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【ダンレムの糸】……まともに扱うにはフィジカルが必要とされる、このピーキーなアイテムの俺に最も適した使い方を模索していたが、それも何とか形が見えてきた。
長距離から当たり判定の大きい高威力で回避の難しい超高速攻撃が可能な事から、ついつい纏めて倒そうとしていたが、
なにも無理に【ダンレムの糸】で魔物を倒す事にこだわる必要は無かった。
まずはボス……あるいは強個体を安全な場所から先制で仕留めて、後はいつも通り丁寧に刈り取っていけばいい。
もしかしたらこのアイテムの真価を発揮できていないもったいない使い方なのかもしれないが、群れの統制を乱し、より安全に戦う事が出来る、グッドな戦法だ。
さて……途中【隠れ家】で休憩をしたものの、朝からずっとダンジョンで狩りを続けていたが、そろそろいい時間なはずだ。
戦い方に目処はついた。
今日一日でどれだけのオーガを倒したかわからないし、聖貨も久々の大量ゲットだ。
初日の成果としては十分すぎるだろう。
今日はこの位にして、帰還するか。
◇
「む……新しいのが湧いたか……」
今日の狩りは念の為中層入り口近くの広間を行ったり来たりしていた。
そして今、帰還する為にその入り口を目指していたのだが、そこの手前の広間に新しいオーガの群れが湧いていた。
無視して一気に突破してもいいが、ここさえ抜ければ後はダンジョン出口まで宙を進んでノンストップで行けてしまう。
魔物にとってはとことん災難だが、これも何かの縁。
今日のラストバトルと行こうじゃないか!
「ふっ!」
【祈り】を上書きし、通路から広間の様子を探ると、中のオーガ達はいつも通りの変わらぬ配置。
「よし……行くぞー!」
【浮き玉】を加速し通路を突っ切っていくと、ある程度近づいたところで投石が開始される。
以前は破片から身を守るためにこの段階で傘を使っていたが、【浮き玉】の高速移動に慣れてきた事もあり、一発ずつ躱しさえすれば……。
「はっ!たっ!」
通路を一気に抜け、まずは片側の一体の首を刎ね、すぐさま身を翻し反対側のもう一体に【緋蜂の針】で蹴りをぶち込んだ。
オーガは流石に頑丈で【緋蜂の針】の蹴りだけじゃ倒せないが、体勢を崩す事は出来る。
それさえしてしまえば、ヘビ達が止めを刺してくれる。
「おっと……」
手前の二体を倒すとやや後方に位置していた残りの二体の投石が始まった。
が、動く範囲が制限される通路と違ってここは広間。
躱す事はたやすいもので数発躱し続けてパターンに慣れたところで反撃開始だ。
反撃と言っても、先程と同じように蹴って切ってお終いだが……転がっている頭を見ると前座扱いは申し訳ない気がしてくるが、仕方が無い。
ここからが本番だ。
一旦天井近くまで高度を上げ、広間全体と通路を見渡し人がいない事を確認する。
これは絶対に省かないように気を付けなければいけない。
「……いないな」
ついでに確認した本隊の数は15体と中々の大所帯だ。
「よいしょっ!」
ボスに狙いをつけて……!
「ほっ!」
矢を放つ。
【ダンレムの糸】の扱い方も完璧とは言えないが、大分慣れてきた。
まだ多少のずれはあるが、ほぼ想定通りの軌道で群れのボスとその周囲のオーガ達を巻き込みながら向かい側の壁に着弾した。
こいつらはボスの代理として二番目三番目あたりまでは序列があるが、それより先は決まっていない。
ありがたい事にその代理達はボスのすぐ側に引っ付いている為、まとめて始末できる。
こうなってしまえば、統制など取れずただただ混乱しているだけの集団だ。
「ふらっしゅ!」
そして駄目押しの目潰し。
「ふっ!」
そのまま一気に群れの中に突っ込み、止めを刺していく。
指示を出す個体が残っていたら、この状態からでも万が一の事があるから油断はできないが……【ダンレムの糸】で先制攻撃でそいつらを倒している。
「ほっ!……と……今ので最後か」
今首を刎ねたのが最後の一体だった様だ。
かかった時間は投石組との戦闘開始から10分位かな?
目潰しも最初の一発だけで間に合うようになった。
以前と比べて大違いだ。
とりあえず今日はこれで十分。
明日からは……そうだな、もっといろんな状況下での使い方を探っていこうかな?
セラ・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】・【浮き玉】【影の剣】【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】・1枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・35枚
エレナ・【】・【緑の牙】・5枚
アレク・【】・【赤の盾】【猛き角笛】・12枚




