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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと

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森の中にポッカリと開いた、100メートルくらいはありそうな円形の広場に出た。


あくまで木を伐採しただけで整地はしていないのか、そこら辺に折られた木が転がっていたりとあまり足場は良くない。

何か真っ黒になった物も見えるし、草もあまりないことを考えると、火でも使ったのかもしれないな。

そこの端に、これから俺達が戦う魔王種がいた。


距離があるにもかかわらず、はっきりとわかる巨体で、頭部に3本の角が生えていて、くすんだ灰色の皮膚は鎧の様だ。

そして四つ足で、先端は見えないが、丸太の様に太く長い尾が生えている。


なんというか……サイか角のあるゾウ?

あるいは、図鑑でしか見たことは無いがトリケラトプスか。


比較するのにちょうどいい物が周りに無いが、体高は4メートルくらいか?

クマの時も思ったが、立派な怪獣だ。


しかし、何となく魔王って字面から勝手に獰猛な肉食獣を想像していた。

俺が外で倒してきた魔物はほとんどがそうだったからだ。

だが、よくよく考えてみると、ジグハルトから聞いた慎重……と言うよりもいっそ臆病と言っていい性質は、草食動物に当てはまる。

こいつが胎生か卵生かはわからないが、何となく納得できた。


さて……、このサイモドキと戦うわけだが、その視線は今俺達がやって来た……ジグハルト達がいる方を向き、広場の南西側をウロウロしている。


退くか、あちらに攻撃を仕掛けるか迷っているのかもしれないな。


こちらに警戒が向いていないことを確認した三人は、ジワジワと前から近づき、遂には正面にアレクが、右にルバン左にテレサが立ち、各々武器を構えた。

それに合わせて俺も真上に移動を開始するが、未だにサイモドキに動きは無い。

コソコソと刺激しない様に近づいていたが、目の前にいるのに、まさに眼中に無しといった様子だ。


上から周囲を見渡すと、魔物も獣も一切気配はない。

こちらを見ているアレクに頷くと、彼もまた頷く。


手にした槍を掲げ、左右の二人にも見える様に大きく円を描いたかと思うと、勢いよく振り下ろした。

それを合図に両側から二人が魔法を放った。

ルバンの「赤光」とテレサの風の魔法が胴体部分に直撃し、土砂が舞い上がる。


そして、その魔法に驚き口を開けてしまい、余波で舞い上がった土砂が顔を直撃。

口の中にもしっかり入ってしまった。


「ぬあっ!?……ちょ、ペッペッ!?……あー……ジャリジャリする」

慌てて口に入った物を吐き出す。

10メートル以上の高さにいるのに余裕でそれを越えて行ったし、音も凄かった。

ジグハルト達への戦闘開始の合図には十分だろう。

サイモドキも、ダメージにこそならなかったが、ようやくアレク達を認識したのだろう。

不機嫌そうに、グルグルゴロゴロと唸り声をあげている。


何というか……ただの唸り声なのに雷みたいな大きさだ。

この巨体は伊達じゃ無いな。


舞っている土砂はテレサが放った風で散らされ、視界が晴れると、【赤の盾】を構えてサイモドキの正面に目の前に立つアレクが見えた。

アレクはサイモドキの3メートル程前まで近づき、注意を引くために槍を頭の前にちらつかせている。

さらに頭の向きを変えさせようと、少しずつ移動を始めた。


上から見るとわかりやすいが、サイモドキを中心に反時計回りに動いている。


一先ず俺も地面と水平になる様に体勢を立て直した。

頭をジグハルト達に向けて、お尻は東側だ。

そちらはアカメ達に監視させている。


「お?ジグさん達も始めたみたいだよ!」


ジグハルト達の方を見ると、なにやら魔力が渦巻いているのが見える。

必要かはわからないが、その事を下に聞こえるように大きな声で伝えた。


「了解!」


アレクは集中しているからか、代わりにルバンがそれに応えた。


サイモドキもそれに気付いた様で一瞬そちらを向いたが、【赤の盾】は相手の気を引き付ける効果があるそうだ。

それがどこまで通じるかはわからないが、少なくとも今は効いている様で、すぐにアレクに向き直った。

サイモドキは、鬱陶しそうに首を振りながら前足で地面をかいている。


知ってるぞ……これ、突進する前にやる予備動作だ……!


「来るぞ!合わせろ!!」


アレクが大きな声で両脇の二人に指示を出すと、もう役目を果たしたからか槍を後ろに投げ捨て、両手で盾を構えた。


……アレを受け止めるのか!?

大型トラックよりデカいぞ?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 砂は美味しくないです
[気になる点] ダンレムの糸が強化されるとどうなりますか? もっと大きくて重くなってセラが使えなくなって、逆にデメリットになるという可能性はありますか?
[一言] セラの周りはびっくり人間でいっぱい 魔法がド派手程度は序の口 かもしれない
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