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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
10章・王国東部でアレコレと

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ガッツ溢れる彼女達を眺めていると、不意にテレサが訓練所の入口に顔を向けた。

話している途中なのにどうしたんだろうと、俺もそちらを見ると、セリアーナとエレナも同じくそちらに顔を向けている。


……なんかあんの?


「ジグハルトね」


と、セリアーナが呟いた。


ジグハルトはまだ春前なのに、フィオーラと共に調査だなんだと出かけていたが……戻ってきたのかな?

セリアーナはスキルがあるからともかく、2人も気付いていたのか。

本当に一体何を察知しているんだろう?


「よう」


程なくして、入口の扉が開きジグハルトが姿を見せ、そして、一言声をかけると中に入りこちらに向かって来た。


「久しぶりね。それにしても、貴方がここに足を運ぶなんて珍しいじゃない」


「戻ったのはついさっきだ。フィオもいるが、挨拶は後にさせてくれ。春の準備で調べる事があるんだが、セラを借りたい。いいか?」


春の準備……魔王種との戦いの事かな?


「構わないけれど、どこへ行くの?」


俺じゃなく、何故かセリアーナが許可を出すが、まぁいい。

でも、ジグハルトやフィオーラの調べ物に俺が役に立つ事ってあるんだろうか?

まぁ、調べ物って言うなら俺でも出来ることがあるかもしれないが……。


「下の騎士団本部だ。時間もそうかからないだろうし、危険も無い」


「わかったわ。セラ、ここはいいから行って来なさい。テレサもいいわね?」


「はーい」


何をするのかわからんままだが、ジグハルトとフィオーラもいるし、行けば教えてくれるだろう。

最近脳筋よりの活動が多かったが、ここらでアカデミックな仕事をするのも悪くない。


「わかりました。ジグハルト、お願いしますね?」


いつの間にか側に来ていたテレサはそう答えた。

何がお願いなんだろう……俺のお守か?


「悪いな……じゃあ、行くか。セラ」


そう言うと、ジグハルトは入口に向かおうとしたが、騎士団本部にはここから通路が繋がってもいる。

そっちを使った方が早いだろう。


「ほい。あ、あっちからの方が近いよ?」


誰でも使っていいって物じゃないが、よくよく考えれば俺もジグハルトも立派な騎士団関係者だ。

利用しても問題無いだろう。


「お?そうか」


何より通常ルートを使うと外に出ることになる。

それは寒いから嫌だ。



直通の通路を使い、屋敷の麓にある騎士団本部へ辿り着いた。

いつもはここは1番隊の隊員がメインで使い、あまり2番隊の隊員達は見かけないが、今日は見知った顔がチラホラと。

ジグハルト達が調査に同行させていたのかな?


ジグハルトは彼等と挨拶を交わしながら、ずんずん奥へ進んで行き、ある部屋の前で足を止めた。

幹部用というか、お偉いさん同士の会談に使う会議室だが、中の声が微かに漏れている。


「ここ?」


「ああ。おいっ俺だ!入るぞ!」


と、ドンドンとドアを叩き返事を待たずに中に入っていった。

遅れて俺も中に入ると、部屋にはフィオーラにオーギュストに冒険者ギルドの支部長、それと参謀格の者達が揃って席についていた。

そして、フィオーラの前にはフラスコみたいな器具や、何か土の入った容器などがアレコレ置かれている。

他にも地図が置かれたり、魔物の絵が描かれた資料などが広げられ、それらを見ながら何か議論を交わしていたが、何をしているんだろう?


「ジグ……返事を待たないのならノックする意味が無いでしょう……?あら、セラ。久しぶりね……ごめんなさいね呼びつけて」


フィオーラはジグハルトにチクリと一刺しした後、顔を上げると俺に気付いた様で、呼びつけた事を詫びてきた。


「お久しぶりー。呼ばれたのは全然いいんだけれど……何するの?調べ物?」


「そうね……こっちに来て頂戴。見ながら説明をする方がわかりやすいでしょう」


そう言うと、フィオーラは椅子を引き、自分の膝を指した。


「ふぬ?」


何をするのかよくわからんが……資料運びとかじゃなさそうだな……。

割と気安い関係の面々が揃っているが、皆真剣な顔をしているし、それなりに真面目な仕事なんだろうな。

セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】・9枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・38枚

エレナ・【】・【緑の牙】・5枚

アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・12枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 色んなところで可愛いがられてますなぁ
[一言] やっぱりちょこんと膝に座らされてよしよしなでなでされるんですね
[一言] ジグさんが発する魔力の圧を感じるとかそんなのか?
感想一覧
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