表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
11章・そろそろ魔王種とアレコレと

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

317/2095

315

高度を下げた分あまり遠くまでは見えないが、ゼルキス領都が近づくにつれて門前に人が多く並んでいる事がわかる。

固まって移動する方が安全だし、同じ様なルート、スケジュールで動いているからか、混雑する時はとことんするんだろう。

人や荷物を載せた馬車も混ざっていて、長さは100メートル以上はありそうだ。


「……おや?」


「どうしました?」


門まであと少しという時にあるものを見つけ、思わず呟いた俺の声が聞こえたのかテレサが訊ねてきた。


「あれ……わかる?」


見つけたそれの方を指差すと、テレサが顔を近づけその方向を見ている。


「あれですか?……っ!?」


彼女もそれに気付いた様だ。


街道を挟んで右手側に数百メートル程離れた所に森がある。

前回俺達が潜んでいた森と繋がっているが、そこからゴブリンの群れが姿を見せている。

森の外に出てくることはあまり無いそうだが、人が集まっているから、それに釣られて出てきたのかな?

数は20ちょっと……30まではいかないか?


警備の兵もそれに気付いた様で、対処すべく動き出したが……それがいけなかった。

その動きが、ゴブリンを刺激してしまったようで、列の後方からそちらに向かって走り出している。

商人達の中には冒険者を雇って道中の護衛に付けている者もいるが……こりゃいかん。


「間に合いそうにないね……。テレサ、どうする?」


「そうですね。私が対処しましょう」


そう言うと進路を変更し始めた。


「テレサ、武器そのナイフだけでしょう?大丈夫?」


テレサの恰好は、パンツにジャケットという一般的な女性冒険者のスタイルだが、防具はもちろん武器も小振りのナイフしか差していない。

ゴブリン程度に後れを取るとは思えないが、ナイフ一本で対処するのは厳しそうだ。

並んでいる者達もゴブリンに気付いた様で、パニックとまではいかないが徐々に騒ぎ始めている。

何人かは剣を抜いているが、見る限り使い慣れていない様で逆に危なっかしい。


「問題ありません。では、姫はこちらで待機しておいてください。……風よ!」


テレサは、列を越え向かってくるゴブリンの正面に出ると、【浮き玉】の操作を俺に渡し自分は飛び降り、腕を大きく払い魔法を放った。

使ったのは強烈な風を吹かす魔法で、エレナも牽制に使ったりしていたヤツだ。


「おおっ!?」


列の者達は、自分達の上から降り立ったテレサに驚き、そして彼女の放った魔法にも驚いて声を上げる。

最後尾までもう数十メートルまで近づいていたゴブリン達は、その魔法を受けてよろめき足を止めた。

1発で終わらず間髪入れずに2発3発と続けている。


少し離れた高い位置から見ているのでよくわかるが、ただ正面からぶつけるだけじゃなくて、群れの側面を徐々に削って行き、バラけない様に上手くまとめている。


だが、その巧みな魔法の使い方は見事だけれど、倒す事は出来ていない。

俺なら色々身に付けているし、参戦した方がいいんだろうか?


「……ぬ?」


どうしようかと迷っていると、後ろから何やら低い咆哮が聞こえてきた。

なんじゃ?と振り向くと、武器を手にした兵士と冒険者達がもうすぐそこまで来ている。

ついでに列に並んでいた者達も門の近くまで退避をしている。


なるほど……テレサがやっていたのは彼等がやって来るまでの時間稼ぎか。

確かにそれならナイフだろうが何だろうが関係無いな。


「足止め御苦労!後は我々が引き受ける!」


先頭を走る兵士が、テレサの横を駆け抜けながらそう言うと、足を止める事無く一気に群れの中心に飛び込んで、槍を振り回した。

彼だけじゃなく、2人3人と続き自分達に注意を集めている。

彼等の装備は革ではなく金属製の頑丈な鎧で、ゴブリン程度の攻撃じゃ大したダメージにはならないんだろう。

重装備で足は遅かったがその分防御力は高く、殴られても気にしていない様だ。


そして、ゴブリン達の意識が内側に向いたところで、冒険者達が背後から襲い掛かった。

それに合わせて、槍を振り回すだけだった中の兵士達も反撃に転じている。


高度を上げて念の為周辺を探るが、魔物の気配は無し。

これはもう決まったな。


テレサもそう判断したようで、俺の下にまで下がって来ている。


「お疲れさまー」


「ありがとうございます。ですが、魔法を数発撃っただけです。大した事ありませんよ」


その言葉の通り、汗一つかいていない。

ふらっしゅ一発撃つだけでも集中する必要がある俺とは大違いだな……。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・2枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] うちの部下は優秀なんです(どやあ
[一言] 近衛は伊達じゃないってことだな。 近衛の上の人は、テレサ離脱を惜しいと思ってそうだね。
[一言] 上手いなテレサ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ