勢いあまって一回転してしまったのは御愛嬌だが、これで尻尾の骨を断つことは出来た。

尻尾に視線を戻せば、残った皮膚とわずかな筋肉でぶら下がり、今にも千切れそうだ。


「わっはっはっ!」


その残った部分を切断し、サイモドキの尻尾は重量感たっぷりな音を立て、地面に落ちた。

トカゲの様に切り落としても動くような事はせず、もう放置しても安全だ。


「尻尾斬ったよー!」


すぐさま頭の上まで移動し、三人に聞こえる様に大きな声で戦果を報告した。


「よくやったっ!」


アレクが大声で答えた。


たかが尻尾、されど尻尾だ。

致命傷には程遠いが、これで攻撃手段を突進、薙ぎ払い、尻尾アタックの三手から、二手に減らす事が出来た。

もしかしたらまだまだ攻撃手段を持っているのかもしれないが、それでも後数分凌げばジグハルト達が何とかするはずだ。


見ると三人の間合いが開始当初の距離にまで縮まっている。


「おわっ!?」


突如サイモドキの体が目の前に迫り、慌てて高度を上げた。

サイモドキは、思い通りにいかない事にイラついているのか、後ろ足で立ち上がり、そして両の前足を叩きつけた。


ストンプか……新しいパターンだな。


だが、間合いを近く取っていた三人は、その瞬間は距離を取り躱している。

尻尾が厄介だったのは、横の広範囲を攻撃できたからだ。

威力だけなら突進はもちろん、今のストンプや薙ぎ払いの方がずっと上だが、点の攻撃に過ぎない。

この三人なら簡単に凌げるだろう。


……決まったかな?


セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >両の前足を叩きつけた。 >スタンプか 多分ですが、ス“ト”ンプですね。 プロレスで倒れている選手を踏みつける技は、ストンピングですし。 ストンプで調べると、足を強く踏み鳴らす。 とあり…
[良い点] 更新乙い [一言] やったか!?
[一言] セラさん殊勲賞
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ