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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと

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「めっちゃ揺れてるねー。みんな大丈夫?」


北の村へ向かう馬車の中で、その揺れまくる馬車に乗る皆の体調が心配になる。

俺は浮いているから関係無いけれど……それでも馬車がガタンゴトンと弾む音を聞いているだけで、なんだか揺れてる気になって来る。


「馬車なんてどこもこんなもんだぞ?」


「ああ……セラは大きい街以外はほとんど行った事が無いですからね……」


「随分なお嬢様だな……」


上からジグハルト、アレク、ルバンの順だ。


3人とも冒険者出身だからか、何か仲が良いんだよな。

何がおかしいのか、3人で笑いあっている。


「以前訪れたアリオスの街を覚えていますか?」


「うん?覚えてるけど……そこがどうかした?」


代わりにテレサが口を開いた。

アリオスの街は領都の一つ隣の街で、リアーナ2番目の街だ。


「彼等はああ言っていますが、あの街から繋がる道なら主要街道ほどではありませんが、この道よりは整備されていますよ」


「……ああ、そういえばあそこが流通の要とか言ってたね」


旧ルトルは領都に定まる以前は辺境の街に過ぎなかったし、そこからの道を整備する手が足りないんだろう。

むしろ繋がっている事を褒めるべきだろうか?


「まぁ、あんまり急ぎの用とかは無さそうだったしね……。ルーさんの所もまだ道はこんな感じ?」


「……ルーさんってのは俺か?そうだな……俺の所はもっと整備が進んでいるぞ。もうすぐ本格的に港が稼働するし、そうなるとマーセナルだけじゃなく、国中の物が届くようになる。それを領内に運ぶためにも道は大事だからな。領主様はそこを重要視して下さっているんだろう」


何となく思いつき、初めてした呼び方を訝しみながらも、しっかり答えるルバン。


「北の村は東部の開拓だけじゃなくて、鉱山の採掘も行っているんだ。周辺の開拓拠点と採掘の拠点を束ねていて、まだ村ではあるが規模も振るえる権限も大きい。俺の所と違って、街道整備の代わりに人員を派遣していると聞いたな」


「ほうほう」


「まだゼルキス領だった頃は、ここまで伯爵の目が届いていなかったから、西側と繋がりのある商人達が大分好き勝手していたようだが、旦那様がルトルに代官としてやって来た際に大掃除をしたんだ。孤児上がりや借金のかたに連れて来られた連中も、扱いは多少はマシになったな」


ルバンとアレクの説明を聞きながら馬車の外に目を向けると、遠くに森が見えるが、さらにその奥には山が連なっているのがわかる。

ここからだとわからないが、その森と山の中間あたりに向かう村があるそうだ。

で、その近くの森や山に開拓や採掘拠点があって、それらを束ねると……。


そりゃこんだけゼルキスの領都から離れていたら、好き勝手するか。


娼館送りを免れても、そのどれかに俺も送られてたのかもな……。



村に到着した後は、代官のもとに挨拶に行った。

今日はこの屋敷に一泊し、明日の早朝に出発する予定だ。

リーゼル達は既にここを発ち、開拓村に到着しているだろう。


この村は、ちょっとソールの街に似ている。

あそこは農業が盛んで、その収穫品を保管する倉庫が街のあちらこちらに建ち並んでいた。

ここも、鉱山から採掘された物を保管する倉庫が建ち並んでいる。


ただ、あそこは錬金系も盛んだったが、ここは製鉄や鍛冶をやっている様子は無かった。

一次産業のみか……それとも今後手を付けていくのかな?


夕食は代官夫妻と一緒で、色々聞きたそうではあったが……弁えたものですぐにお開きとなった。


「それじゃあ、私は部屋に戻るわ。テレサ、朝はちゃんと起こして頂戴ね」


「ええ。ご安心を」


食後は男性女性に分けられた部屋に移り、明日が早い事も有り、早々に休む事になった。

部屋が大部屋なのは個室が人数分無いからだ。

まぁ、まだまだ発展途上の村だしな……。


そして、フィオーラは用意された部屋にそのまま寝るが、万が一に備えて、俺とテレサは【隠れ家】で休む事になった。

本当は俺だけでもいいんだけれど、俺が朝起きられない可能性を考慮して、テレサも一緒だ。


俺の朝寝坊癖はジグハルトやフィオーラにも伝わっている様で、二人に念押しされてしまった……。


まぁ、明日は大ボス戦なのに、朝起きられるか不安になるよりはいいかな?

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・5枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 固有名詞(人名・地名)が多過ぎて人物紹介のページと行ったり来たりしながら忙しい回でした。 南の拠点とか北の拠点や二つの開拓村やミュラー家の分家が代官になっている村や今回セラが宿泊した村…
[一言] 地味に聞き上手だよね、セラ。 特におっちゃんおばちゃ…お姉さん世代に受けが良さそうな。 なんか相手が話せる範囲のちょっとだけ先まで聞けそうな感じがする。
[一言] 孤児あがりのセラの事考えるとその他孤児への対応間違えて離反されたら大損害だからなー 多分セラさんはそんな事考えてないと思うけども
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